エヴァンゲリオン学園外伝

SNOW

「はあ〜〜〜」

 息が白いわ。

「へっくちゅん」

 くしゃみが出るわ。

「寒〜〜〜い」

 外を見ると街は真っ白の雪景色、雪が積ったわ。

 雪が積ったらやる事は一つ、雪合戦!シンちゃんと対決するわよ。

 手袋にマフラー、毛糸の帽子にカイロにダウンジャケットを装備完了!さあシンちゃんを呼びに行こうっと。



「おはようございます」

「おはよう、朝から元気が良いわね」

 ユイおば様が出迎えてくれたわ、洗濯中だったみたい。

「はい、元気だけが取り柄ですから。シンちゃんは居ますか?」

「ええ、でもまだ寝ているのよ、起こしてくれないかしら」

「はい」

 アタシは笑顔で頷くとシンちゃんの部屋に向かったわ。




 コンコン!

 寝ていてもノックはしないとね。さあて開けるわよ。

「シ〜〜ンちゃん」

「zzz」

 寝ているわ、今日はどうやって起こそうかしら。・・・そうだ!

「ふんふんふ〜〜ん」

 窓際に積った雪を一掴みして・・・

「ふんふんふ〜〜ん」

 シンちゃんの背中に入れると・・・

「つ、冷た〜〜〜〜い!!」

 一発で眼が覚めたわ。

「シンちゃん、おはよう〜〜」

「お、おはよう」

 シンちゃん息が荒いわ、どうしたのかしら?ってアタシがしたんだけどね。

「なんか背中を斬られたような感じがしたんだよ」

「夢じゃない?恐い夢だったのね」

「夢かな?あれ背中が濡れている」

 雪融けちゃったわね。

「寝汗をかいたのね、よっぽど恐かったのね」

「そうかな〜〜覚えてないや」

 ごめんね、でも起きたからヨシとしましょう。

「今日ね雪が積ったのよ」

「へえ〜〜どうりで寒いと思ったよ」

「でね、雪合戦をしよう」

 アタシの目的は雪合戦。

「え〜〜イヤだよ、寒いし面倒だし」

「ええ〜〜〜折角積ったのに遊ばないと損した気分になるよ」

 シンちゃんの性格からイヤって言うと思ったわ。

「眠たいから後でな」

 後でって言っても後でしないのよね。

「ねえシンちゃん〜〜」

「zzz・・・」

 寝るの早〜〜い、でも問題無いわ、そろそろおじ様が・・・

「シンジ、アスカ君と遊びなさい」

 ほらおじ様が助けに来てくれたわ。

「zzz・・・」

 でもシンちゃんは寝ているわ。

「こづかいぬきだ、いいや私にこづかいをよこせ」

「え、ええ?」

 あ、起きたわ。

「シンジ、こづかいをよこせ」

「イヤだよ、どうして僕が父さんにこづかいをやらないといけないの」

「イヤならアスカ君と遊びなさい、それがイヤなら・・・」

「わかったよ。遊ぶよ遊べばいいんだろ」

「なんだ、そのふてくされた返事は。減俸半年」

 お小遣いがへっちゃうのね。

「わ、わかりました。アスカと遊びます、うわ〜〜いアスカと遊びたいなあ」

「よし。アスカ君、シンジと思いっきり遊んでくれ。遊び飽きたら捨ててきていいぞ」

「は、はあ」

 捨ててきていいって、おじ様ちょっと恐いわ。でもこれでシンちゃんと遊べるわ。




「到着〜〜〜」

 近くの公園、雪が降っても人がいるわ、みんな雪が目当てで来たのね。雪だるまを作ったり雪合戦をしてるわ。

「シンちゃん雪合戦しよう」

「う〜〜〜寒っ」

 ポケットに手を突っ込んでみっともないわねえ、男ならシャキっとしなさい。

「えいっ」

「うわっ危なっ」

「残念、避けちゃダメ」

 不意打ちを付いて雪球を投げたのにかわされたわ。

「避けないと冷たいだろ」

「避けたらダメなの!当たって」

「当たったら雪合戦にならないじゃないか、当てれるものなら当ててみな。アスカに当てられるわけ無いけどな」

「む、むかつく〜〜絶対にあててやるもん」

 馬鹿にして〜〜シンちゃんのくせに生意気よ。

「えい!えい!え〜〜い!」

「はずれ!はずれ!はずれ〜〜〜!」

 う〜〜どうして当たらないのよ。

「へたくそだなあ、ほれ」

「きゃっ冷た〜〜い」

 シンちゃんの投げた雪玉がアタシの顔に当たったわ、うええ冷たい・・・

「えい!えい!え〜〜い!」

「はずれ!はずれ!はずれ〜〜〜!」

 また当たらないわ、あっまたシンちゃんが投げるわ避けなきゃ。

「うきゃっ」

 また顔に当たったわ、冷たい・・・

「どう、降参かい?」

「顔が冷たい、へくっちゅ」

 うへえ寒くなってきたわ。

「もう帰る」

「そうか帰ろうか」

 風邪引きたくないから帰るわ、けしてシンちゃんに当てられなかったから帰るわけじゃないのよ。

「きゃっ」

 ずっと〜〜ん!!

「アスカ大丈夫」

「いた〜〜い」

 滑って尻餅ついちゃった、お尻が痛くて濡れちゃったわ。

「うぐっうぐぐ・・・」

「わああ、泣いちゃだめだよ、ほら泣かない泣かない」

「うん、泣かない」

 お尻が痛くても冷たくても泣かないもん。

「帰ろうか」

「うん」

 シンちゃんに手を引かれて帰るアタシ・・・とほほ雪合戦しようと言ったのはアタシなのに、へっぽこだわ。


 雪合戦はアスカちゃんの大敗に終りました。すべてシンジ君に避けられてすべて当たっています(笑)

 へっぽこなアスカちゃんですがシンジ君に手を引かれて帰ったので良かったかな(^^;)

 こんな小説でも飽きずに読んでくれた方々に感謝します。


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