EVA CHANGING
じゅうきゅうわ
あくのていおう、ミサト
「夏休み雨も降らない暑い夏」と俳句ができるように快晴。レイは身体の乾きを潤う為にレイまっしぐら!そのまっしぐらとは。
「シンちゃん、あそぼ〜」
それはシンジと遊ぶ事である。
「ふあああ、ん?レイ、いらっしゃい」
だが玄関に現れたのはシンジではなく髪の毛ボサボサ、眠そうな半目状態、だらしない格好のミサトであった。レイはシンジが出迎えると思っていたのでガッカリした。
「さあ、あがって」
「はい!おっじゃましま〜す」
室内全体によく効いたク〜ラ〜今まで歩いてきたときの汗が、気持ちよいほど引っ込む。
「・・・・・・・あれ?」
リビングにいつも寝転がっているアスカの姿はなく、ペンペン1匹がテレビを見ていた。
「キュエ!」
レイに気づくとペンペンは手を上げた。
「あっペンペンおはよう」
「どっこいしょっと」
レイはポツンと座り向かいにはミサトが目覚めの1杯、この世の極楽である。
「シンちゃんは?」
「シンジ君?あ〜アスカと朝早くから出かけたわ」
ドンッ!
N2の衝撃。
「え〜!?どっどこにですか?」
テ〜ブルごしに詰め寄られるミサト、おもわずビ〜ルをこぼしてしまった。
「え〜〜と・・・・寝ぼけていたから忘れちゃった」
ゴン!
テ〜ブルに頭をぶつけるレイ、ミサトは頭をかきながら笑っていた。
(う〜〜アスカ、私のシンちゃんを1人占めする気ね。正妻の私からシンちゃんを奪うなんて絶対に許せないわ)
燃えあがるレイ、ク〜ラ〜が効かないほど燃えあがっている、熱い。だかミサトはのほほ〜んとしていた。
「葛城三佐!」
「な、はい?」
今度はテ〜ブルに乗りミサトの肩を掴む。
「シンちゃんの居場所を諜報部の力で教えてください。早くしないとシンちゃんの身が危険なんです」
(危険って・・・・アスカと出かけただけでしょ。あっそうかデ〜トなら危険かもね、シンちゃんの貞操がぷぷぷぷ)
「早くしてください!」
(めんどくさいな・・・・・・!そうだ、ニヤリ)
ミサトは素晴らしい事が浮かび、おもわず口元が歪む。そして自室に何かを取りに行った。
「ちょっち待ってなさい」
「はい!」
「むふっむふむふ、ちょちょいのちょいっと!」
笑いながら紙に何かを書きこんでいった。
「居場所、わかりました?」
「これを見て」
「?」
レイはミサトに見せられた紙がなんだかわからなかったが読んでいるうちに理解した。その内容は・・・
綾波へ、今日は留守にしてごめん。
どうしても出かけなきゃならない用事なんだ。
ミサトさんの世話をよろしく。
いつも綾波を思っているシンジより
誰が見てもウソだとわかる書置き、だがレイは紙を見て震えていた。
「シンちゃん大変なのね。うんわかった、頑張る!葛城三佐、私でよければどんどん命令してください!」
最後の1行がきいたようである、ミサトは小さくガッツポ〜ズ。
「それじゃあ最初の命令よん、ご飯お願いね」
「はい!」
レイは騙されたと知らずにご飯を作り始めた。
(シンちゃんのエプロンだ〜)
スリスリ!
頬擦りしてシンジの香りを堪能する。
(ふう〜シンちゃん ポッ)
「モグモグモグ、ふう美味しかったわよ」
「はい、ありがとうございます」
「これならシンちゃんのお嫁さんになれるわよ」
「や、やだ〜本当だけど照れちゃう」
頬を赤らめ悦に入っている、だがミサトは口元を歪めていた。
ニヤリ
「碇レイ奥さん、ゴミ捨てお願いね」
(奥さん奥さん奥さん奥さん奥さん奥さん奥さん奥さん奥さん奥さん奥さん奥さん奥さん奥さん)
リフレイン。
「わかりました!」
ミサトはレイの背中を見ながらお茶をすすった。
(ふう、助かるわね)
今日、食事以外の家事はミサトの当番であるが、やりたくないでもやらなかったらシンジに怒られる。いいところにレイの訪問、作戦部長の頭脳がフル回転・・・・ニヤリとなった訳である。
「クエ・・・・」
ペンペンはあくどいミサトを見て『飼い主、間違ったかな』と思っていた。
それから悪の帝王ミサトの本領発揮!
「レイ奥さん、お風呂掃除お願いね」
「はい!」
「レイ奥さん、洗濯お願いね」
「はい!」
「レイ奥さん、布団干しといてね」
「はい!」
「レイ奥さん、レイ奥さん、レイ奥さん、レイ奥さん、レイ奥さん、レイ奥さん、レイ奥さん、レイ奥さん」
「はい!はい!はい!はい!はい!はい!はい!はい!」
ミサトは寝転がり煎餅を頬張り命令を次々と出していく、レイは奥さんと言われ舞い上がり従っていった。
「ふう・・・・」
全てがおわり流石に疲れたのかリビングで寝てしまった。
「あらあら、お疲れねレイ」
ミサトは安らかな寝息をたてるレイにタオルケットをかけてやった、報酬?はこれだけである。悪の帝王ミサト。
しばらくするとシンジ達が帰ってきた。
「「ただいま〜」」
返事は無い、リビングに来てみるとレイとミサトは寝ていた。
「綾波、来てたんだ」
「まったく暇人よね」
「暇人ってアスカもじゃない」
「私はいいのよ」
「う、う〜ん・・・」
レイは2人の話し声に目を覚ました。
「・・・あっシ〜ンちゃん、おっ帰りなさ〜い」
さっと立ち上がると、さっと抱きついた。
「わ、綾波」
「こら!レイ離れなさい」
アスカは引き剥がそうとするがガッチリ抱きついて離れない。
「私ねシンちゃんの奥さんになちゃった」
「「え?」」
シンジとアスカは意味がわからなかった。
「あ、綾波どういう事なの?奥さんって」
「そうよ寝ぼけてんじゃないでしょうね?」
「ほらこれ」
「「ん?」」
レイはミサトから見せられた偽の文章を見せ、赤くなりながら出来事を話した。
「葛城三佐がね奥さん、奥さんって私がシンちゃんの奥さんって認めてくれたのよ!だからね夫を待っている優しくて可愛い新妻、キャッ!お帰りなさ〜い、ア・ナ・タ」
また抱きつく、だがアスカは引き剥がそうとせず、シンジは驚いた様子もなく、まだヨダレを垂らして寝ているミサトを怒りがこもった瞳で見ていた。
「ミサトさん・・・・・」
「ミサト・・・・・」
シンジ達にばれたミサトは禁酒1週間と食事以外の家事を1ヶ月やるように命じられた。
「とほほほ・・・・悪ってやっぱり滅びるのかしら・・・・シクシク」
「アナタ〜!」
「わっやめてよ」
「こらレイ!離れなさい」
夏休みの葛城家の1コマ平和である。
「新妻碇レイです。こんにちは」
「何が新妻よ、ウソだったんでしょうが」
「う〜〜ん碇レイ、いい響きね」
「目を覚ましなさい!ポカッ」
「イッタ〜、あ、アスカお義母様。ちゃんと障子の縁まで掃除しますのでどうかお許しを〜、はううう」
「だれがお義母様よ。いいかげんにしないとしばくわよ」
「ちぇ、アスカって演技力0だね」
「あんたねえ」
「怒らない、怒らない、はいお菓子」
「ん、ありがと」
「さてと次回は悪の帝王葛城三佐がお姫様レイをさらっちゃうの、それを勇敢な王子様シンちゃんがハラハラドキドキ、壮大なスケ〜ルでおくるファンタジ〜番組よ」
「何いってんのよ」
「きゃあ〜!ぷりぷりお姉さん」
「ちが〜う」
「もう演技力0だね」
「大体声が違うのよ。年増でしょ、年増」
「だれが年増なの」
「はうっ!」
「誰かしらね?アスカちゃん」
「私は退散しちゃうね。それじゃあ皆さん、またね〜」
「あっレイ」
「いいのよアスカが居ればね。ふふふふ」
「ぞくっ〜・・・・」
「ちょええええええ〜〜!」
「きゃあああああ〜〜!」
ミサトさんの悪知恵発揮です。もはや400%
こんな連載小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
EVA CHANGING じゅうきゅうわ あくのていおう、ミサト