EVA CHANGING
さんじゅうわ
ふたりのじゅぎょう
人工スキ〜場に着いたレイとシンジ、さっそくレンタルウェアをかりた。
「シンちゃん、似合ってるよ」
シンジは紫をベ〜スとして明るい色が散りばめられたスキ〜ウェアを選んだ。シンジの性格からいうと本当は地味目を選びたかったのだが、そういうウェアは置いてはいない。
「綾波も似合うよ」
「へへ、ありがとう ぽっ!」
レイは青をベ〜スに白のデザインを選んだ。髪や肌の色にマッチし一層可愛く見える。そしてスキ〜板を借りると屋内ゲレンデに向かった。
「ううっ寒いね〜」
常夏育ちの二人にはウェアを着ていても寒い。吐く息は白く体も震える。だが嬉しかった初めて触る雪に。
「シンちゃん。え〜い!」
「うわっ冷たい。お返しだ〜」
レイはスキ〜を履く前にしゃがみこむと、雪を一つ掴みしてシンジに投げた。恋人達が必ず?するであろう、雪のかけあい。
「きゃあ!冷た〜い」
「ははっ楽しいね」
「うん」
気分は恋人、だがこの光景をゲレンデの頂上から睨みつけている人物がいた。金色の赤みがかった長い髪、サングラスをつけスキ〜ウェアは真紅と見るからに美人。アスカである。
「むむむむっ」
美人が一人でいると男性から声がかかるのが当然だが、彼女の雰囲気はそんな男性を寄せ付けないほど殺気に満ちていた。
一方、シンジとレイは
「まずは転び方からね。これを怠ると怪我するからマスタ〜してね」
「うん、わかったよ」
レイによるスキ〜教室が始まっていた。最初は基本である転び方からである。シンジは真面目に受けていた、下手な転び方をすると骨折すると脅されて、危なくなったらすぐに転ぶ事を学んだ。
「シンちゃん、上手!上手!」
すでに数十回は転んだ、当然上手くなるだろう。シンジは照れながらもまた転んだ。
その頃、頂上では
「バカシンジが!転びすぎよ!それだけ転べば誰でも上手になるわよ」
周りのスキ〜ヤ〜が引く中、一人ジッと二人を睨みつけていた。
「次はボ〜ゲンね。こうやって逆ハの字にするの」
「うん」
そして初心者が最初に習うボ〜ゲン、シンジはゆっくり逆ハの字にしながら緩やかな斜面を滑る。
「やった!滑れた」
「上手!上手!止まる時はね、ボ〜ゲンをもっと広げるの」
「うん」
シンジはレイと同じように逆ハの字を広げた。すると止る。この後も曲がり方など基本を習い、リフトに乗って初心者コ〜スに向かった。
その頃頂上では
「ふっアンタの教えた成果を見てあげるわよ」
まだ立っていた。どうやらアスカの考えは、レイの教え方に文句をつけて自分がもっと上手にシンジを教えて、そのまま二人になる考えのようである。
「じゃあシンちゃん、ゆっくり滑るからついて来てね」
「うん」
こうして二人は初心者用の緩やかなコ〜スをゆっくりと滑り始めた。
スイスイスイ〜
二人は物凄くスロ〜ペ〜スで滑る。当然他のスキ〜ヤ〜にどんどん抜かれていく。
「上手、上手」
レイは時折後向きで滑り、シンジの上達のはやさを誉めた。
「綾波の教え方が上手だからだよ」
「ふふ、ありがと」
だが初心者の怖いところは、最初ゆっくり滑ってなれてくると、どんどんスピ〜ドをつけたくなる。シンジもなれてくるとバ〜ゲンの逆ハの字を『ハ』では無く『ニ』と水平にどんどんと変えて、スピ〜ドを上げた。
「シンちゃん、そんなにスピ〜ド付けると危ないよ」
「大丈夫、平気だよ」
シンジは少しスピ〜ドを上げた。風がきもちいい、となるとまたスピ〜ドを上げたくなる。
「うっうわっ!」
「シンちゃん!」
調子に乗ってスピ〜ドを上げると初心者はコントロ〜ルができない。案の定シンジもボ〜ゲンに戻す事ができなくなりバランスが崩れる。
「うわ〜〜〜」
「シンちゃん!ええいっ!」
ゴロゴロ!ド〜〜〜〜ン!
レイはコントロ〜ルができなくなったシンジに抱きついて転がった。二人は雪まみれである。
「イタタタ、綾波!大丈夫?」
「うきゅきゅきゅきゅ〜〜〜〜」
シンジは痛い腰をさすると、ハッとなりレイを見た。レイは上向けに大の字になり目を回していた。
「綾波〜〜」
「うきゅきゅ〜〜、大丈夫だよ〜〜」
「良かった〜ごめん、調子に乗って・・・・」
シンジはレイを起こすと自分の不甲斐なさに気落ちした。
「いいよ。滑るとね、スピ〜ドを付けたくなるんだ」
レイはニッコリ笑うと外れたスキ〜板を集め、また装着する。
「さあ、滑ろ!」
平然さを装うレイだが心の中ではシンジに抱きついた事により心臓がバクバクなっていた。
(ラッキ〜!抱き付いちゃった、これぞスキ〜の醍醐味よね〜 ぽっ)
その頃頂上では
「キ〜〜〜!レイの奴!シンジに抱きつくなんてもう許せないわ」
先ほどの二人のハプニングを見て、怒りは頂点に達した。アスカはようやくその場から物凄いスピ〜ドで滑り始めた。
「到着〜〜〜」
二人はようやく滑り終えた。転んだもののシンジは初めてのスキ〜は満足であった。
「これからどうする?一休みする?それともまだ滑る?」
「うん、コツが掴めそうなんだ。滑ろうよ」
「うん!」
二人はリフト乗り場に向かうが、それを狙う赤いスキ〜ウェアがもうスピ〜ドでやって来た。
ザザザザッ!
「きゃあ!」
「うわっ」
エッジを効かせて二人の前でピッタリと止る。無論レイに雪を浴びせるのを忘れない。
「誰よ!もう?」
レイは体中に掛かった雪を払い落としながら、赤いスキ〜ウェアの顔を見た。
「あら?二人とも偶然ね」
アスカはサッとサングラスを取るとワザトらしく笑った。
「「アスカ!!」」
「お二人さん、仲良いわね〜」
ホホホホと口に手を当て笑うが、レイには殺気を向けている。
「シンちゃんとデ〜トなの」
レイも負けてはいない。シンジの腕を掴むとアスカに殺気を向けて笑った。
「むっ!へ、へえ〜ここに来るって事はスキ〜が上手なようだけど、あれ?転んだように見えるけどもしかして下手なの?」
アスカは歯をキリリと噛むと、先ほど転んだ事を見ているのだが、ワザと見ていない振りをする。
「くっ!シンちゃんを助ける為に転んだんだもん!それに抱きついて止めたのよ〜」
バチバチバチ!
表面上、二人はにこやかだが火花が散っている。
「あ、あらそう。転ぶことでしか止められないなんて下手なのね」
「下手じゃないもん、これでも雪の妖精って言われているのよ」
「妖精〜?ハン、私なんて雪の天使って呼ばれているのよ」
バチバチバチッ!
火花散る。鈍感なシンジも二人の殺気にようやく気づいた。
「二人ともやめなよ〜そうだ三人で滑ろうよ」
だが
「「シンジ(シンちゃん)は黙っていて!!」」
「はい・・・・・」
小さくなるシンジ。
「勝負よアスカ!」
「フン、望むところよ」
二人はシンジを残すと超上級者のリフト乗り場に向かった。
「僕は・・・・・・・?しょうがない一人で滑ろう」
ポツンと残されたシンジは一人初心者のリフト乗り場に向かった。
超上級者のリフトに乗り頂上を目指す二人。
(どうしてアスカがここに居るのかしら?やっぱり亡き者にすれば良かったわ)
(ふふん、レイこの雪をアンタの血で染めてやるわ)
ブッそうな事を考えている二人、そうするうちに頂上に到着した。
超上級者コ〜ス、斜面は急降下で凹凸が激しい、スキ〜ヤ〜も数えるほどしか滑っていない。まさに超上級者である。
「いいことレイ!先に下についた方が勝者よ」
「ええ!望むところよ」
今ここに、美少女の熱き戦いが始まろうとする。スタ〜トの合図は無い、だが二人は同時に滑り出した。
「うふうふふふふ、雪の上でシンちゃんと転がっちゃった〜、そして二人はそのまま・・・・キャ〜〜〜!シンちゃんのえっちい〜〜」
「こらっ!なに暴走してんのよ」
「ゲッ!アスカ居たの?」
「さっきからずっと隣りにいたでしょうが。まったくどこか抜けているわね」
「い〜だ!こんな私をシンちゃんは愛してくれているんだから」
「なんですって!」
「そう、そしてこの勝負に勝って式をあげるのよ ぽっ」
「そんな事はさせないわよ。それに法律で結婚はできないでしょうが!」
「そんなの関係ないも〜ん」
「チッ!こいつは」
「さあて、次回はいよいよ、永遠ではないライバルアスカと決着がつきます」
「そう私が勝つのよね」
「違う〜。私が勝つの」
「私よ!」
「私!何度も言っているけど、ここの主役は私なの脇役のアスカには永遠に勝つなんてことはないの」
「ふっそれが何よ。勝ってここの連載を私の主役にするのよ。アンタは用済みよ」
「むむむむむ〜〜、吼えていればいいでしょ、次回!さんじゅういちわ!アスカ雪山に散る!お楽しみに〜〜」
「こら〜勝手に殺すな〜それに雪山って何よ?人工スキ〜場でしょうが」
「舞台は展開によって変わるのが常識なのよ」
「はあ〜?」
前回の後書きでこの回に決着がつくと書きましたが、残念ながら次回になりました<_>
レイとシンジの授業を描いていたらアスカの出番が無くなりましたので、次回に持越しです(単に描くのが時間が無かっただけです^^;)
と言う訳で次回!さんじゅういちわ アスカ!アルプスで遭難する。へえ〜そうなんですか さぶっ!お楽しみに〜
「ちょっと〜タイトルが違うじゃないのよ!」
えっ?そうですか。
「それに何よ?くっだらないギャグ、1000000年遅れているわよ」
じゃ、じゃあ次回さんじゅういちわ アスカ!本当は滑れなかった、滑っていたのはCG お楽しみに〜
「このバカjun16〜〜〜〜」
はぎゃあ〜〜〜〜><
こんな連載小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
にじゅうきゅうわ わたしがスキ〜につれてってあげる さんじゅういちわ はくぎんのたたかい
EVA CHANGING さんじゅうわ ふたりのじゅぎょう