jun16HP 70000HIT記念

作戦名:砂の嵐

完了

 キーンコーンカーンコーン!!

 学校、四時間目終了のチャイム。教室は一斉に騒がしくなる。

さあてメシを食うか!

 ドド〜ンと置かれたパン、パン、パン。これだけの量が胃袋に収まるのかと疑問に思うのだが、数分後にその疑問は解決する。

「シンジ〜、お弁当」

 いつもの如くアスカがシンジの元へ弁当を求めてやってくる。普通なら朝渡すのだが、アスカはそれを嫌がる。本人曰く『私に持たせるつもり?アンタが持ちなさい!』だがクラスの皆はそうは思っていない。

「うん」 

 ガサゴソ

 バックを開け中にある弁当を取り出す・・・・・・

「あれ?」

「どうしたのよ。早く出しなさい」

 ガサゴソ

 取り出す・・・・

 ガサゴソ

 取り出す・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ツツ〜〜・・・・

 腕を組んでいるアスカを見上げたシンジは額から汗を流した。

「・・・・忘れちゃった・・・みたい・・・・・」

 パチ〜〜〜〜〜ン!!!

 乾いた音が教室に響く。

 

 

「バカシンジ!私を餓死させる気なの!パンを買ってきなさい!パンを」

 せっかくの楽しみであった弁当が食べられなくて怒る。シンジは叩かれた頬を押さえながら涙目になっていた。

「う、うう・・・わかったよ」

「やきそばパンよ」

「ええっ?もう売れきれているよ」

 やきそばパン、学校で一番人気がありチャイムが鳴ったと同時に、購買部に走らないと買えない幻のパンである。なおトウジは素早く買いに行って手に入れている。

 パシ〜〜〜ン!!

 二発目。

「うるさい!忘れた罰よ。さっさと行きなさい!」

「わかったよ・・・・」

 アスカに睨まれてトボトボと教室を後にするシンジ。

 

 

 

(・・・・もう売りきれているから買えないよ・・・・どうしよう・・・・他のパンでもいいかな?)

 暗い雰囲気で廊下を歩くシンジ、やきそばパンが買えない事はアスカも十分承知しているが、困らせる為にワザと言ったのである。

 だから他のパンを買ってきても『しょうがないわね。これで勘弁してあげるわ。そのかわり、今日の夕食はハンバ〜グよ』と許してあげるつもりであった。

(どうしよう・・・・殺される・・・・・・)

 そんな思いやりに気づくわけが無い。

(・・・・逃げよう、でも逃げても殺される・・・ああっ僕はどうしたらいいんだ!)

 廊下のど真ん中で頭を抱えて悩んだ。他から見ればアブナイ姿である。そんななか・・・・

 

 

「キャ〜〜可愛い!」

「どこから来たのかしら?」

「リュック背負っている」

 と向うの方から女の子の騒ぐ声が聞こえるが、今のシンジはそれどころではない。生きるか死ぬかの瀬戸際である。

「名前何て言うのかな〜〜?」

「プレ〜トに書いてあるわよ」

「ペンペン、ふ〜んペンペンて言うんだ。ヨロシクね」

 

 

 

 ピクッ!

 ペンペン、憶えがある名前に耳が反応した。まさかこんな所にいるわけが無いと思ったが行ってみる。

「「「可愛い〜〜〜」」」

 女の子達がしゃがんで何かを触っている。その中から聞き慣れた声が聞こえた。

「ク、クエ〜〜」

 女の子達が触っていたのはペンペンであった。

「「「可愛い〜〜〜〜」」」

 仕草が女の子達には可愛く見えたのだがペンペンは嫌がっている。

「ペンペン!」

 姿を確認するとシンジは叫んだ。

「ク、クエエエ!」(シ、シンジク〜〜ン)

 ペンペンも姿を確認するとシンジに向かって走り出した。

 ペタペタペタ

「どうしたの?」

「クエクエクエ」(助かったよ〜〜)

「ねえ、それ君のペットなの?」

 女の子達はシンジの回りに群がる。

「う、うん」

「可愛いね。だっこさせて」

「クエ〜〜」

 ペンペンは羽をばたつかせて嫌がった。シンジはそんな気持ちを察する。

「ご、ごめん。話しがあるんだ。それじゃあ」

 ペンペンを抱えるとその場を走り去った。

 

 

 人気が無い下駄箱、一人と一匹は会話をしていた。

「どうして来たんだい?」

「クエクエクエ」(シンジクン、お弁当忘れたでしょ)

「そ、そうなんだよ。アスカにパシリをされて困っているんだ」

 通じている。

「クエクエ」(だから持ってきたんだ)

「えっ?本当」

 ペンペンはリュックサックを下ろすと、中なら二つの弁当を取り出した。

「クエ」(はい)

「あ、ありがとうペンペン。これでアスカに殺されなくてすむよ」

 涙を流して受け取るシンジ。その姿にペンペンも泣いている。

「今日の夕食はペンペンの好きな魚料理にするよ」

「クエエ?」(本当?)

「本当だよ。それじゃあアスカが待っているから、気を付けて帰るんだよ」

クワ!

 教室に向かって走り出すシンジを見送るとペンペンは、ふ〜っとため息をつき緊張を解きほぐした。

「クエクエ!」(現時刻をもって、『砂の嵐』完了!)

 ペタペタペタ

 作戦をやり遂げた満足感から、ゆっくりと歩いて帰っていった。

 

 

 一方シンジは・・・・

「遅いわよバカシンジ!買ってきたの?」

「はあはあはあ、アスカはいお弁当」

 見なれた弁当、アスカは驚いた。

「忘れたんじゃなかったの?」

「ペンペンが持ってきてくれたんだ」

「ペンペンが?ふ〜んなかなかやるわね。今回はペンペンに免じて許してあげるわ。でも今度忘れたら承知しないわよ」

「うん」

 アスカは受け取るとヒカリが待っている席へ向かった。シンジはトウジ達の元へ向かう。

「センセ、災難やったな」

「逃げ出すと思ったよ」

 ホッ一息つける。だが・・・・・

バカシンジ!

「えっ?」

 バチ〜〜〜〜ン!!

 アスカが怒ってやってきた。わけがわからず呆然とする三人。

「な、何するんだよ!ちゃんと渡しただろ」

「これを見なさいよ!」

 弁当をシンジに見せた。

「ぐちゃぐちゃじゃないのよ」

 弁当の中身は、ご飯おかずが混ざり合っていた。ペンペンが背負ってきた弁当、身長からリュックサックに入れるのには縦に入れなければならない。そこでおかずの汁が移動。

 また今までのレイの強制移動、ミサトと対決、犬達と格闘、全速力で走る。当然中身は揺れる。そして結果が・・・・・

 まあぐちゃぐちゃになってもシンジの料理は美味しいのだが、アスカは忘れたと言われ落胆したが弁当がやって来て、大喜び。そして開けたらぐちゃぐちゃ。

 パチ〜〜〜〜ン!!!

 その日シンジの頬は紅葉で染まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

終了

クエクエクワクワクワワ

クワクエエエ〜〜

クワクワ〜〜〜

クエエエエ!


 70000HIT突破あああああ〜〜〜〜〜(^^)

 記念連載SS、作戦名:砂の嵐、最終弾です。

 今回は巻数が短かったのですが、どうでしたか?作戦は完了しましたが、中身まではどうしようもできませんでしたね。

 さて、次回は75000HIT時と記念SSを行きたいものですが、皆さんもご存知?の通り今まではNNでカウンターが表示されずカウントされませんでした。

 しかし修正して表示されたら、回転が速い速い(^^嬉しい!)

 そんな訳で5000HIT回るのも今までの半分となり、5000HIT毎に記念SSを出すのは苦しくなりました。

 そこで楽しみにしている皆さんには申し訳ありませんが、次回からは10000HIT毎に出す事にしました<_>記念SSはゆっくりと描きたいというjun16の我侭です<_>

 たまに5000HIT時に出す事があると思いますので、楽しみにしてください。

 それではありがとうございました。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


第四弾 救出

NEON GENESIS: EVANGELION 完了