jun16HP 110000HIT記念

カヲル君の一日

朝〜カヲル〜

 シャアアアアアア!!!

 勢いよく流れるシャワーの音、熱い水は銀色の髪をもつ少年の肌を流れる。

 キュキュ!

 就寝中の汗を洗い流すと掛けてあるバスタオルを頭から被り、無造作に髪を拭く。

「ふう〜」

 そして下着を身に着けバスローブを着こなすと、コーヒーメーカーからできたてのコーヒーを注ぎ、口に運ぶ。無論ブラックである。

 ♪♪〜〜〜〜♪♪♪♪〜♪〜

 リビングに行きお気に入りの音楽、第九をかける。ブラインドから輝く太陽の光が漏れている。

 ブラインドを指で少し折ると、けして欠ける事の無い太陽を見つめた。

「ふっ朝日が眩しいな」

 渚カヲル、フィフス・チルドレンだが使徒でもある。チルドレンとして生活している彼はネルフが用意した高級マンションに一人暮しを満喫している。

「ふっ」

 カヲルは朝食はパンにしている。一人暮しだとわざわざ作るのは面倒くさく、パンの方が手軽である。トーストからパンをとるとたっぷりとバターを塗り頬張る。

 使徒であるから食糧を取る事は必要ないのだが、人間の生活が気に入っており、普通の人間として生活を送っていた。

 ♪♪〜〜〜〜♪♪♪♪〜♪〜

 スピーカーから流れ出る第九を口ずさみながらTVをつけると今日の世界状勢を確認する。

「今日も平和だな。ゴクゴク、ふう〜〜ごちそうさま」

 使い終わった食器を流しに持っていく、シンジならすぐさま洗うところだが、カヲルは水に漬けるだけで洗わない。帰ってきてから洗うのだ。

「さあて準備をしようかな」

 身支度を整えると、壁に掛けてある時計を確かめる。まだ時間はある。

「今日は良い事が起きそうだ」

 直感なのか?鏡の前に立つと、念入りに銀髪をブラッシング。

「ふっ」

 髪型が決ると鏡に向かってスマイル。歯がキラリと光りそうなほほ笑みである。このほほ笑みでほとんどの女子生徒(レイ、アスカ、マナ、ヒカリを除く)が腰砕けになりカヲル非公認でファン倶楽部が設立された。

「今日も女の子達を苦しめるのか」

 カヲルはふう〜とため息をついた。ファン倶楽部設立後からカヲルの下駄箱にはラブレターの山山山、その数はアスカが転校してきた時より多い。ラブレターに興味が無いアスカもこれには悔しがった。

 そして端末にはメールの嵐、あまりの多さにサーバがパンクしそうになり学校のLANに支障をきたすほどであった。

 ラブレター、メールは笑ってやり過ごしていたが彼を一番悩ませたのが告白である。休み時間ごとに上級生から同級生、下級生に呼ばれ告白をされたのである。

 この光景にクラスメートや全ての男子(シンジ以外)に羨ましがられた。クラスメートのA田kスケ氏は『なぜ俺には来ない』と血の涙を流すほど悔しかったという。

 カヲルのおかげで血の涙を流したA田kスケ氏、だが彼のおかげで懐が暖まっている事も事実である。

 今まではチルドレン3人とマナの写真、一部にヒカリの写真が売れた。だがそれもほとんどが男子にだけである。シンジの写真は女子に売れたがそれもゴク一部、女子の購買層も欲しかったがそれに見合う被写体がいない。

 そこへカヲルの転入、一気に女子の購買層が増えた。フィルム代を差し引いても売上は倍増、左団扇である。

 A田kスケ氏の話しはこの位にしておこう。

 

 

 なぜカヲルがため息をついているのかというと・・・・それはどんなに可愛い子でも断っていたからである。断られた女の子は当然理由を聞いてくる。

「すまない。僕は君の好意には答えられないよ」

「どうしてですか?他に好きな人がいるんですか?」

「そうだね。でも振り向いてくれないんだよ」

「ええっ?カヲルさんを振るんですか?」

「いいや違うよ。僕に魅力がないだけさ」

「そんなじゅうぶんに魅力があります!」

「ありがとう。そう云う訳だから君とは付き合えない」

「・・・・・・・わ、わかりました・・・・・・・・・」

 ダダダダダ!!!

 そうして告白した女の子は涙を流して去って行く。カヲルはその光景が痛かった。

 

 

「・・・・・今日は振り向かせて見せるよシンジ君!」

 A田kスケ氏から買ったシンジの写真にニッコリ笑うと、お気に入りの香水を手首と首筋につけ部屋を後にした。

「ふっ良い太陽だ」

 カヲルの一日が始まる。


 110000hit!!!ありがとうございまし〜〜〜

 記念連載SSカヲル君の一日です。短編の方でシンジ達の一日を描いていますがカヲル君は記念の方にだします。えっ?どうして短編に出さないのって

 それはね・・・・カヲル君を短編(00/01/18 時点)では出していないからです。

 でもこれじゃあカヲル君ホ〇になっている。まずいまずいぞおおお(^^;)

 まあ危なくない程度に描きますので続きをお楽しみに〜

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


登校〜カヲル〜

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