エヴァンゲリオン学園外伝
バースデー
お布団ぬくぬく〜〜
さむ〜い日は暖かいお布団に包まっていると幸せだわ、ごろごろごろごろニャ〜ンだわ。
もうすぐ起きる時間、でも寒いから起きたくないわ、でも起きないとシンちゃんを起こせないわ。
・・・う〜〜ん、暖かいお布団に包まっていると二度寝という誘惑が来ちゃうのよね。でも起きないと、起きないと・・・
「・・・カ」
ん〜〜何か聞こえるわ。
「・・・スカ」
アタシを呼んでいるの?誰が?空耳かしら。
「アスカ」
やっぱりアタシを呼んでいるわ、この聞き覚えのある声はシンちゃん。
「アスカ起きて」
やっぱりシンちゃんだわ、でもこんな朝早くにアタシの部屋に何をしに?それよりどうしてシンちゃんが朝早く起きているの?
「アスカ」
シンちゃんの声が聞こえるけど、これは夢よね。夢・・・このままずっと見ていたいわ。
「アスカ起きて」
ん〜〜夢の中ではシンちゃんが早起きしてアタシを起こしてくれる。現実とは大違いね。
「アスカ、起きてくれ」
ユサユサ
え?身体が揺さぶられてたわ、感覚がある。まさか・・・
「シンちゃん」
「おはようアスカ」
目を覚ましたらシンちゃんが居たわ、びっくり。
「シンちゃん、こんな朝早くからどうしたの?」
「アスカに言う事があるんだよ」
「言いたい事?」
何かしら?今日はアタシの誕生日って知っているからもしかして、愛の告白?・・・きゃ〜〜〜シンちゃんたら〜〜
「うん、お別れを言いに来たんだ」
「え?」
お別れって何?もしかして引越しするの?
「僕はエヴァンゲリオンに乗って使徒と戦わなくてはいけないんだよ」
「エヴァ?使徒?」
何それ?それって漫画の世界の事じゃない。シンちゃんは普通の中学生でしょ。
「昨日使徒が攻めてくる情報がきたんだ、そして使徒に対抗できる唯一の手段がエヴァンゲリオン、僕はそのパイロットに選ばれたんだ」
「シンちゃん何言っているの?エヴァとか使徒とか漫画の世界のお話でしょう」
「漫画じゃないよ、本当の事なんだよ」
うそ、シンちゃんアタシを騙そうとしているわ。
「これを受け取って」
「これは?」
ラッピングされた小さい箱を手渡されたわ。
「今日誕生日だね、おめでとうアスカ」
「あ、ありがとう」
何かシンちゃん、シリアスすぎるわ。ドッキリにしては凄い仕掛けね。
「戦いから生きて戻ってきたら、その時は・・・左の薬指につけてくれ」
「え?」
薬指、って事はこのプレゼントは指輪なの。
「それじゃあアスカ、僕はもう行かなくちゃならない」
「学校にはまだ時間があるよ」
五時半だわ、シンちゃん偉いわ、こんなに早くに起きるなんて。
「さよならアスカ」
「あ、シンちゃん」
ド〜〜〜ン!
「な、何?」
外で何か大きな音がしたわ、爆発?
「ちっ使徒が攻めてきたんだ」
ド〜〜ン、ド〜〜ン!
外を見たら・・・
「あれは!」
巨大な物体が立っていたわ、あれは使徒。
「シンちゃん、本当に・・・シンちゃん!」
シンちゃんの姿はもうなかったわ。本当にエヴァのパイロットになったんだ。シンちゃん死なないで、生きて帰ってきて・・・
「アスカ〜〜〜〜」
う、う〜〜〜ん
シンちゃんの声?
「アスカ〜起きて〜〜〜」
やっぱりシンちゃんの声だわ、戦いから帰ってきたんだわ!
「シンちゃん!」
「おおう、目覚めが良いね」
「帰ってきたのね」
「どこから?」
「どこからって戦いからよ」
使徒との戦い激しかったんでしょう。
「戦いってどこの?」
「使徒とのでしょう」
「使徒?使徒ってエヴァかい」
「うん」
本当に帰ってきたんだ。
「アスカ〜寝ぼけているのかい、エヴァは漫画じゃないか」
「シンちゃん本当の事だって言ったじゃない」
「はは、夢を見たんだよ。昨日本を見てから寝ただろう」
「夢・・・」
確かに昨日エヴァンゲリオンの漫画本を読んでから寝たわ。
「夢を見たんだよ、僕はエヴァに乗ってないし戦いにも行っていないよ」
「な〜〜んだ夢だったのね」
「そうさ、今日はアスカの誕生日だろう。はいプレゼント」
「わあ〜〜ありがとう」
あっこのラッピングされた小さい箱は夢の中と同じ物。まさか!
「アスカ実は・・・」
もしかしてもしかして!!
「ごめん!お金が無かったんだ。勘弁して」
「はあ?」
シンちゃん謝っているわ、どうして?プレゼントは何?
「これは」
箱の中には紙が数枚入っていたわ。お手伝い券・・・
「券を渡してくれれば言う事をきくから、勘弁してね」
ふふふ、シンちゃんらしいわね。やっぱりシンちゃんはシリアスじゃなくてこうでないとね。ありがとうシンちゃん。
アスカちゃんの誕生日です。アスカちゃんより早く起きてきたシンジ君はなんとエヴァのパイロットになりました。
戦いに行くシンジ君、生きて戻ってきたら二人は・・・
でも本当のシンジ君は(笑)
こんな小説でも飽きずに読んでくれた方々に感謝します。
エヴァンゲリオン学園外伝 バースデー