jun16HP 55000HIT記念
作戦名:砂の嵐
不覚
「クエクエクエ!」
玄関をでたペンペンは何事も無くエレベータの前に来た。
「クエッ!」
ジャンプ一番、くだりのボタンを押した。そして乗りこみ一階のボタンを押す。
そして一階につき扉が開くとペタペタと歩き出した。
「クエ」(ええと確かこっちかな)
人間よりもはるかに低い目線なので、丹念に周りの風景を確かめそして確信する。
「クエ」(こっちだ)
どうして学校を知っているかというと、いつもベランダから街を見ていたので憶えてしまったのである。
ぺたぺたぺた。
舗装された並木道を歩く、ペンギンが歩いていると人は驚くのだが、人一人歩いておらずその心配は無い。
「クエ」(うん、いい風)
あたたかい風を全身にあびながら、何も問題も目的地を目指した。
ぺたぺたぺた。
すたすたすた。
ぺたぺたぺた。
すたすたすた。
ぺたぺたぺた。
すたすたすた。
ぺたぺたぺた。
すたすたすた。
ぺたぺたぺた。
すたすたすた。
ぺたぺたぺた。
すたすたすた。
「クエ?」
前方から聞こえてきた足音が目の前に来て止った。ペンペンは顔を見ようと上を向いて見る。
「クエ」(レイチャン)
「アナタは・・・」
見上げた顔は見なれていたレイであった。
「クワ」(こんな時間にどうしたの?)
「今からネルフなの」
ペンペンの言葉が解るのであろうかレイは今日、学校を休んでネルフに行くところであった。
「ペンペン、アナタはどうしたの?」
「クエクエ」(シンジクンにお弁当を届けに行くんだ)
「そうなの」
「クエ」(うん)
なぜか会話が成立している。
「道に迷ったのね」
ズル!
ペンペンはおもわずこけた。
「クエクエクエ!」(違うよ、今からシンジクンにお弁当を届けに行くの)
背負っているリュックサックを見せ、通じさせようとするがレイは。
「可愛いリュックサックね。手作り?」
「クエクワ!」(違うって!確かにこれはシンジクンの手作りだけど学校に!)
「碇クンの・・・私も作って欲しい」
肝心な事が伝わっていない。
「クエエ!」(違うって!もう行くから)
ペンペンは羽を上げてレイに挨拶をして横を通り過ぎようとしたが。
ガシ!
「クエ?」
レイに持ち上げられた。
「帰れないならつれて行ってあげるわ」
レイはマンションに向けて歩き出した。
「クエクエクエエエ!」(違うって学校に!)
「もう出たりしたらダメよ」
「クワワ!」(離してよ!学校に行くのに〜)
手足をバタバタさせ、体を震わせ意思表示をするが伝わらない。
「暴れたらダメ」
「クエエエエエエエ!」
だがペンペンはやめない。任務を果たそうとする使命が、この状態を抜け出そうとしている。
トン!
「静かにしてて」
「ク、エエ・・・」(はう!・・シンジクンの・・命が・・・)
レイは首に手頭をしペンペンを落した。
薄れ行く意識の中ペンペンは、シンジの最期の姿を見ていた。
その頃葛城家では。
「ペンペンまだ〜?」
ミサトはTVを見ながら、ビールを待っていた。
ピンポーン!
葛城家にチャイムが鳴り響く。
「ペンペン出て〜」
人任せ、いやペンギン任せのミサト動きたくないようだ。
ピンポーン!
「ペンペン!」
ピンポーン!
「ペンペン?」
室内に気配が無い事にようやく気づき、重い腰を上げる。
「まったく寝たのかしら。今出ますよ〜」
ビールを持ってこないことと、玄関に出ない事に腹を立てながら玄関を開ける。
「どちらさま?レイ!」
立っていたレイに驚いた。
「どうしたのよ?今日はテストでしょ」
「これ・・」
レイは気絶したペンペンをミサトの前に差し出した。
「あらペンペン、どうしたの?」
「迷子になっていたの」
「そうなの、ありがとうね。よって行く?」
「時間が無いから」
「そうテスト頑張ってね〜」
レイはそう言うと一礼してからエレベータに向かった。ミサとはペンペンを受け取ると部屋に戻って行った。
「まったく人の言う事を聞かないで、これはお仕置きが必要ね」
リビングに戻りテーブルの上に寝かされたペンペンを見ながら、ミサトは口元が歪んでいた。
予告
クエクエクワクワクワワ
クワクエエエ
クワクワ〜〜〜
クエエエエ!
なによペンペン、これを読めって?
クエ!
はいはい
次回もサ〜ビスサ〜ビス!
55000HIT突破しました!これも皆さんのおかげです、ありがとうございます(^^)
記念連載SS、作戦名:砂の嵐、第弐弾です。
突然出会ったレイちゃん、二人の会話は成立?しかし当然伝わる事無く、家に逆戻りになりました。
ミサトに掴まったペンペンの運命は?
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION 不覚