jun16HP 140000HIT記念

カヲル君の一日

学校2〜カヲル〜

 カヲルにとっては退屈?イヤ、シンジを見つめる楽しい時間は終わった。次の授業までの休み時間、生徒は友達とお喋りや、用足しにと行動に移る。無論カヲルもそうであった。

「ふっ」

 授業中は机と机の距離があり眺める事しかできなかったのだが今は違う。誰に注意される事も無く、堂々とシンジの席に向かえる。

「やあ、シンジ君久しぶりだね」

「久しぶりってカヲル君、一緒の授業を受けていたじゃない」

 シンジはニッコリと微笑んだ。

「机と机の距離、お喋りできない時間、同じ空間にいても、それは僕にとって一時の別れと同じ事なんだよ」

「そ、そうなの」

 髪をかきあげると、ポケットに手を入れて窓から外を見つめた。シンジは半笑いでその姿を見た。

キャアアアア!!!

 カヲルのモデルのような格好にクラスの女子は叫び喜んだ。数人は格好良さに失神するのである。その失神者を介護するのはもっぱら委員長のヒカリ。

 

「いただきだ!」

 カシャカシャカシャカシャ!

 ケンスケは光速でカヲルをカメラにおさめる。カヲルの写真は売れた。他のチルドレンより売れたので当然シャッターチャンスは見逃さない。

「これで新しいカメラが買えるぜ!!」

 カヲルを正面から横から後から全方向から撮っていく。こんなに撮られたら普通は嫌がる事なのだが、カヲルは・・・・

 

「僕の写真でレディーの心を潤せるなら沢山撮ってくれ、名カメラマン君」

 

 この言葉にケンスケは燃えた。写真を撮る事に許可を貰えた事と名カメラマンと言われた事、だがカヲルは・・・

 

(名前は・・・何だったかな?ふっ)

 

 覚えていなかったのである。

 

「ったく、いい加減なれたらどうなのかしら」

 アスカは頬杖をついて悪態をついた。

「本当よね。暗闇で亡き者にしようかしら」

 マナはスカートをゆっくりとあげると太ももにくくり付けられた銃を触った。

「なっ!学校に物騒なものを持ってこないでよ」

「でも役に立つ時が来るかも、ふふふ」

 少し眼がイッている。アスカは引いた。

「・・・・それじゃあ、あの人は倒せないわ」

「うわっ!ファーストびっくりするじゃない。急に後で呟かないでよ」

 アスカの後から幽霊の様に現れたレイ。

「ごめんなさい、でもお約束だから」

「はあ〜?」

「アスカがビックリするのが」

「アンタねえ」

 呆れるアスカ、レイは無表情でお構いなし。

「マナさん、これ」

 レイはポケットから何かを取り出した。

「?これは何」

「ロンギヌスの槍、これなら倒せるわ」

 ちょうど箸くらいの大きさのロンギヌスの槍であった。

「ちょっと、ファースト!それ勝手に持ち出していいの?」

「・・・・三人目だからわからないわ」

「そんなの三人目でも四人目でもわかることでしょうが!」

「・・・・ごめんなさい、こんな時どんな顔をしたらいいのかわからない」

「・・・・言いたくないわ」

「そう・・・残念  クスンッ」

 アスカは呆れた、レイは少し残念。だがマナは・・・

「レイさん、それをどうするの」

 ワクワクしていた。

「簡単、これを投げつけるだけ、それであの人は宇宙にさようなら クスクス」

「何と!明快簡単、証拠も残らないわね フフフフ」

 二人、口元が歪んでいる。

「・・・・アンタ達、怖いわよ」

「レイさん、早速実行しましょう」

「ええ」

 レイはロンギヌスの槍をカヲルに標準を合わせた。

 

「ふっこれで良いかい?名カメラマン君」

 まだ名前を覚えていないカヲル。

「ああ、充分だよ。良い写真が撮れたよ」

「ふふ、レディーが喜んでくれるなら、何枚でもいいさ」

「ありがとう、お礼だよ」

 ケンスケは胸ポケットから何かを取り出した。写真のようである。

「おっこれは」

 それは・・・・

「ああ、シンジのエプロン姿だ」

 それは自宅でのシンジのエプロン姿、トウジと二人で遊びに行った時に盗み撮りしたのである。

「これは素晴らしいよ、シンジ君コレクションの中でも最高の一枚になるよ」

「そう言ってもらえると嬉しいよ」

 

 

「誤差修正・・・・発射」

 レイはロンギヌスの槍を投げた。

 シュッ!

 一筋の光となってカヲル目掛けて・・・・

「?おや?名カメラマン君」

 突然カヲルの目の前からケンスケが消えた。

「トイレかな?ふふセッカチだね」

 

「ファースト・・・・・」

「レイさん・・・・・」

 ケンスケが宇宙に飛んで一筋の光になったのを見た二人はゆっくりとレイを見た。

「・・・・・・・」

 レイは無表情ながらも汗が瀧の様に流れていた。

「アンタ、短い距離を外すなんて」

「レイさん、訓練受けているの?」

「・・・・・・絆だから」

「「・・・・・・」」

 二人は何も言えなかった。

 

 キーンコーンカーンコーン

 短い休み時間は終わる。


 140000hit!!!ありがとうございまし〜〜〜(^O^)/

 休み時間、主役はケンスケ(笑)でも星になってしまいました(爆)

 レイ、アスカ、マナ、何時の間にかトリオが結成されています。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


学校〜カヲル〜 学校〜カヲル3〜

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