EVA CHANGING
にわ
びっくり
「ふあああ・・」
登校、アスカは眠たそうに大きく口をあけてあくびをした。隣を歩いているシンジは見っとも無い眼で見ている。
「アスカ、みっともないよ」
タタタタ
「眠いんだからしょうがないじゃない」
タタタタ
「遅くまでテレビを見るからだよ」
タタタタ
「いいじゃない、面白いんだから」
「起こす僕の身になってよ」
タタタタ!
「どうしてよ?」
「起こそうとすると怒るし、起こさなかったら怒る。たまったものじゃないよ」
「なんですって!」
タタタタ ガバッ!!
二人が仲良く夫婦ゲンカをしていると、後ろからシンジの首に手を回して誰かが抱き着いてきた。
「シンちゃん!アスカ!おっはよ〜〜〜〜!!!」
「「え?」」
聞きなれた声にしては弾んだ声、二人は声の主を確かめるために振り向いた。
「「!!」」
二人は目と耳を疑った、そこにいたのはレイである。だが知っているレイとは性格が違っていた、明らかに明るい、笑顔で二人を見ていた。
「ああああ綾波?」
「ファファファファファアスト?」
鳩が豆鉄砲を食らった顔をして固まった。レイは二人の行動を腰に手を当て頬を膨らませて怒った。
「プンプン、びっくりするじゃない」
「綾波どうしたの?」
シンジはレイの突然の変化に驚き信じられなかった。
(これは夢?)
「え?別に何もないよ」
「ファースト、変なものでも食べたんじゃない?」
アスカも驚きを隠せない、レイの性格が180度違う。
「ム〜食べていないよ!それにアスカ!ファ〜ストはやめてよね、私にはちゃんと綾波レイって可愛い名前があるんですから!」
(なに、違うの・・・まさか使徒の攻撃?)
アスカは周りを見回したが別に怪しさはない。
「どうしたのアスカ」
「べっ別にファースト、アンタ変よ」
「変じゃな〜い!私はファ〜ストじゃなくてレイ!はいアスカ言ってみて」
「へ?」
「レイ!」
「・・レイ」
「声が小さい!」
レイはアスカの両肩に手を置き、復唱させようとしている。
「レイ」
「まだ!」
アスカはやけくそだ。
「レイ!」
「よろしい!」
アスカは顔が真っ赤である、大声を出して真っ赤なのではなく、通学路で女の子二人が向かいあっての叫びあい、通行人が何事かと見ていくので恥ずかしさで真っ赤なのである。
(なんなのよ、もう恥ずかしい)
シンジはそんな二人を固まって見ていた。
(綾波・・・変わっている)
「いこう!」
レイを先頭に歩き、朝を満喫していた。後ろにアスカとシンジがこそこそと話しながら学校に向かった。
「ヒソヒソ、ねえアスカ綾波どうしたのかな?」
「コソコソ、私が知るわけないじゃない」
「ヒソヒソ、どうして変わったんだろう?」
「コソコソ、頭でもぶつけたのかしら?」
クル!
レイは二人のこそこそ話が聞こえたのかスカートをなびかせ反転した。
「コラ!二人でコソコソ話すなんて、もう〜二人ともラヴラヴね」
「「・・・・・・・」」
また固まった。
「アスカ、絶対変だよ。ラブのブがヴになっている」
「そっそうね、絶対変」
「またコソコソ話しい〜?」
「ファースト、熱でもあるの」
アスカはレイの額に手を当てたが熱はなさそうだ。
「またファ〜ストって私はレイよ!アスカこそ熱があるんじゃないの?」
ピト!
今度はレイがアスカの額に手を当てた。
「うん!平熱!元気、元気!」
レイはガッツポーズをした。
「本当に綾波?」
「そうだよ!シンちゃんがだ〜い好きなレイだよ!」
ニコ!
(僕が大好きな・・・・)
レイは笑みをシンジに向けた。
(この性格でいいかも)
シンジは自分的に納得していた、一方アスカは頭を押さえていた。
(・・・ダメ・・そうだわこれは夢よ!夢)
ギュ!
「痛!いたいよアスカ」
アスカは夢と思いシンジの頬をつねるが痛がっている。
「・・夢じゃないのね・・・・」
「なに言っているんだよ・・・」
シンジは頬を押さえながら、どうして僕の頬をつねるんだと思っていた。
「・・・現実」
アスカは空を見上げ遠い眼をしている。
(ウソ・・・私は違う世界に迷ったんだわ・・・ファーストはおとなしくて暗くて無口で無愛想で陰険で・・・・ほらお空があんなに高く青く・・鳥が飛んでる・・・・・)
「コラコラ、アスカ!ボケッと立っていないで行こうよ。遅刻するよ」
レイは二人の手を引っ張って学校に走った。
「ちょちょっと、綾波早いよ」
「・・・迷ったのね」
シンジは立ち直っており、アスカは別の世界に飛び立っていた。
レイの変化にびっくりした二人、シンジはボケっとしているから平気かもしれませんがアスカはあまりの変わりように別の世界へ・・・・
こんな連載小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
EVA CHANGING にわ びっくり