jun16HP 180000HIT記念
カヲル君の一日
学校4〜カヲル〜
楽しい昼食も終わり、午後の授業は眠気がやってくる。普通の授業なら爆睡モ〜ドだが今日は違う、家庭科なのだ。
「頑張るぞ〜〜」
料理の実習、シンジお得意の部門である。午後からなのでお菓子作りのようだ。
「お菓子か、ちょ〜〜〜〜〜〜と苦手なのよね」
アスカは真っ赤なエプロンを身に着けると苦笑いをした、家での家事は全てシンジに任せっきりお菓子は作った事がない。
「アスカ大丈夫よ、私が手伝ってあげる」
「ありがと」
ポンと胸をたたいて張りきるヒカリ、家庭科はシンジとヒカリの独壇場である。
「ちょっとじゃないくせに・・・・」
「あ〜〜〜〜!何か言った?」
レイの呟きが聞こえたようだ、キッとレイを睨みつける。
「別に・・・・・」
三角巾をつけると席に座った、ちなみに三角巾とエプロンには猫のマークがあしらってある。
「へええ〜〜アスカってお菓子作れるんだ」
「え、ええ作れるわよ」
「じゃあ教えてもらおうかな〜〜私お菓子作りは苦手なの〜〜〜」
ニッコリ微笑んでアスカに話しかけるのはマナ、だがその喋りは教えてもらおうという気持ちが入っていない。むしろアスカの反応を楽しんでいるように見える。
「ま、任せなさい!」
ドンと胸をたたくが内心は・・・・・
(ヒ、ヒカリに手伝ってもらお)
「フフフフフフ」
その四人を不気味に狙う妖しい影が、教室の隅に居る。
「エプロン姿、売れる!売れるぞ!!」
メガネである。
「フンフンフンフ〜〜ン」
カヲルは楽しそうに鼻歌を歌いながらエプロンを着ける、銀色よりの灰色のエプロンさまになっている。
「カヲル君楽しそうだね」
「お菓子作り、アフタヌーンティーとして最高の一品だよ。そうは思わないかい?シンジ君」
「そ、そこまで深く考えた事はないから・・・・」
「ふふ、紳士は常に最高を求めるんだよ、僕もシンジ君が・・・」
カヲルは微笑みながらシンジを見つめた。
「な、何言うんだよカヲル君」
シンジは何故か言葉に詰まりながら頬を赤く染めた。
「ふふ、好意に値するよ」
「好意?」
「ふふ、好・・ぐはあっ!」
「カヲル君?」
そこでカヲルの意識は途絶えた。倒れたカヲルの後ろにはコブシを握り締めたアスカが立っている。」
「ぬあにが好意よ。バッカじゃないの!」
「アスカ、酷いじゃないか」
「うっさい!アンタも赤くなってんじゃないわよ。さっさと席に座る」
睨みつけられると何も言えないシンジ、心でカヲルを助けられなかった事を詫びながら席に座った。
(カヲル君ごめん!僕に力が無くて)
「・・・・・・・」
倒れて気絶しているカヲルを無言で見ているレイ。
「・・・・この人誰?」
まだ名前を覚えてないらしい。
「レイさん、どうしたの?座りましょう」
意外とレイと親しいマナ。
「ええ、この人どうしよう?」
「別に置いといて良いんじゃないかしら、どうせ起きるから」
「そうね」
こうして誰の介護も無くそのまま放置されるカヲルであった。
「ハプニングショットじゃないか」
気絶したカヲルを不気味に狙う妖しい影が、間近に居る。
「気絶した姿も売れるぜ!」
メガネである。
何事も混乱?は無く、皆グループに分かれ席に着いた。グループはお決まりの如くアスカ、ヒカリ、マナ、レイ、カヲル、ケンスケ、シンジ、トウジである。
「じゃあ始めるわよ」
アスカが腰に手を当て開始を宣言する。そうただ宣言しただけである、その後はドンと椅子に座った。
「アスカ、手伝ってよ」
「私は良いのよ監修役だから」
「何だよそれ〜〜?」
シンジはアスカの態度に呆れながら作業をし始めた。
「碇君上手ね」
「そんな事ないよ、委員長も手際がいいね」
「毎日やっているからね」
始まってから五分、すでに三つのグループに分かれている。
シンジ、ヒカリのグループ。毎日家事をやっているのでお手のものである。テキパキと作業をこなしている。
「レイさん、砂糖はどのくらいかしら?」
「・・・・・私三人目だからわからないわ」
「・・・・・聞いていなかったのね」
レイ、マナのグループ。多少はできるがシンジ達には敵わない、補助的役目である。
「まだできないの〜〜〜?」
「ワシの仕事は食べる事やし、男は料理はせんのや」
「料理姿、売れるぜ!」
「・・・・・・・・」
アスカ、トウジ、ケンスケ、カヲルのグループ。まったく手伝っていない、手伝ったとしても邪魔なだけである。アスカはマナに教えると言っておきながらすでに忘れている。
「委員長、卵割ってくれる」
「わかったわ、碇君は小麦粉と牛乳を計って」
「うん」
「・・・・・・これは何?お砂糖、甘い・・・・美味しい」
「レイさん、舐めてないで計ってちょうだい」
「了解」
「はあ〜〜待っているのは暇ね〜〜」
「楽しみや〜〜〜」
「明日の売りが楽しみだ」
「・・・・・・」
それぞれの家庭科の時間が過ぎていく・・・・
「完成よ〜〜〜!」
アスカは腰に手を当てると叫んだ。
「完成って手伝ってないくせに」
「シンジ!何か言った?」
「い、いいえ」
アスカにとって悪い呟きはどんなに小さくても聞こえるらしい。
皿に盛られたクッキー出来立てのアツアツ、フンワリしていて美味しそうだ。
「おや?出来たようだね」
「なんや?イキナリ復活しよったで」
「ふふ、シンジ君の手作りクッキーが食べたくて目覚めたのさ」
カヲルはサッと髪をかきあげるとクッキーを一つつまんだ。
「つまり手伝いたくなかったわけね」
「アスカ・・・・人の事は言えないわよ」
「ふ、ふん!私は良いのよ」
レイに突っ込まれ、目線を合わせないようにソッポを向いた。
もぐもぐ
「美味しい、流石はシンジ君が作ったクッキーだ」
「ぼ、僕だけじゃないよ。皆で作ったんだ」
頬を赤らめるシンジ、確かに皆で作った。アスカ、トウジ、ケンスケ、カヲルを除いた全員で。
「そうよ!私やレイさんも手伝っているんだからね、よく味わってよね」
「そうだね。ヒカリ君や君達も手伝ったんだね。でもクッキーからはシンジ君の愛が感じるよ」
ウットリしてクッキーを眺めるカヲル、少しトリップ気味である。
「おえっ、頭腐っとるんとちゃうか?それにしても美味いの〜〜〜」
トウジは止まる事無くクッキーを食べつづける。
「す、鈴原どう?美味しい?」
「ああ、めっちゃ美味いで〜〜〜」
「そ、そう良かった!」
頬を赤らめるヒカリ、お褒めの言葉を貰ってご機嫌である。
「アスカ、、美味しいかい?」
「ん〜〜まあまあね、シンジにしては良いできよ」
「ふふ、ありがとう」
大したお褒めの言葉ではないがシンジは嬉しい、アスカの性格をよく知っているからである。
「シンジ〜〜あ〜〜〜んして」
「わっちょちょとやめてよ」
マナはクッキーをシンジの口に近づけた。
「食べさせてあげる」
「こら!鋼鉄!何やってんのよ」
「何って見てわからない?食べさせてあげるのよ。シンジ、あ〜〜ん」
アスカの睨みをものともせずにシンジに食べさせようとする。
「マナさん・・・・・」
レイは氷のように冷たい瞳でマナを睨みつけた。だが・・・・
「あら?レイさんもする?」
「・・・・うん」
コクリと頷くと頬を赤らめクッキーを手に取った。
「い、碇クン・・・・あ、あ〜んして・・・・ぽっ」
「あ、綾波〜〜〜」
「こら!ファースト!つられてするんじゃないわよ」
困り果てるシンジ、怒るアスカ。
「平和でいいの〜〜」
「鈴原、私の分も食べていいわよ」
「おっすまんの〜〜」
こちらもちょっと良い雰囲気である。
「畜生、畜生。こうならやけ食いだ!」
涙を流しながらクッキーをほおばるメガネ。
「シンジ君に食べさせる・・・ああいう手もあるんだね」
カヲルは手をポンとたたくと、クッキーを手に取った。
「シンジ君」
「な、何だい?カヲル君」
シンジはレイ、マナに迫られて返事がちゃんとできない。
「あ〜〜〜んして」
微笑むとクッキーをシンジの口に持っていくが・・・・・
ゴスッ!
「「気色悪い!するな〜〜」」
「ぎゃあ〜〜〜」
アスカとマナに蹴られ遥か彼方へ飛んでいった。それを見ていたレイは・・・・・
「悪い人はSALと鋼鉄に蹴られて死ぬのね・・・・・・・碇クン、あ〜〜んして・・・・ぽっ」
平和な?午後の授業は終わる。
180000hit!!!ありがとうございまし〜〜〜(^▽^)
う〜〜〜ん、カヲル君が主役なのに出番が少ないなあ。
家庭科はシンジとヒカリの独壇場、マナやレイがちょっと手伝っていますが、他は…アスカちゃん手伝え(笑)
カヲル君、アスカとマナに蹴られお星様になりました(爆)でも帰ってくるね、多分。
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION 学校4〜カヲル〜