jun16 Factory 222,222HIT記念SS

リツコおかあさんの一日

〜夜の章〜

PM 06:00

 

 帰宅、だがリツコに休息はない、これから夕食の準備を始めなければならない。着替えを済ませると台所に立つ。

「ええとニンジンに玉ねぎに・・・」

 先ほど買ってきた食材や冷蔵庫に入っている食材を取りだし料理に取りかかる。

 トントントントン

 光速の包丁捌き、次々に食材は姿を変えていく。

 トコトコトコトコ

 そこへレイがやって来た。

「おかあさん、レイも手伝う〜〜」

 6時代のTVはニュース、レイが見てもわけがわからない。

「本当助かるわ〜」

 リツコは微笑むと、包丁はまだ無理なので皮剥き器を渡した。

「どうするの?」

「ジャガイモを剥いてちょうだい」

「うん」

 レイは小さな手の中に大きなジャガイモを入れると皮を剥き始める。

「んしょ、んしょ。ジャガイモで何を作るの?」

「コロッケよ、シンジ君に教わったの」

 テーブルにはシンジ手書きのレシピが置いてあった、調理法は細かく書かれており料理人シンジの技が見える。

「シンジお兄ちゃんの〜!それなら安心だね」

「ええ、アスカのハンバーグより美味しいわよ」

 以前リツコはアスカから『アスカ様特製ハンバーグレシピ』をもらった事があった。レイはハンバーグが好きなので作ってみたが、結果は・・・・・

「シンジお兄ちゃん大変だね、不味いって言えないから」

「ええ、下手な事言えばSALモードに変身して殲滅されちゃうからね」

「でもミサトお姉ちゃんの特製カレーよりは美味しかったね」

「ミサトのはカレーは次元を超えているわよ、もう食べちゃだめよ」

「うん!」

 二人ともミサトカレーの恐ろしさは知っている。

「シンジお兄ちゃんち今日のご飯は何かな?」

「魚って言っていたわね、アスカ怒るんじゃないかしら?」

「アスカお姉ちゃん我侭だからね、でもペンペンは嬉しいね」

 アスカは魚を嫌い肉料理を好んでいたが、シンジは健康の為に魚を一週間に三回は出している。しかしアスカは健康の為だと知っていても怒っていた。アスカ曰く『骨が面倒くさい』。

「ふふ、そうね」

 葛城家を笑いのネタにしながら料理は進んでいった。

 

PM 06:30

 

「レイ、お皿並べて」

「は〜〜い」

 レイは戸棚から皿を出しリビングに運ぶ、朝食は台所で取るが夕食はリビングで取っている。

「次は何を運ぶの?」

「コロッケをお願いね、熱いから気をつけるのよ」

「うん」

 大皿に乗せられたホクホクに揚がったコロッケ、おぼんに乗せると慎重にユックリとすり足で運んだ。リツコも他の料理を運ぶ。

 

 

「じゃあいただきましょう」

「「いただきます!」」

 レイは両手を合わせ、コロッケに箸を伸ばした。

「これがシンジお兄ちゃんのコロッケ・・・・美味しそう」

 こんがり黄金色に染まったコロッケ、形、厚みとも申し分無し完璧なコロッケである。

 パク、モグモグ、ゴックン!

「・・・・・美味しい〜〜〜〜」

 頬っぺたが落ちるくらい美味しかった、思わず両頬を押さえる。

「そうね、流石シンジ君ね、ミサトとアスカのご飯を作る為に同居なんて勿体無いわ」

「うん、シンジお兄ちゃん可哀想、家に来れば良いのにそしたら私がご飯作ってあげるのに」

「そうね、今度司令に言ってみようかしら」

「うん」

 頷くと、半分残ったコロッケを口に運ぶ。

 モグモグ、パクパク、ゴックン!

「シンジお兄ちゃんのにおいがする・・・」

 ぽっ!

 頬を赤らめるレイ、シンジの笑顔を思い浮かべているのであろうか。

「あらあら、困った子ねえ〜」

 別の世界にイッった娘を苦笑しながら呆れた。

 

PM 07:00

 

「「ごちそうさま!」」

 楽しい夕食は終わったが後片付けが待っている、二人は台所に食器を持っていった。

「レイ、お風呂入れてちょうだい」

「は〜〜い」

 レイはお湯を入れる為に洗面所に向かう。

「さあて、早く終わらして汗を流しましょう」

 

PM 07:20

 

「おかあさん、お風呂入ろう〜〜」

 浴槽にお湯がたまり、レイは着替えを持って準備万全。

「ええ、先に入っていなさい」

「は〜〜い」

 レイは一人洗面所に向かう、リツコは部屋に着替えを取りに行き洗面所に向かった。

「ふう〜〜今日も暑かったわね」

 服を脱ぐと、汗で体がべとついている。額には先ほどの後片付けでうっすらと汗が滲んでいる。

 ガラッ!

 ドアを開けると湯気が外に逃げて行き、中の視界が開ける。

 バシャバシャ!

「ほらほら見て〜〜バタフライ」

 レイは浴槽で昼間ミサトから教えてもらったバタフライをリツコに見せた。浴槽は一般より広かったが当然お湯は飛び散る。

「こらこら、お湯が全部でちゃうでしょ」

 ガラッ!

 お湯が洗面所に飛ばないように素早くドアを閉めた。

「は〜〜い」

「体を洗いなさい」

 リツコが体を流し浴槽に入るとレイは浴槽を出て、タオルにボディーシャンプーをつけて体を洗う。

「ごしごし♪〜ごしごし〜〜」

 リズム良くタオルを動かし、体に泡を立てていく。

「体を綺麗にして〜〜ごしごし♪ごしごし〜〜♪おかあさんも洗ってあげる」

「そう?お願いしようかしら」

「うん、まかせて」

 リツコのタオルにボティーシャンプーをつけると泡を立ててリツコが出るのを待った。

「じゃあお願いね」

「は〜い、ごしごしごしごし♪」

 背中をリズム良く上下運動、小さい腕を大きく動かして背中を洗っていく。

「はい、おしまい。今度は前ね、ごしごしごしごし♪」

「きゃっ!くすぐったいわ、ちょっとやめなさい」

「ごしごし♪ごしごし♪」

 リツコはくすぐったがったがレイはタオルを動かすのをやめない楽しんでいる。

「おかあさんの胸〜〜♪ミサトお姉さんより小さい〜〜♪」

 ピキッ!

 リツコの温度が下がった、ユックリとレイに顔を向けた。

「レイ〜おかあさんの胸は小さくないわよ、ミサトが異常なだけよ。この胸が日本人の標準なの」

「そ、そうなの?」

 リツコの雰囲気が違う事をレイは肌で感じ取り鳥肌が立った。

「そうよ〜〜、髪を洗いましょうね」

 シャンプー液をレイの頭にかけるとゴシゴシと洗った。

「う、うわっシャンプ〜ハットを忘れているよ〜〜〜」

「そろそろシャンプ〜ハット無しで洗えるようにしましょうね」

「うえ〜〜目に入った〜〜」

「我慢よ〜〜」

 リツコの顔は笑っていたが手には力がこもっていた。レイは『おかあさんは胸が小さい』は禁句だという事を身を持って覚えた。

 

PM 08:10

 

「ふう〜〜さっぱりしたわ、命の洗濯ね」

 レイを上がらせた後、ユックリと湯船につかり疲れを癒し牛乳で喉の渇きを潤す。そしてリビングに向かい今日一日の休憩。

「そうそう新聞を読まないと」

 今朝読めなかった新聞に目を通す。

 

PM 09:30

 

「ふあああ〜〜〜」

 TVの前でレイは大きなあくび、目はすでに半分閉じ頭がコクリコクリと動き出した。

「レイ〜〜そろそろ寝なさい」

「ふぁ〜〜い」

 立ちあがると歯を磨くために寝ぼけた体を左右に振りながら洗面所に向かった。

「おトイレもちゃんとするのよ」

「ふぁ〜〜い」

 ゴンッ!

ふぎゃっ!

 大きな音と声、洗面所に入ろうとしたが壁にぶつかった。

「ほらほら寝ぼけているからよ」

「ふぁい」

「ちゃんと磨かないと虫歯になるからね」

「ふぁい」

 

 

「おかあさんおやすみなさい」

「はい、おやすみなさい」

 寝る用意を済ませるとベッドに入っていった。

 

PM 09:50

 

「さあて、計画書に目を通しておきましょう」

 寝る前に明日の作業手順を頭に描いていく、細かく考えなくて大まかな考えだが作業能率が上がる。

「これとこれはマヤでも大丈夫ね、これは私が担当ね」

 

PM 10:30

 

 明日の作業手順を考えていたら時間が早く経つ、ふと時計に目をやると就寝時間が過ぎていた。

「あら、もうこんな時間なの早く寝ないと」

 計画書を片付けると寝る準備、家の戸締りをキチンと確認すると寝床に入る。

「ZZZZZZ〜〜」

 先に寝ているレイはすでに夢の中、寝顔が笑っている。寝相が悪いのですでにマクラがベッドから落ちていた。

「あらあら」

 マクラを頭に戻すと毛布をキチンと掛けて電灯を消した。

「レイ、おやすみなさい」

 こうしてリツコおかあさんの一日が終わった。

 

おしまひ


 祝!222,222HIT!!!ありがとうございまし〜〜〜V(^▽^)V

 リツコおかあさんの一日、三部作終わりました〜リツコおかあさん大変な一日でしたね。仕事をこなし育児をこなすスーパーウーマン。

 きつくてもレイちゃんの笑顔を見れば一発で疲れが取れます。

 「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


リツコおかあさんの一日〜昼の章〜

NEON GENESIS: EVANGELION リツコおかあさんの一日〜夜の章〜