EVA CHANGING

にじゅうはちわ

きょうは

・・・・・・

 レイは自室の壁に掛けてあるカレンダ〜を見て腕を組んで黙って唸っていた。

・・・・・・今日はアスカの誕生日ね

 そう今日は12月4日、アスカの誕生日である。そして手元にある財布に目をやった。

・・・・・500円・・・・・

 財布の中身は五百円玉一枚。そしてまたカレンダ〜に目を移す。

アスカ我侭で意地っ張りで性格が悪くて高いものに目が無い悪人だから、これじゃあ殺されるかも

 レイはアスカのプレゼントの事で悩んでいた。今手元にある残高は500円、ゲンドウに頼めばお金をくれるのだが、甘えはいけないとやめていた・・・・・

 

 

 

「アンタ、そんなちっぽけなプレゼントで私が喜ぶと思っているの」

で、でも一生懸命選んだの!だから受け取って

「ハンッ!笑っちゃうわね。そんなチンケなものなんていらないわ」

あうっ。ひ、ひどい・・・・

「さっさと帰りなさい。さあシンジ二人だけで楽しみましょう」

「うん」

シ,シンちゃん・・・

「綾波、僕はアスカと結婚するんだ。サヨナラ」

ガ、ガ〜〜〜ン!!そんな・・・・・

 

 

 

う、うそよ〜〜〜〜

 部屋に絶叫が木霊した。硝子にヒビが入り、天井が揺れた。アッチの世界に行っていたようだ。

ふう、レイ考えるのよ。これは一大事ね、何とかしないと

 こっちとあっちの世界がごちゃごちゃになっているようだ。

どうしたらいいかな?

 その1 500円で買えるものを探す。

 その2 ゲンドウにお金を貰う。

 その3 アスカを亡き者にする。

 その4 シンちゃんと逃亡する。

う〜〜ん。1はアスカが満足しないわね。2はダメ司令に甘えてはいけない。3、殺人はしたくない・・・そうなると消去法で・・・・・4、シンちゃんと逃亡ね。決り!

 レイは間を置かずに家を出た。そして向かう場所は決っている。

 

 

 その頃シンジは・・・・・

「ふう。ワインにフル〜ツ・・・・それに・・・・・」

 メモを見ながらス〜パ〜に向かう為に歩いていた。

 トコトコトコ

 ダダダダダ

 トコトコトコ

 ダダダダダ

 トコトコトコ

 ダダダダダ

 トコトコトコ

 ダダダダダ

 トコトコトコ

 ダダダダダ

 そして十字路で・・・・

 ドッカ〜〜〜ン!

きゃあ

「いたたたた・・・・・・・」(し、白!

 シンジの目に飛び込んできたのは、眩しいくらいの白の・・・・

(こ、このシチュエ〜ションって前にもあったような・・・・・)

「ご、ごめん・・・あ、綾波!」

 頭をさすりながら相手の顔を見た。するとよく知った人物、レイであった。

う、うう・・痛い・・・・・シ、シンちゃん。はっ!

 レイも驚いた。そしてスカ〜トがめくれているのに気づき素早く隠す。

シンちゃんのえっちい

「ご、ごめん」

 二人して道路に座りこんで赤くなる。がレイははっとすると、すかさずシンジの腕を掴んだ。

「なに綾波」

シンちゃん。逃げるのよ

「へ?」

 いきなりの事で何が何だがわからない。

だから逃げるの

「どうして逃げるの?」

「私とシンちゃんの危機なの!」

「うっうわ」

 レイは強引にシンジを立たせ走り出した。

「ちょっちょっと綾波!」

 訳が判らず引きずられるシンジ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「遅い!」

 葛城家のリビング。アスカはイライラして時計を見ていた。シンジが買い物に出てずっとそんな調子であった。

「アスカ落ちつきなさい。まだ2時間しか経ってないでしょ」

 ミサトは昼間からビ〜ルを飲みアスカをなだめている。

「遅くなったら料理ができないでしょ」

 誕生日の為にシンジが腕を振るってくれると言って、アスカは嬉しかったので帰りが気になる。

「はいはい、わかりましたよ」

 ビ〜ルを飲み干すと,すぐに乾きを訴え冷蔵庫に取りに行った。

「遅い」

 時計の前で仁王立ち。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 レイとシンジは電車に乗っていた。運賃はネルフカ〜ドなのでお金は心配無い。

「綾波、どこにいくんだよ」

シッ黙っていて!これは命に関わる事なの

「えっ?命に」

 真面目な顔をして言われては緊張してしまう。

「だ、誰かに狙われているの?」

ええ、とても狂暴な奴にね

 ゴクリ

 シンジは生唾を飲み冷や汗が額を流れる。

「そ、それならネルフに避難したほうが良いんじゃないかな」

ダメなの。相手には通用しないわ。鬼だから

 ゴクリ

 鬼を想像してまた汗が流れ出る。

だから逃げるしかないの

「う、うん」

 目的地が無い逃亡。二人を緊張が包む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おっそい〜〜〜〜!!!

 その台詞は何度聞いたであろうか、ミサトは耳にたこができていた。

「はいはい。わかっているわよ」

「わかってないわよ。もう5時間も経っているのよ」

「そういや遅いわね。いつもなら帰ってきても良いはずなのに?」

 プルルルル

 そんな時ミサトの携帯が鳴った。

「はい・・・・・・・・えっシンジ君がロストした?・・・・・ええわかったわ。お願い」

「ミサト!」

 聞いていたアスカが部屋に飛びこんできた。

「シンジは?」

「消えたそうよ・・・・」

「なんですって。ネルフは何をやっていたのよ!」

 アスカは怒りをあらわにすると部屋を飛び出そうとする。

「どこに行くの?」

「決っているでしょ。シンジを探すのよ」

「ダメよ。シンジ君がロストしたとなれば、アナタにも危険があるわ。ここは諜報部に任せて待ちましょう」

 興奮状態のアスカをなんとかおさめようとする。

「わ、わかったよ・・・・」

 冷静になりリビングに戻り、二人神妙な面持ちでミサトの携帯を見つめる。

(どうして今日に・・・・・シンジ)

 アスカは両手を額の前に持っていき無事である事を祈った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 プルルルルル!

 一時間後、携帯がなったミサトは素早くスイッチを入れる。

「もしもし。シンジ君が見つかった!えっレイも一緒?ええわかったわ」

 見つかった知らせにアスカはひとまず安堵した。

「レイも一緒なの?」

「ええ?二人で電車に乗っているみたい。敵の姿は見えないけど無事よ」

「よかった〜」

「もうすぐヘリが来るから外に出ましょう」

「ええ」

 二人はペンペンを残しエレベ〜タを使わずに階段で外に出た。その一分後ヘリがマンション前に降り、二人は乗りこむ。

 バッバッバッバ

 ヘリは風を舞いながら空に飛びだっていった。

「後五分後に電車に追いつきます」

 操縦者が二人に説明する。

 そしてモニタ〜で電車が確認でいた。

「あれね」

「シンジがあそこに」

「葛城三佐、今から電車を緊急停止させます。そこへ先回りしていた部員が乗りこみますから」

「ええ、お願い」

 そして・・・・・

 キキ〜!!

 フルブレ〜キ、シンジ達はバランスを崩して床に倒れこむ。

きゃあ

綾波!

 キキキ〜!

 まだバランスが悪くて立てないがシンジはレイを守ろうと覆い被さった。

(綾波は僕が守る)

 ドタドタドタドタ

 諜報部員達が一斉になだれ込んできた。

(て、敵!)

 目に写ったのは黒服にマシンガンを抱えた何十人もの男、シンジは死を覚悟した。だが・・・・

(あ、あれ?)

 ゆっくりと目を開けてみると黒服は二人を囲むようにして、守っていた。そして・・・

「敵の姿見えません」

 どこかに連絡しているようだ。

「シンジ君、レイ!」

「シンジ!」

 そこにミサトとアスカが飛びこんできた。

「ミサトさんにアスカ、どうして?」

「二人とも無事で良かったわ」

 ミサトは何もなくて良かったと二人に抱きついた。

「わっミサトさん」

苦しい

「バカシンジ!ぼさっとしているんじゃないわよ」

 アスカは瞳に涙を浮かべ怒っているような、無事である事を喜んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後の処理で敵は捕まえられなかった。ゴタゴタでシンジは料理を作られじまい、ミサトがふんぱつして四人はレストランに行った。

「「「アスカ、誕生日おめでとう」」」

「へへ、ありがとう」

 一気にろうそくを吹き消した。そして楽しい誕生会がおこなわれた。

 ・・・・・レイはこの事件の事は黙っていたのであった。

命が危ないもんね


「レイ!アンタが主犯だったのね」

「ち、違うよ〜鬼が鬼が〜〜〜〜」

「何トリップしてんのよ!まったくせっかくの誕生日が台無しじゃないのよ!」

「い、いいじゃないの。感動的だったでしょ。これが私からのプレゼント」

「はん、そんな事で騙されないわよ。プレゼントよこしなさい」

「ええっ買ってないよ〜〜」

「今からでも遅くないわよ。買ってくれば許してあげるわよ」

「お金無〜〜〜〜い」

「じゃあ死刑ね」

「いや〜〜〜」

 アスカの誕生日ですね。レイの勘違いからすごい事になりましたが、最後は丸く収まりました(^^)

 こんな連載小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


にじゅうななわ レイちゃん、すべる にじゅうきゅうわ わたしがスキ〜につれてってあげる

EVA CHANGING にじゅうはちわ きょうは