jun16 Factory 212,121HIT記念SS
リツコおかあさんの一日
〜昼の章〜
AM 11:50
「タンタッタッタタ〜〜〜ン!!」
レイは長い廊下をリズムよくスキップしていた。
「ご飯ご飯〜」
マコトとシゲルに遊んでもらい、お腹が空いてきた。あともう少しでお昼である。リツコの研究室につく頃には丁度12:00になるであろう。
AM 11:55
「マヤ、そろそろ終わるわよ」
「はい」
リツコはキーを打つのをやめると机に広げた計画書に目を通し片付ける。マヤも変更したプログラムのバックアップを取ると、間違いか無いかを調べ電源を落とした。
「レイちゃん遅いですね」
マヤは時計を見ると誰も座っていないレイ専用の椅子を見て笑顔を思い浮かべた。
「そろそろ帰ってくるわよ」
リツコは心配していない、母親としてレイの行動は全て把握している。
AM 11:58
プシュ〜〜〜
「ただいま〜〜〜」
研究室のドアが開くと元気な声が部屋に響いた、レイが帰ってきたのである。
「おかえり、どこに行っていたの?」
マヤはレイがどこに行っていたのか知っているのだが質問する。
「ええとね、はつれいしょに行っていたの」
「発令所に行っていたの」
「うん、そこでええと・・・・誰だっけ?ロンゲのお兄ちゃんとメガネのお兄ちゃんに遊んでもらったの」
レイはシゲルとマコトの名を覚えていない、いや覚える必要はないのだろう。
「そうなの、良かったわね〜」
「うん!」
マヤは微笑むとレイの頭を撫でた。
PM 12:00
ぎゅるぎゅるぎゅるぎゅる〜〜〜
昼休みと同時にレイのお腹が鳴った。
「あらあら、凄い音ね」
「うん、お腹空いちゃった」
「それじゃあ食べましょうね」
大きな机を片付けるとお弁当を広げていく、マヤもお弁当持参である。
「先輩、お茶いれますね」
一瞬で沸く、リツコ発明のポットに水を入れてスイッチオン!お湯になった。きゅうすにお茶っ葉を入れると少し待って湯呑についで行く。
ぎゅるぎゅるぎゅるぎゅる〜〜〜
その間にもレイのお腹は鳴りつづける、箸をがっちりとグ〜で持っておかずを眺めつづける。
「ねえまだなの〜〜?」
「ごめんね、もうできたから、はいお茶。熱いから火傷しないようにね」
マヤはリツコ、レイの前に湯呑を置いていく。
「じゃあいただきましょうか」
三人合掌。
「「「いただきます」」」
レイはお弁当のふたを開けた、すると中からリツコが作ったお手製の料理が輝いている。
「美味しそう〜〜」
思わず声をあげた、そして卵焼きを口に運ぶ。
パク、モグモグ
「美味しい〜〜〜」
「レイ、よく噛んで食べなさいよ」
「は〜い!」
楽しい食事。
PM 12:05
プシュ〜〜
そこへドアが開いた、その音で三人が注目する。
「やっほ〜〜〜〜みんなお元気〜〜」
ミサトである、手にはカップラーメンとビールを持っている。どうやら食べに来たようである。
「いらっしゃい、お湯は沸いているわよ」
リツコは毎日来るのがわかっているので、ミサトの為にお湯を用意するのが日課である。
「今日もカップラーメンですか、たまには栄養を取らないと体に悪いですよ」
マヤはミサトの体を心配しているが、ミサトには心配無用だろう。
「ミサトおばさん、こんにちは〜〜」
レイは椅子から降りるとミサトの前に行き、行儀よくお辞儀した。
ニッコリ
ミサトは微笑むと・・・・
「レイ〜〜〜おばさんじゃないでしょ?お姉さんよ、ミサトお姉さん」
ぎゅうううううう
顔は笑っているが、手はレイの頬をつねっている。
「ひゃ、ひゃい。ミヒャトお姉ひゃん」
「ヨロシイ!」
満足すると、つねる手を離した。レイの頬は赤くなって痛々しい。
「イタタタタ・・・・・おかあさんに言われた通りに言ったのに・・・・・」
「むっ!そうなの?リツコ」
ミサトはキッとリツコを睨むと近寄った。
「い、言ってないわよ。やあねレイ、寝ぼけているのね、昨日は夜更かししたから」
リツコは焦って額から汗が流れ出ている。
「え〜〜おかあさん言って・・・モブモグ」
リツコは素早くレイの後ろに回りこみ口を塞いだ。
「リ〜ツ〜コ〜」
「ほ、ほらほらお湯がいるんでしょ、早くしないとぬるくなっちゃうわよ」
ミサトからカップラーメンを奪い取ると、支度をしてお湯を入れた。
「さあ、みんなで食べましょう」
平静を装うリツコだが背中には汗を沢山かいていた。
PM 12:09
お湯を入れてから3分経った、ふたと取るといい香りと熱々の湯気が食欲をそそる。
「んじゃ、いっただきます」
ぷしゅ
割り箸を割らずにビールを先に開ける。
ごきゅごきゅごきゅごきゅ
「ぷはあ〜、美味い!美味すぎる〜」
研究室に木霊する、レイはミサトの快感の表情を興味津々に見ていた。
「それって美味しいの?」
「美味しいわよ〜〜飲んでみる?」
「うん!」
「レイ、ダメよ!」
レイは缶ビールを受け取ろうとしたが、リツコによって阻まれた。
「え〜?どうして」
「お酒は二十歳になってから」
「ケチィ〜〜」
プウ〜と頬を膨らまして残念がる。
「ビールを飲むとミサトみたいにぐうたらになるのよ」
「何よ〜それ?失礼しちゃうわね」
「じゃあ要らない〜」
「くわっ、レイまで・・・・」
ガックリ落ちこむミサとだが、3秒後には立ち直るだろう。
「かにさんウインナ〜〜」
「あら本当、可愛いわね」
レイはかにさんウインナ〜をマヤに見せると自慢げに口に入れる。
モグモグ、モグモグ
「美味しい〜〜」
ホッペが落ちそうである。
「どれどれ、そんなに美味しいの?」
ひょい、ぱくっ!
ミサトはかにさんウインナ〜を掴むと口に入れた。レイは素早い行動に呆気にとられた。
「あっ!」
「モグモグ、う〜〜んなかなかね」
「か、かにさんウインナ〜が・・・・」
最後の一個を取られ次第に瞳に涙がにじむ、そして・・・・・
「う、うわあああああああ〜〜〜ん!」
号泣した。研究室内に響く。
「かにさんウインナ〜が〜〜うええええん!」
「レイ、泣かないの」
「うええええん!」
リツコはなだめ様とするが泣き止まない。
「また作ってあげるから」
「うええええん!」
泣き止まない。
「ミサト!謝りなさい」
「レイ、ごめんごめんね〜〜」
リツコに怒られ申し訳なさそうに手を合わせて謝るミサト。
「うええええん!」
「レイちゃん、泣き止んで」
マヤも必死である。
「ほ、ほら私のプリンをあげるから」
ミサトはポケットから大きなカップに入ったプリンを取り出した、食べがいある大きさである。
「う、ううう・・・本当?」
「本当よ本当、だからもう泣かないの」
「う、うひっく、ひっく・・・・うん」
レイは涙を拭くとプリンを受け取った。三人は泣き止んだ事にホッと胸をなでおろした。
PM 12:35
「美味しい〜〜」
スプーンにプリンを大盛りすくって頬張る。
「とほほ・・・楽しみにしていたのに」
ミサトはレイの美味しそうに食べる姿を羨ましく見ていた。
「ミサト無様ね」
「ミサトさん自業自得です」
「とほほ・・・・・」
「美味しい〜〜」
PM 01:00
楽しい昼休みは終わり仕事の時間が始まる。
「マヤ続きを始めるわよ」
「はいわかりました」
二人の顔が真剣になる。
「うんうん、真面目に頑張るわね」
ミサトは腕を組みながら頷いた。
「・・・・・・ミサト」
「ん?何」
「あなたは戻らなく良いの?」
「平気平気よん、どうせ暇なんだから」
手をパタパタさせるとドッシリと椅子にすわる、リツコは不甲斐無い友人に呆れて頭を抱えた。
「ミサトお姉ちゃん暇なの?」
「暇よ、暇過ぎて困っちゃうわね」
「じゃあ遊んで〜」
「ん〜〜良いわよ」
二人は手を繋いで研究室を出て行った。
「ふう〜ようやく静かになったわね」
「ふふ、そうですね」
PM 01:03
「どこ行きましょうか?」
二人手を繋いで長い廊下を歩く行き先は決まっていない。
「どこでも良い〜〜」
「ん〜〜〜遊び場なんて無いし・・・・・そうだ!あそこに行きましょう」
閃いたのか歩く速度を速くなった。
「どこに行くの?」
「ふふ、良いところ。その前に私の部屋に寄るわね」
「うん」
PM 01:20
「よっし到着〜〜〜」
二人が着いた場所はケイジ、ミサトは服を脱ぎ始めた。
「レイ〜泳ぐわよ」
先ほど部屋に立ち寄ったのは水着を取るためであった。誰もいないので全てを脱ぐと黒のビキニに着替える。
「私、水着な〜〜い」
「良いのよ、スッポンポンで泳ぎなさい」
「きゃっ!」
ミサトはレイの服を脱がし始めた突然で驚く。
「ミ、ミサトお姉ちゃん」
「ほ〜れほれほれ〜〜〜」
「あ〜〜れ〜〜」
両手を上げさせ脱がせて行く、二人とも楽しんでいる。
「あっそ〜〜〜れ」
「きゃっ」
レイを裸にすると持ち上げてLCLに投げた。
ぽいっ!
ジャッボ〜〜ン!
「うっしゃ、私も」
助走を付けると飛びこむ。
ジャッボ〜〜ン!
「ミサトお姉ちゃん、ひどい」
「はは、ごみんごみん。でも気持ち良いでしょ?」
「うん」
PM 03:00
「ふう〜〜マヤ休憩するわよ」
「はい」
リツコはキーボードから手を下ろすと一息つき、固まった肩を叩いた。マヤは二人分のコーヒーを入れるために準備をする。
「二人はどこにいるのかしらね」
一つのモニターを付けると次々とチャンネルを変えていく。
「なっ!」
「どうしました?あっ」
二人はモニターを見て驚いた。
プカプカ、プカプカ
ケイジ、ミサトとレイの二人は泳ぎ遊び疲れていたのか、LCLにうつ伏せになって水死体のように浮んでいた。水なら息ができないがLCLなら問題ない。
「まったくそこはプールじゃないのよ」
頭を抱えて呆れるリツコ、マヤはモニターを見て微笑んでいる。
「ふふ、可愛いじゃないですか」
「ミサトったら仕事もしないで、何をしに来ているのかしら」
プカプカ、プカプカ
LCL二人はゆらゆらとうつ伏せに浮んでいた。
PM 04:10
「ふあああ〜よく寝たわ」
ケイジ、ミサトが起きた。大きなあくびをして首を回す。
「何時かしら?もう四時まわっているわ、仕事をすると時間が経つのが早いわね。レイ起きなさい」
「う、うみゅみゅみゅ・・・」
ペチペチと頬を叩かれ目覚めるが、まだ完全に目覚めていない。
「ほら、もう帰るわよ」
「うん・・・ぐうぐう」
「こら寝るな〜、しょうがないわね。よいしょっと」
服を片付けレイをおんぶすると、ケイジを出てお風呂場に向かう。
「よいっしょっとレイお風呂よ」
「う、うん〜〜〜・・・・」
フラフラと体を揺らしながら浴場に入っていった。
「寝ぼけていると転ぶわよ」
「ふぁ〜〜い」
ゴッツン!
「いったっ!」
「ほれ言わんこっちゃない、どこを打ったのよ」
「頭・・・・」
転げまわるレイ、ミサトはぶつけた個所を優しく撫でて落ちつかせた。
「寝ぼけてたら危ないのよ、今度から寝ぼけたらダメよ」
「うん」
「よし!シャワーを浴びるわよ」
シャアアアア〜〜
勢いよく流れるシャワー、LCLを洗い流して行く。
シャアアアア〜〜
「おしまい!つかって出るわよ」
「うん」
湯船に入る二人、だが静かにしていられるわけがない。
バシャバシャバシャ!
「ほ〜〜れほれ、攻撃よ〜〜ん」
「うう、やったなあ〜えいえい」
お湯の飛ばしあい、湯気が立ちこめる。
「ほれほれ」
「えいえい」
PM 04:25
「これがバタフライよ」
バシャバシャ
「うん、こう?」
水泳教室、しぶきが激しく飛び散る。
「そうそう、激しく叩きつけるように」
「うん」
バシャバシャ
PM 04:35
「ふうう〜〜風呂は良いわね〜」
「うん、気持ち良い」
ようやくユックリ湯船につかる。
じ〜〜〜〜
レイの視線がミサトの一部をジッと見ている。
「ん?どうしたの」
「ミサトお姉ちゃん胸が大きい、おかあさんと大違い」
「そお〜?リツコってそんなに胸が無いんだ」
「うん」
コクリと頷く、もしリツコがここに居たならレイは即座に改造されるだろう。
「私は大きくなるのかな?」
「どうかしら〜〜?小さいからまだわかんないけど大丈夫よ」
「本当?」
「ええ、そろそろ出ましょうか」
「うん」
PM 04:50
「マヤ、今日はそろそろ終わりにしましょう」
「はい」
終業時間10分前だが後片付けがあるので早めに終わる。
ぷしゅ〜〜
「「たっだいま〜〜〜」」
扉が開くと大きな声、二人が戻ってきた。風呂上がりなので手にはビール、コーヒー牛乳を持っている。
「おかあさん、泳いで楽しかった〜」
「良かったわね〜〜、上手に泳げた?」
「うん」
Vサインを作りニッコリ笑うレイ。
PM 05:00
「おっし!今日もお終い!充実した仕事だったわ〜〜」
「あなたは何もしていないでしょ」
ミサトに突っ込むリツコ、だがミサトは動じない。
「んじゃお先に〜〜〜お疲れ〜〜」
三人に手を振ると速攻で帰っていった。
「何しに来ているのかしら?私達も帰りましょう」
リツコはレイは途中マヤと別れ車に乗り込みネルフを後にした。
PM 05:10
スーパーについた二人、リツコは今朝広告からメモした紙に目を通し夕食を考える。
「おかあさん、お菓子買ってね」
「はいはいわかっているわよ」
手を繋いで入店、買い物カゴを取ると購入するモノを次々と入れていく。余計なものは買わない、リツコのシッカリとした性格である。
購入するモノは全てカゴに入れた、お菓子も入れた。後はレジに向かうだけである。
「あらシンジ君」
リツコは見なれた人物を見つけた、シンジである。
「あっリツコさん、偶然ですね」
「シンジお兄ちゃんこんにちは」
レイはペコリと頭を下げた。
「レイちゃんこんにちは」
それからリツコとシンジ二人してたわいもない会話、ほとんど主婦の話しである。
「それじゃあまた、バイバイレイちゃん」
「バイバ〜イ」
シンジはリツコにお辞儀、レイに手を振ると食品を選ぶために奥に入っていった、二人はレジに向かう。
PM 05:55
「「ただいま〜〜」」
帰宅、だがリツコに休息はない、これから夕食の準備を始めなければならない。
祝!212,121HIT!!!ありがとうございまし〜〜〜(^▽^)V
本当は210,000時にアップしたかったのですが描くのが遅くて212,121になってしまいました。
ミサトさんの登場、ミサトさん仕事しなさい(笑)これで首にならないから不思議です。
シンジ君登場、ほんのわずかでしたが主夫が似合っていますね、リツコさんと何の話しをしていたのでしょうか?(ニンジンが安いとかかな?)
「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
リツコおかあさんの一日〜朝の章〜 リツコおかあさんの一日〜夜の章〜
NEON GENESIS: EVANGELION リツコおかあさんの一日〜昼の章〜