「絶対に私〜〜!!!」
ネルフのある室内、腰に手を当て右手で天を指差し、たかだかと上げたアスカの絶叫がこだました。
jun16HP 45000HIT記念
次は誰だ?
あまりの声の大きさにシンジとレイは耳を塞いだ。
「アスカ〜もう少し小さな声で喋ってよ」
「うるさい!アンタは危機を感じてないの?」
「え?」
別に自分の身に危険が無いので、訳が判らないシンジ。レイは淡々とお茶を飲んでいる。
「はあ〜、アンタって本当に馬鹿ね」
「なんだよ!」
いつも言われている事だがため息まじりで言われると、無償に腹が立つ。言い返したいのだが身の危険があるので言わない。
「これを見なさい!」
ホワイトボードを勢いよく叩く。
「jun16HP 45000HIT記念 次は誰だ?」
アスカのミミズのような字、古代文明のような字を一つ一つ解析しながら読んでいく。
「そうよ!40000HITでやっとあの憎き鋼鉄娘の連載が終わったのよ、それでjun16は次の連載の主役は誰にするのか悩んでいるのよ」
「そうか終わったんだっけ、けど最後はマナと一緒になれてよかったな。僕読んで泣いちゃったよ」
バキッ!
「あがっ!!」
アスカの右ストレート見事に炸裂、シンジ中を舞う。
「あんなSSで泣くな!」
「ひ・・・ひどいよ・・・」
「だから今回はバカjun16に変わって私達がアイディア出すのよ!はいファースト!」
アスカはいきなりレイを指差す。
「何?」
当然の事ながら意味がわからない。
「無いわね。次シンジ!」
「はが・・・はひ?」
右頬がはれて上手く喋れない。
「ふっ何もアイディアが無いってわけて、まあそういう事だろうと思って私がちゃあんとアイディアを持ってきたわよ」
アスカはテーブルに50ページぐらいあるレポートを置くと満足してイスに深深と座る。
「何これ?」
レイはレポートを手に取り題名を見てみる。
天才無敵美少女アスカ、その華麗なる美貌
〜使徒はエースの私が倒すわよ〜
「どう?完璧なシナリオでしょう」
アスカは腕を組み自身満々にである。レイは何も言わずにパラパラとめくり読んだ。
「いらない」
ポイ!
後ろにあるゴミ箱を見ないでそのまま投げた。見事ゴミ箱に入る。
「ファースト!何てことするのよ!」
アスカはゴミ箱からレポートを取り出し埃をはらう。
「せっかく徹夜して書いたのに」
「アスカ、ウソはいけないわ」
「ウソですって?これは本当なのよ!」
レイとアスカの言い争いは続く、シンジは目立たないようにアスカのレポートを読んでみた。
(・・・・・・これって、全てがフィクションだ)
そんな中ドアが開いた。
「やっほーシンジ元気!」
「マナ!」
そこに現れたのはマナ、意外な人物の登場に三人は驚いた。
「アンタ!どうしてここに来るのよ!」
「だって次の主役を選んでいるんでしょう?当然私にも権利があるわ」
「アンタは前回で終了したでしょうが!もう出てこないでほしいわ」
アスカは鼻息荒く怒るがマナはのほほんとしている。
「前回は前回よ。次からは当然私とシンジのラブストーリよ。ねシンジ」
「えっあ、その・・・」
マナにウインクをされ抱きつかれ赤くなり戸惑うシンジ。二人は黙ってはいない。
「むきーーーーー離れなさいよ!次の連載は絶対にこれよ!」
主張するかのようにレポートをたたきつけるアスカ。
「私、前回では夢の中にしか登場しなかったわ。だから次は私と碇クンが一つになる連載」(ぽっ)
顔を赤らめ頬に手を持ってくるレイ。
「碇クン一つになりましょう」
「「絶対ダメ〜〜!!」」
アスカ、マナきれいにユニゾン。
シンジを除いた三人は自分が主役になるストーリを次々と出していき、二人に却下される風景が延々と続いた。
(僕って何だろう・・・・ここに居てもいいの?)
ただ座っているだけのシンジ、そんな中あの曲を口ずさむ声が耳に入った。
「フンフンフンフーン!」
「カヲル君!」
シンジの声に三人が振り向くと、部屋の隅に右手を壁につき、左手を腰に添えたカヲルが立っていた。
「やあ、シンジ君。歌はいいね。リリンが生み出した文化の極みだよ」
「カヲル君はどうしてここに?」
「アンタ、何しに来たのよ。邪魔者はさっさと帰りなさい」
「綾波さん、あの人誰?」
「・・・知らない」
シンジを除く三人に汗を掻きながら半笑いのカヲル。
「は、はは、言葉がキツイな。次の主役が僕だと聞いてここに来たんだ。無論僕とシンジ君の友情あふれる連載さ」
「カヲル君」(ぽっ)
カヲルにほほ笑みかけられ、少し赤くなるシンジ。
「さあシンジ君帰ろうか。次の連載の打ち合わせに」
「うん」
シンジに手をさしのべるカヲル、だが・・・・
ボクッゲシッドコ!
三人から攻撃を受け、その場に崩れ落ちる。
「アンタ、なに寝ぼけてんのよ!」
「シンジが男を好きなわけないでしょ!」
「ホモ」
「ふっ・・・・君達の行為は・・・好意に値しないね・・・・・」
自分のしゃれにちょっと笑いながらカヲル沈黙。
「カヲル君!」
「場がしらけちゃったわね。場所変えるわよ」
ズカズカとその場を出ていく三人、シンジはカヲルを揺さぶっている。
「えっカヲル君はどうするの?」
「放っておけばいいのよ。行くわよ」
三人に無理やり手を取られ引きずられる。後には気絶したカヲルが残された。
「カヲルく〜〜ん」
四人は食堂に来ていた。飲み物を前にシンジを除く三人は腕を組み、考えていた。
「何度も言わせないの!次の主役は私よ!この美貌ならハリウッドも間違い無し!」
「ハリウッド〜?寝ぼけてない?アスカじゃあピ〜ピ〜ピ〜(自主規制)ビデオでも無理よ」
「何ですって!!」
アスカは飲み物がこぼれるほどテーブルを叩きマナを睨むが動じない。一方シンジはなぜか顔が赤い。
「私なら大丈夫。碇クン。ピ〜ピ〜ピ〜(自主規制)ビデオに一緒に出ましょう ぽっ」
レイは両手を頬に持ってきて、赤らめ恥らう。
「な、何言っているんだよ、綾波〜」
「「絶対ダメ!」」
アスカ、マナ綺麗にユニゾン。
「どうして?」
「「どうしてでも!」」
「残念」
「まったくファ〜ストは」
(綾波さんって大胆ね。私がシンジと・・・キャ〜〜)
マナは一人妄想しイヤンイヤン、三人はそんな姿に引く。
「マ、マナどうしたの?」
「アンタ、オカシイわ」
「ヘン」
「は、ははは・・・」
マナは照れて飲み物を一気に飲み干す。
「らちがあかないわ。これをjun16に渡してくるわよ」
アスカは自主制作のレポートを手に持つと食堂を走り出る。
「あっ待ちなさい」
「アスカ、ずるいわ」
二人はアスカを逃がすまいと追いかける。シンジもここに一人で居ても何もする事無いから追いかける。
(僕は何でもいいんだけどな)
ネルフ内を四人の足音が響く。
「こら!アスカ、待て〜!」
「待てと言われて待つ馬鹿はいないわよ」
「おサルさん、逃げるのは得意ね」
「はあはあ、みんな待ってよ〜」
足音が響く。
ダダダダダダダダダダダダダダ
「ちっしぶといわね。この辺で本気を・・・」
アスカは曲がり角を曲がろうとしたが・・・
ドオオオン!
「いった〜どこに目つけてんのよ。このボケ、バカ、スカタン、ノウナシ」
出会い頭に衝突、アスカは尻餅をついた。
「ほお、誰がボケ、バカ、スカタン、ノウナシ?」
「?」
見上げてみるとそこには腕を組んでこめかみに神経を浮き上がらせた明王ミサトが立っていた。
「ミ、ミサト・・・」
「私がボケ、バカ、スカタン、ノウナシ?」
低い声で呟くと腰から銃を抜いて、安全ロックを解除する。
「これって最近、血を吸っていないのよねえ」
「あ・・ああ・・・」
声が出ない。
「もう一度聞くわ。誰がボケ、バカ、スカタン、ノウナシなの?」
アスカの額に銃口を押しつけ、確認目はイッテいる。
「だ、誰のことでもないわよ・・・わ、私が悪かったわ、走っていたのは私だし」
「・・・・あらそう、廊下は走っちゃダメよ」
明王から菩薩ミサトに変身すると、ニッコリ笑って銃をしまう。
「あっ見つけた!」
廊下の向こうにマナ達、走ってきた。
「ちっまずい、あ、あれ?立てない」
アスカは逃げなければならないのだが、立ちあがろうとしても立てない。今ので腰が抜けたのだ。そうこうしているうちに三人は迫ってくる。
「つかまえた!」
「キ〜〜!もう」
喜ぶ、マナとレイ。悔しがるアスカ。疲れ切ったシンジ。ミサトは何事かと思った。
「アンタ達何してんの?」
「実はですね・・・・・・」
マナは今までの事を全部話した。ミサトは腕を組んでウンウンとうなずき聞いていく。
「な〜るほど、次の主役ね」
「はい、なかなか決まらなくて」
「だから私だって」
「・・・私」
アスカは体全体で自分が主役だと叫び、レイはボゾっと呟く。
「違うわよ。私!」
マナも加わり、廊下は騒がしくなる。
「ミサトさん、なんとかなりませんか?」
シンジは三人を止める事ができないので、ミサトに頼んでみることにした。ミサトはウ〜ンと唸り、頭をフル回転。
「そうね。MAGIに決めてもらえば?」
ミサトの提案に四人はいっせいに向いた。
「MAGIなら今度の主役に最も適した人物を選ぶでしょ」
「なるほど、MAGIなら私の主役は決まったわね」
アスカはガッツポーズで勝利宣言。だが二人は黙ってはいない。
「私よ!へっぽこは選ばれないわ」
「そうよ。おサルさん」
「なんですって!。そんなに言うなら早く行って決めてもらうわよ」
こうしてミサトを含めた四人はMAGIを目指した。シンジは心内でホっとした。
(ふう・・・ようやくおさまったよ)
MAGI、ネルフが誇るスーパーコンピュータ。三人は早速自分達のプロフィールを打ちこむ。自分達だけである。他の人のは入れない。つまり三人だけの対決である。
(僕は・・・・)
シンジはただ立っていた。
入力も完了し、アスカはキーを押した。
「よし!GO〜」
MAGIは超高速で三人のプロフィールを読みこみ、何億通りのストーリをを組みたてていく。
「「「・・・・・・」」」
三人は固唾を飲んでモニターを見つめた。
「「「・・・・・・」」」
「「「・・・・・・」」」
「「「・・・・・・」」」
「「「・・・・・・」」」
「「「・・・・・・」」」
「「「・・・・・・」」」
「「「・・・・・・」」」
「「「・・・・・・」」」
「・・・遅いですね」
いつもならすぐに終わるのだが、いつまでたっても終わらないシンジは疑問に思った。
「そうね。MAGIも困っているようだわ」
そして・・・・・
次の主役の名がモニターにうつしだされた。
「XXXX」
「「「「え〜?」」」」
静かなフロアーに声が響き渡る。
「ふっ!」
その声ははるか上から見下ろしていた。
45000hit(^^)ありがとうございます!!
今回は出水 涼さんのアイディアをちょっと拝借。
マナ編が終わり何も考えていませんでしたので、嬉しいですね。
今回はカヲル君がjun16HPで初めて登場です(少しだけですけど、情けない出演でした)
さあて、50000HITの主役は
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION 次は誰だ?