EVA CHANGING

にじゅうろくわ

すべりにいこう

シ〜ンちゃん!あそぼ〜

 日曜日、レイはシンジと遊ぼうと葛城家にやって来た。

「綾波いらっしゃい。あれ?それは」

 シンジはレイが手にヒモを持って、何かを背中にまわしているのを気づいた。

へへこれだよ

「スケ〜ト靴」

 シンジの前に真っ白なスケ〜ト靴を見せた。

スケ〜トに行こう!

「うん良いけど、僕滑れないんだ」

教えてあげる

「う、う〜ん・・・」 

 だかシンジは渋っていた。女の子の前で滑れない格好悪いところを見せたくない。

行こうよ〜

 シンジの腕を取りブンブン振ってせがむ。その姿は可愛くシンジの頬を赤く染める。

「わ、わかったよ。ちょっと待ってて着替えてくるから」

うん!

 シンジは振り帰り着替えの為に部屋に行こうとする。だが・・・・・

「へええスケ〜トね〜。レイ、アンタ抜け駆けは許さないわよ!」

 アスカがやって来た。聞こえる声で話していたので当然である。

チエ!

 軽く舌打。

「レイ!何よそのチエは!」

何でもないよ〜

「ったく、私も行くわよ」

「アスカ、滑れるの?」

 シンジが驚いてアスカを見る。

「当然でしょ!これでもドイツでは銀盤の女王と呼ばれていたのよ」

 フフンと胸を張って二人に自慢する。

うそ臭いな〜

「レイ〜この口は五月蝿いわね」

 アスカはすかさずにレイの頬をつかみ、左右に広げる。

ひょ、ひょんな事ないれす〜

 

 

 こうしてレイの構想三日、執筆十時間『シンちゃんと二人でスケ〜トでラヴラヴ、「私が教えてあげる。綾波ありがとう。ふふまずは手本ね、あっ!綾波大丈夫?うん・・・」失敗してワザとシンちゃんに抱きつく』作戦はアスカによって脆くも崩れ去った。

まさかアスカが行くなんてシナリオ外だったわ。でもまだチャンスはあるもん!

 レイは燃えた。

(レイがマイスケ〜ト靴を持っているなんて、侮れないわ。銀盤の女王の名にかけて負けないわよ)

 アスカも燃えていた。

(ク〜ラ〜効いていないのかな?暑いや)

 電車の中左右に二人、真ん中に座っていたシンジは汗が流れていた。

 

 

 そしてシンジが脱水症状になりかける一歩手前でスケ〜ト場についた。さっそく入場料を支払う、無論シンジ持ちで。

(とほほ・・・なんで僕が・・・)

 財布が軽くなる。二人は・・・

シンちゃん、ありがとう

「男が払うのが常識よ」

 ・・・でわけがわからずシンジが払う。

 レイはマイスケ〜ト靴なのでシンジとアスカは靴をかりる。

 サッサッサッサ

 早く滑りたいのかヒモを結ぶにもレイは素早くおこなった。アスカはそれを見て対抗心を燃やした。

(早い!慣れているわね。負けないわよ)

 サッサッサッサ

 レイに遅れる事三秒で終えた。

「シンジ〜まだなの」

 シンジはまだ片方しか結んでいなかった。スケ〜ト靴なんて数えるくらいしか履いていないので遅くなるのも当然であろう。

「シンちゃん、おそ〜〜い!手伝ってあげるね」

 右足に格闘し続けるシンジ、これではいつまで経っても終わらない。レイは左足をピンと伸ばすと手際よく結び始め、アスカを見た。

 ニヤリ

勝ったわね

(くうううう、レイの奴〜〜〜)

 アスカは歯軋りして悔しがった。靴ヒモを結ぶ勝負レイに軍配があがった。

 そしてレイとアスカはスケ〜ト靴を履いていても、いつもと同じ速度で歩いた。一方シンジはヨロヨロとして今にも足首をひねりそうであった。

「シンジ何やってんのよ、ほら」

「あ、ありがとう」

 アスカはシンジの手を取ると、転ばないようにユックリと歩いた。そしてレイを見る。

 ニヤリ

(ふっ、まあこんなものね)

アスカ!ずるい〜

 エスコ〜トはアスカに軍配があがった。

 そして三人は楽しいスケ〜トを、いや少女二人は火花を散らすスケ〜トを始めるのであった。鈍感な少年は熱い対決をスケ〜トリンクの氷が溶けても気づかないであろう。


「レイ!アンタいつの間にスケ〜ト靴を買ったのよ」

「わかんな〜い。部屋のテ〜ブルの上に置いてあったの」

「なんですって!じゃあ自分で買っていないの?」

「うん!」

「な、なんて羨ましいの。あ〜あ私にも置いていないのかしら」

「無理だよ」

「なんでよ!」

「だって、心優しい、素直で可愛いレイちゃんだから神様は置いてくれたんだよ。乱暴で我侭でガサツでへっぽ・・・うぎゅぎゅぎゅ〜〜」

「アンタ、もう喋らなくていいわよ」

「うぎゅぎゅぎゅ?」

「だってもう喋れなくなるんだからね。ふふふ」

「うぎゅ〜〜〜」

「アスカ、綾波が死んじゃうよ」

「あら私はそのつもりよ」

「うぎゅ〜〜〜〜〜」

「綾波のスケ〜ト靴はね。jun16さんが置いたんだよ」

「何ですって!jun16が?」

「うん、突然ネタが閃いて次はスケ〜トだ!って。こっそり置いていったんだよ」

「あのバカjun16が!どうして私じゃないのよ?それになぜシンジが知っているの?」

「うぎゅ〜〜〜〜〜〜」

「アスカ、その手を離した方が・・・」

「あら、忘れていたわ」

「ふううう・・・・・あ〜あ死ぬかと思った」

「チッ!で、どうして知っているの」

「jun16さんがメ〜ルをくれたんだよ。ほらこれがアスカ宛だよ」

「見せなさい。なになに・・・・・『アスカ、君がこのメ〜ルを読んでいるという事はもう後書きだね。なぜスケ〜ト靴がアスカの部屋に置いていないのは、ここのSSはレイが主人公だからだよ。という訳で、コケまくりたまえ、ハハハハ』、な、何よこれは!」

「そのメ〜ルのとおりだよ」

「ムキ〜!いい度胸しているわねjun16〜〜〜」

「あっアスカがネルフに!」

「弐号機を出すつもりみたい。シンちゃんアスカはほっといてご飯でも食べに行こう」

「えっあ、う、うん」

 なぜにスケート?それは寒くなってきたからです。

 設定としてレイ、アスカは滑れる。シンジは滑れないにしています。次回をお楽しみに〜

 こんな連載小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


にじゅうごわ レイちゃんしき、かんびょう にじゅうななわ レイちゃん、すべる

EVA CHANGING にじゅうろくわ すべりにいこう