エヴァンゲリオン学園外伝
メロン
八月に入って暑さも増してきたわね。毎日太陽が照って融けちゃいそう。
この前のアイスは美味しかったわ、シンちゃんと一緒だから余計に美味しかった。
毎日アイスを食べたいけどお腹を壊しちゃうからほどほどにしないとね。
だから今日はメロンパンを買いに行くの、メロンパンだけを売っているパン屋さんがあるのよね。これは食べて味を検証しないといけないわ。
さあシンちゃんを誘いに行こうっと。
「シ〜ンちゃん」
「行かないよ」
何も言ってないのにカウンターをくらったわ。
「行かないって何も言ってないじゃない」
「どうせ、美味しい店見つけたから行こうって誘いに来たんじゃないの」
ドキッ!
ば、ばれているわ。流石シンちゃんね。
「ち、違うわよ」
「じゃあ何?新しいプラモでも発売したの?」
プラモってシンちゃんが詳しいじゃない。
「そ、それは・・・」
「それは?」
「美味しいメロンパンがあるから一緒に買いに行きたいの」
一人で行ってもいいんだけど、できれば一緒に行きたい。
「子供じゃないんだから一人で行ってきなよ」
シンちゃんだって子供じゃない。
「シンジ、行ってあげなさい」
レイお姉ちゃん!
「え〜〜どうして?」
「毎日だらだらしていたらいけないわ」
「別にいいじゃん、夏休みなんだから」
「そう、なら・・・」
なら、なにかしら?
「秘密、うふふ」
ゾ〜〜〜〜〜〜〜!
レイお姉ちゃんの不気味な微笑みに背中が一瞬凍ったわ。
「さあアスカ行こうか!」
「え、行ってくれるの?」
シンちゃん急に立ち上がったわ。
「当然だよ、じゃあ行ってくるよ」
「行ってらっしゃい」
シンちゃんに手を引かれ家をでたわ。それにしてもレイお姉ちゃんの秘密って何かしら?気になるわ。
「ねえシンちゃん」
パン屋さんに行く途中にシンちゃんに聞いてみたわ。
「何?」
「レイお姉ちゃんが言っていた秘密ってなあに?」
「僕にもわからない」
「え?」
「わからないけど何か恐いんだ」
シンちゃん思い出して震えているわ。
「そ、そうなの」
「わからないけどレイお姉ちゃんだから恐いのね、それわかるわ」
レイお姉ちゃんって不思議なところがあるのよね、でも色々と味方になってくれるから大好き。
「あそこのパン屋だろ」
「うん」
シンちゃんが指さした先にはパン屋さんがあるわ。『メロンパン屋』って看板に書いてあるから一発でわかるわね。
「何個買うんだい?」
パンの種類はメロンパンだけ、一つ120円は安いわね。何個にしようかな。
「シンちゃんはいくつ食べる?」
「どうしようかな、二つ食べようかな」
シンちゃんは二つね、アタシは一つで、あとレイお姉ちゃんのも買っていこうっと、だから四つね。
四つで480円ね、500円でお釣りがくるから安いわね。
「僕が出すよ」
「いいわよ、アタシが出すわ」
アタシが誘ったんだからね。
「いいよ、僕がだすよ」
「あっ」
シンちゃんが素早くお金を出したわ。
「ありがとう」
「いいよ、このくらい」
アタシはメロンパンの入った袋を受け取ったわ、シンちゃんって優しいから好き。
「温かくて美味しそう」
袋からはメロンパンの温もりが伝わってきているわ、出来立てね。
「へ〜〜食べようか?」
「歩きながら食べたら行儀が悪いわよ」
今は帰宅途中、歩きながら食べるのはちょっとね。
「いいじゃん、もらうよ」
「あ、ダメよ」
アタシの静止も聞かずにメロンパンを一個取ったわ。
「うわ〜〜これは美味しそうだぞ。ほら外はパリパリ中はフワフワだよ」
「本当」
シンちゃんがメロンパンを二つに割ったらほのかに甘い香りが漂ってくるわ。
「はいアスカの」
「アタシの?」
半分のメロンパンをアタシにくれたわ、行儀が悪いのに、でも・・・
パクパク
「美味しい〜〜〜」
「美味しいね」
外がカリカリ甘くて中はフワフワしてて柔らかいわ。
「もう一つ食べようっと」
半分食べたら我慢できなくなったわ。
「あっ後は家に帰ってからだよ」
今度は逆にシンちゃんが止める方になったわ。
「でも食べたいから・・・」
パクパク
「美味しい〜〜」
「あ〜あ、食べちゃった」
美味しいからいいじゃない、よしっ!
「シンちゃん、Uターンよ」
「え?」
「これは買わないとバチが当たるわ」
「沢山食べたいんだろ」
「うん」
アタシはシンちゃんの手を引っ張ってまたパン屋に向かったわ、気に入ったから毎日通いそうだわ。
夏休みの楽しみ?アスカちゃんの今日のおやつはメロンパン。シンジ君と一緒に買出しです。
メロンパンが美味しすぎてアスカちゃん数日は通いそうですね。
こんな小説でも飽きずに読んでくれた方々に感謝します。
エヴァンゲリオン学園外伝 メロン