EVA CHANGING

さんじゅうごわ

とうこう

待って〜〜!

 アスカとシンジに、正確にはアスカに置いてきぼりにされたレイ、大声を出しながら追い駆ける。

「誰が待つもんですか、べ〜〜〜」

「アスカ〜待ってあげなよ綾波がかわいそうだよ」

 アスカは走りながら後ろを振り向くと舌を出してからかう。

アスカはいいからシンちゃ〜〜〜んだけでも待って〜〜!

「むっ!そう言う事いうわけ?ふんっシンジ行くわよ」

「うわっ」

 心優しいシンジはレイの叫びに止まるだろう、しかしそうはさせまいとシンジの手をしっかり握ると走るスピ〜ドを上げた。

むう〜〜シンちゃんの手を握るなんてアスカの分際で100年早い〜〜、天が許してもこの私が許さないわよ

「ぬぁにが私が許さないわよ?そんなの追いついてから言ってみなさい、追いつけるものならね」

 レイとアスカの距離は50メ〜トル以上に離れた、追いつくのは難しいだろう。だが・・・

ふふんっ、5秒以内に追いつけるもんね〜〜

 レイはしゃがむと靴のカカトに付いているスイッチを押した、そのスイッチには猫のマ〜クが入っている。

これぞお母さんが作ったネ〜ミングのセンスが全然無い『世界最速最靴〜』!

 『お母さん』とは無論リツコの事である、リツコは『お姉さん』と呼びなさいといつも言っているが『お母さん』の方が似合うので『お母さん』と呼んでいる。

スイッチを押して3秒後、私は音速を超えるのよ

「だからどうしたのよ?あれ?レイがいない」

 突然アスカ視界からレイの姿が消えた。

「あっ!アスカ、前前」

 シンジは前方を指差した、その先には・・・

「げっレイ」

うきゅきゅきゅきゅ〜〜〜・・・・・・

 壁に正面からぶつかり埋まりこんだレイの姿であった。

「リツコの発明は絶対成功しないのに、どうして使うのかしら?」

「さあ?綾波で実験しているんだよリツコさん」

「「はあ〜〜〜」」

 2人はリツコのMADさに溜息をついた。

溜息なんかついてないで助けてよ〜〜〜

「世話が焼けるわね〜シンジ、引っ張るわよ」

「うん」

 埋まりこんだレイ、自力では抜けられない、二人係りで救出した。

いたたたた〜〜顔が痛いよ〜〜

「まったくドジね〜鼻血がでてるじゃない、ほら上を向いて」

う、うん

 アスカはポケットからティッシュを出すとレイの後頭部を持ち顔を上に向かせて鼻血を拭いてやった、シンジにはその姿が姉妹に見えた。

「痛い〜〜」

「こらっ下向いたら垂れて服に付くでしょうが、上を向いてなさい」

う、うん

 従うレイ、シンジは・・・

(う〜〜〜〜ん姉妹だ)

 その光景をほのぼのと見て感じていた。

アスカ優しいのね

「な、何言ってんのよ、アタシは優しいわよ」

 意外な発言にアスカはソッポを向いて赤くなった。だがシンジは・・・・

(優しいかな〜〜?)

 疑問に感じていた。

アスカ本当に優しい、さっきまで高慢ちきで高飛車で我侭でへっぽこでSALなアスカと思っていたたたたたたた!

「アンタ、アタシの事をそう思っていたの?このまま頭を握りつぶすわよ」

 先ほどから持っている頭に強烈な痛みが走る、アスカのゴットフィンガ〜が爆発寸前である。

う、ウソウソ!ウソで〜〜す、アスカは優しい、優しいで〜〜す

「よろしい!」

ほっ

 頭から痛みが引き安堵の溜息をついた、そして二度とアスカの前では言わないと誓った。

「ねえ2人ともそろそろ行かないと遅刻しちゃうよ」

 シンジは先ほどからしきりに時間を気にしていた、何も無ければユックリ歩いても遅刻はしない時間であったが現在はもうそんな時間ではない。

「別に良いんじゃない?ネルフの用事って言えば良いわよ」

そうそう、ユックリ行こう〜

 アスカとレイ、別に学校の事はどうでも良かった。しかしシンジは・・・

「嘘ついたら駄目だよ、走ればまだ間に合うと思うよ走ろうよ」

 真面目である。

「アンタバカ〜?今更走ったって遅刻よ遅刻!どうせ遅刻なら走ったって歩いたって同じなのよ」

そうそう、アスカの言う通りユックリ行こう〜

 2対1、シンジの主張は弾き飛ばされた、こうしてチルドレン3人はネルフの用事は無いのに遅刻するのであった。


「はあ〜〜・・・」

「シンちゃんどうしたの?溜息なんかついて」

「遅刻しちゃうよ」

「まった〜〜別に良いじゃない遅刻しても私達は世界の平和を守っているのよ、遅刻の1回や2回どうって事ないでしょ」

「・・・・1回や2回って、数え切れないくらい遅刻しているんだけど」

「そうなの?」

「うん、アスカの寝坊が凄いんだよ。時間が無くて起こしに行ったら殴られちゃうんだ」

「アスカ、酷いわね。無視して行っちゃば良いじゃない」

「起こさなかったら起こさなかったで殴るんだよ」

「むう〜アスカなんて我侭、SALの称号は伊達じゃないわね」

「はあ〜〜明日は起きてくれるかな?」

 レイちゃん元気がありすぎて鼻血(笑)リツコさんまた変なものを発明して、成功しないのに発明するんだから(爆)

 アスカちゃんが少し?優しかったですね。

 こんな連載小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


さんじゅうよんわ とらんすふぁ〜 さんじゅうろくわ げたばこ

EVA CHANGING さんじゅうごわ とうこう