EVA CHANGING
にじゅうごわ
レイちゃんしき、かんびょう
「シンちゃ〜〜〜ん!すぐ行くから死なないで〜〜!」
大声を上げながら走るレイ、周りから見れば、誰かが危険な状態だと思うであろうが人一人いないので問題ない。残されたアスカはただ呆然と眺めていた。
「死ぬって、をい。ただの風邪なのに」
「シンちゃ〜〜ん!」
「シンちゃ〜〜ん!」
「シンちゃ〜〜ん!」
「シンちゃ〜〜ん!」
空にレイの声が木霊していた。
「ぜえぜえぜえ・・」
息を切らしてようやく到着、エレベ〜タのボタンを押し到着を待つ。
イライライラ
普通に降りてきているのだが、急いでいるものにとってはそれが遅く感じられる。
「あ〜〜〜待てない!」
と叫んだ瞬間には、すでに片足が階段の1段目にいっていた。
ダダダダダダダ
ダダダダダダダ
「階段ごときで私とシンちゃんの愛を遮る事はできないんだから」
ダダダダダダダ
ダダダダダダダ
光速の走りで階段を駆け登っていった。そして玄関の前に到着。
ピ〜ンポ〜ン!!
ガチャ!
扉が開き中からミサトが出てきた。
「はい、どちら・・・・」
ビュ〜〜〜〜ン!!
言葉が終わる前にレイは風の如くミサトのわきをすり抜け、一直線にシンジの部屋へ。
「おっかしいわね?誰もいないわ」
頭をかき疑問に思いながらリビングに引き返す。玄関には無造作に脱がれた靴が一足、だがズボラなミサトが気づくはずが無かった。
ガラッ
襖を開けると部屋は薄暗い、ベットには寝ているシンジ。レイは入り口からダイブ。
「シンちゃ〜〜ん。大丈夫なの〜〜?」
ドスン!ギュウウ!!
「はぐ!ぐええ・・・・」
シンジはイキナリ体にレイがのしかかった事と抱きしめられた事で、呼吸困難に陥った。
「はっシンちゃん!シンちゃん!」
「・・・・・」
体を揺さぶるが返事が無い。白目をむいている、どうやら気絶したようだ。
「シンちゃ〜〜〜ん」
「あらレイきてたの」
レイの叫び声に何事かとやって来たミサト、先ほどの呼び鈴がレイのものだとは気づいていない。
「シンちゃんが、シンちゃんが・・・・・」
目に涙をためてシンジを揺さぶるが、まだ目が覚めない。
「シンジ君、気絶してるみたいよ」
「えっ?」
「大丈夫よ、えい!」
ミサトは背中に衝撃をあたえ起こした。
「・・・・・はっ僕は何をしていたんだろう?あれ綾波どうしてここにいるの」
「よかった!シンちゃん!」
ダキダキ
ホッとしてまた抱きつく、シンジは真っ赤になりながら慌てふためいた。
「わっイキナリなんだよ」
「あらあらお姉さんは退散するわね」
笑いながら部屋を出て行くミサト、襖はちゃんと閉められたが外ではしっかりと襖に耳をあてて、中の様子を聞いていた。
「もう離れてよ〜それより学校はどうしたの?」
「シンちゃんが風邪をひいたって聞いたから、飛んできちゃった」
ニコリと微笑むレイ、その可愛い姿にシンジは照れる。
「心配してくれたんだ、ありがとう。でもそんなに酷くないから明日は行けるとおもうよ」
「酷くなくてよかったね」
「うん、だから心配しなくていいから学校に行った方がいいよ」
「ダメ!風邪を甘くみたらひどい目にあうよ。だから私が看病するからゆっくり休んでね」
「えっでも・・・」
「ほらほら、病人は素直に聞くものなの。寝ていて」
レイはシンジを強引にベットに寝かせるとタオルケットをかけ、タオルを水につけて絞り額に乗せる。
「シンちゃん、いつも頑張っているんだから今日一日くらい寝ていてもバチは当たらないよ」
「そ、それじゃあ綾波にまかせようかな」
「うん。おやすみ」
「おやすみ」
レイはシンジが瞳を閉じるのを確認すると、足音を立てずに部屋を後にした。
「?葛城三佐、何をしているんですか」
襖に体を密着させ、さらに耳を押しつけているミサトの怪しい姿にレイは疑問に思った。
「へっ?あ、いや・・は、はははは、ちょっち運動よ」
「運動?」
「そっ」
笑いながらごまかすと、すかさずダッシュで自室に逃げ帰った。
「変なの、ええと何をしたらいいかな?・・・・そうだ水がぬるくなっていたからかえよう」
コソコソコソ
再びシンジの部屋に戻ると足音を立てないようにシンジに近づき、タオルと洗面器を持って素早く部屋をでる。
水を捨てて台所へ、冷蔵庫から氷を取り出し洗面器へそして水を入れ冷たさが増す。
コソコソ
新しくかえた水を持って足音を立てないようにシンジの部屋に戻る。
ギュッギュ!
タオルを冷たい水につけて力いっぱい絞る。そしてゆっくりとシンジの額にのせる。
「・・・・・・」
シンジの寝顔をずっと見ていた。
「ゴホッゴホ!」
不意にシンジは咳き込む。レイはビックリし不安な顔になった。
(・・・苦しいんだね。こういう時なにもできないなんて・・・・・そうだ!)
思い出したらしく、立ちあがると制服に手をかけた、そして・・・
スルリ・・・ポト
全てを脱ぐと、ゆっくりとタオルケットに手を伸ばした。
(人肌で暖めれば、回復が早いって聞いた事がある・・・・恥ずかしい・・・・でもシンちゃんだから嬉しいポッ)
頬を赤らめるとタオルケットを手に取り、そしてシンジのベットにもぐりこむ。
(シンちゃん)
だが・・・・・
バッシ〜〜〜ン!!
突然レイの後頭部に痛みが走った。
「う、うきゅううううう」
「こらっ!レイ!アンタなにしてんのよ」
後を振り返ってみるとそこには、アスカがコブシを震わせて立っていた。
「なにって私が暖めてあげてシンちゃんの風邪をなおすの ポッ!それよりどうしてアスカがここに?学校サボっちゃダメだよ」
「アンタが走っていった後イヤな予感がしたから、戻ってみたら案の定」
「う、う〜ん」
シンジは五月蝿くて目を覚ました。間近で騒がれれば当然の事だが。
「あれアスカ?学校は・・・・って綾波!どうして裸なの?」
目に入ってきたレイの裸にシンジの思考は混乱を始める。
「キャ〜イヤ〜ン、シンちゃんのエッチィ〜!もうお嫁に行けない、シンちゃん責任とってね〜」
「あ、いや、その責任って・・・まだ早いし・・・その父さんに相談して、ミサトさんにも言ったらからかわれって・・・」
「レイ!裸見られたくらいでなにが責任よ。早く着なさい。シンジ!いつまでも見ていない。後ろを向け」
アスカはレイに服を投げ、シンジに鞄を投げつけた。
「グエッアスカ・・・ひどい・・・・」
「チェ」
悔しそうに下着を着けるレイ。
「レイ!なにか文句があるの」
「な、ないです〜」
指の骨を鳴らすアスカにレイは冷や汗をかいた。シンジは鞄の直撃をうけ沈黙。
「なんなのよ、。五月蝿いわね〜〜!!」
先ほど部屋に戻り二度寝していたミサトが、騒ぎに気づきやって来た。
「ア、アンタ達・・・・・なにやってんの?ま、まさか!」
あらぬ想像を働かせるミサト、顔色が青ざめて両膝をがくんと床についた。
「な、なに勘違いしてるのよ。これはレイが暴走したから私がくいとめて・・」
「なんてことなの、私は保護者失格・・・・」
「だから違うって、レイなんとか言いなさいよ」
フラフラで倒れる寸前のミサトになんとか理解させようとするアスカ。だが・・・・
「シンちゃんに責任を取ってもらわないと ポッ」
頬に手を当て一段と赤みが増す。
「レ、レイなに言ってんのよ」
「責任・・・・・・」
バッタン!
倒れるミサト、意識は途絶えた。
「きゃ〜〜ミサト!起きなさいよ!レイなに赤くなってんのよ。早く服を着なさい。バカシンジ!起きろ〜〜」
シンジとミサトは倒れ、トリップするレイ、アスカはそんな三人に四苦八苦するのであった。
「クエエ〜」
リビングからその様子を眺めていたペンペンは、関わりたくないので自室に逃げ帰った。
「ふう〜〜シンちゃんって大胆」
「アンタねえ、勘違いしすぎよ」
「え〜〜勘違いしてないよ。最後にはシンちゃんと結婚するの」
「な、何言ってんのよ。シンジとはわた・・・・・な、なんでもないわよ。できるわけないじゃない。ここはコメディ〜なのよ」
「コメディ〜でも結婚はできるもん!そうだ次のお話はシンちゃんと私の結婚ね」
「そんな事できるわけないじゃない」
「どうしてよ?jun16さんに描いてもらうんだから、次は絶対結婚の話しだよ」
「ふっ甘いわね。jun16は次のスト〜リ〜はまだ考えていないから絶対無いわよ」
「うそ〜?ようし私の考えた案を送っちゃおう」
「レイが考えたの?どれどれ・・・・・」
「凄いでしょ、jun16さんも納得のいくスト〜リ〜」
「・・・・絶対無理よ」
「無理じゃないもん」
「・・・・頭痛くなってきたわ。私帰る」
「あれれどうして?」
久しぶりに前・後編となりました(ここのSSは一話完結が多いですからね)
さて後書きでレイちゃんが考えたストーリーとは?皆さんの想像にお任せします。
こんな連載小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
にじゅうよんわ あいのために にじゅうろくわ すべりにいこう
EVA CHANGING にじゅうごわ レイちゃんしき、かんびょう