EVA CHANGING
にじゅうななわ
レイちゃん、すべる
シンジはアスカのエスコ〜トによってスケ〜トリンクにたどりつくことができた。わずかな距離だが手を繋げ、満足げのアスカに対しレイは苦味を潰していた。
(く〜くやしい)
日曜日なので人は多いがその中で更に多いのがカップル。そうここはデ〜トスポットとして有名なのである。だからレイは計画に計画を練り、シンジと二人で来ようとしたがアスカによって邪魔されたのである。
三人、リンク内におりたつ。ひんやりと冷気が体に伝わり身震いをさせる。
「シンジ、私の華麗なる滑りをとくと見ておきなさい!」
アスカは氷を一蹴りすると素早くトップスピ〜ドにのった。その速さは同じ年齢の子ならまずは敵わないだろう。
(ふふふ、どうかしら?華麗な滑りは)
シンジ達から大分離れた場所まで滑ってきた。自分の滑りに悦を感じシンジを見る。
(えっ?)
ツルッ!
「きゃああああああ〜〜〜」
ド〜〜〜〜ン!!
シンジ達を見た瞬間バランスを崩して転倒、豪快に尻餅を付いて、そのまま壁に激突。
「いたたたた・・・・」
アスカは涙目になりお尻をさすりながら、シンジ達の姿を確認して叫んだ。
「こらっ!レイ!アンタなにやってんのよ」
寒い室内に木霊する。その大声に周囲の目線がアスカに注目したが、今はそんな事は目に入らない。それもそのはず、先ほどシンジはアスカの滑りを見る余裕もなく、ずっと手すりを磨いていた。
そんな姿を見かねたレイが・・・・・
「シンちゃん。両手に掴まって」
「う、うん」
レイはシンジと向かい合い、手を握って先導し始めた。いつもならシンジは手を繋ぐことに躊躇うのだが、今はそんな余裕が無い。その二人の姿を見てアスカが転んだわけであった。
「あ、綾波っアスカが何か言っているけど」
シンジは一生懸命でアスカの声が正確に聞き取れていない。
「華麗に滑ってるって」
「そ、そう」
「うん。さあゆっくりと右足を前に出して」
「う、うん」
アスカを無視して教えるレイ、寒いのかはたまた別な意味で頬が赤い。
(これよこれ、このシッチュエ〜ション。何人たりとも私とシンちゃんの邪魔はできないわ)
ニヘラ〜と笑い当初の計画(ラヴラヴ作戦)を実行に移るレイ。
(ここね!)
一瞬、レイの瞳が光り輝く・・・そして・・・・
「あっ!!」
バランスを崩しスロ〜モ〜ションでシンジの胸に飛び込む・・・・・
(決ったわね。シンちゃん!責任とってね〜〜〜〜)
抱き付かれただけで責任とはシンジはたまったものではない。
あと0.005秒でシンジが責任を取らされる。だが・・・・・
「ちゅおっと待った!!!」
ドン!
「あひ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
クルクルクルクル〜〜〜
光速の速さで戻ってきたアスカによって計画は邪魔された。レイは突き飛ばされてクルクル回りながら滑っていった。
「まったく、シンジ大丈夫?」
「えっ?何が」
ずっとバランスを取り足元を見つづけていたシンジに今の状況がわかるわけが無い。アスカは『ならいいわ』と安堵のため息をついた。
「まったく男なんだから,滑りなさいよ」
「無理だよ。そんな事言ったって」
「しょうがないわね。ほら」
アスカは照れながら手をシンジに差し出した。
「掴まりなさい」
「う、うん」
しっかりと握られた手。
「いい、あの時と同じように私と同じに動くのよ」
「う、うん」
あの時とは、説明しなくてよいだろう。
「右,左、右・・・・」
アスカは掛け声を出し、シンジをコ〜チしていく。その頃レイは・・・・・・
「う、うきゅうううう〜〜〜〜」
壁に激突して一時的に沈黙していた。
「ア,アスカ」
「何?」
「綾波が壁際で倒れているんだけど」
余裕が出てきて周りを見ることができた。その際レイが壁にぶつかって倒れているのが見えたのだ。
「ほっといていいわよ。あれは寝ているだけだから」
「寝てる?」
「そうよ。上級者はね、ああやって氷の上で寝ることが通なのよ」
ウソである。
「ふ〜んそうなんだ」
騙されるシンジ。
(ふっふふふ。レイ一生そこで寝てなさい)
沈黙しているレイを横目にガッツポ〜ズをしてシンジと仲良く滑る。
(はあ〜この時間がずっと続かないかしら)
時間が経ち、シンジは大分慣れてきた。
「アスカ、そろそろ手を放して良い?自分で滑ってみたいんだよ」
「えっ?い、いいわよ」
ちょっと寂しいアスカ、渋々手を放すことにした。
だが・・・・
「うわっ」
バランスを崩し転びそうになる。
「シンジ!」
慌ててシンジの手を取ろうとするが・・・・・
「シンちゃん危ない!」
ドン!
「きゃあああ〜〜〜〜」
クルクルクル〜〜〜
目が覚めたレイがアスカを突き飛ばし、シンジを助けに入った。アスカはそのまま壁に激突沈黙した。
「綾波ありがとう」
「ううん、シンちゃんは大丈夫だった?」
「うん。あれ?アスカは」
キョロキョロしてアスカを見つけるシンジ。今度はアスカが眠っていた。
「いいの。滑りましょう」
「うん」(いいかなアスカも上級者だから)
勘違いシンジ。
こうしてレイはラヴラヴにシンジと滑る事ができ満足であった。
「シンちゃんとのデ〜ト楽しかった」
「何がデ〜トよ、アイタタタお尻が痛いわ」
「痛いってアスカ歳なのね」
「誰が歳よ!私はまだ14よ!痛いのは打ったからよ」
「私は痛くないもん。だからアスカは年寄り・・・うぎゅぎゅ・・・」
「アンタの体が変なのよ。まったくあざができたらどうするのよ」
「もうあるんじゃないの?」
「あるわけないでしょ」
「だって、赤い・・・ボクッ!いった〜い」
「減らず口ね氷に埋めるわよ」
「い〜だ、氷ぐらいで私とシンちゃんの愛は冷めないよ〜だ」
「アンタ・・・・・殲滅するわ」
「ア、アスカ・・・・目が座っている・・・・・逃げよう」
「こら待て〜〜〜」
レイとアスカの勝負は・・・・五十歩百歩ですね(^^)
こんな連載小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
EVA CHANGING にじゅうななわ レイちゃん、すべる