EVA小説掲載950本目記念小説

EVA CHANGING AFTER STORY

さくら

 今日は朝から心がうきうき踊っているよ、それはね・・・

「シンジ君〜お待たせ〜」

「うん、それじゃあ行こう」

 ネルフの広場でアスカと二人っきりのお花見なんだよね。アスカは朝早くから張り切ってお弁当を作っていたよ、楽しみだなあ。

「うん」

「荷物は僕が持つよ」

 アスカは大きなバックを持っていた、重たそうだから僕が持たなければいけないぞ。

「いいの?」

「アスカに重たい荷物を持たせられないよ」

「優しいのね、ありがとう」

「どうってことないよ」

 何気なく見せる優しさ、加持さんから教わった技だ。







 ネルフへは電車を使って行くんだよね、相変わらず空いているなあ。

「朝早かったね、何時に起きたの?」

「ええとね、六時に起きたわ。それからずっと作っていたの」

「六時かあ、頑張ったんだね。お弁当が楽しみだよ」

「うふふ、期待していてね」

 アスカのお弁当、想像しただけでお腹が空いてきたぞ。

「今日は晴れてよかったわね、絶好のお花見日和だわ」

「そうだね、日頃の行ないが良かったからかな」

 昨日僕は夜にテルテル坊主をたくさん作ったからその成果かな。

 おっと、お喋りをしているとネルフに着いたぞ。







「うわ〜〜綺麗ね」

 広場には桜が咲きそろっていたよ、これは凄いなあ。

「アスカ、あそこに座ろうよ」

「うん」

 一番大きな桜の下にシートを敷いてそこに腰を下ろした、アスカと二人っきりのお花見・・・いい雰囲気だぞ。






「シンジ君、桜が綺麗ね」


「アスカの方が綺麗だよ」




「このから揚げはどうかしら、美味しい?」


「うん、凄く美味しいよ。でももっと美味しいのがあるんだよ」


「それは何?」


「アスカ、君だよ」


「シンジ君・・・キュン」








「・・・ジ君・・・ンジ君・・・シンジ君!」

「えっ何?」

 おっと、違う世界に行っていたよ。危ない危ない。

「目の焦点が合っていなかったけど、どうしたの?大丈夫」

「う、うん大丈夫だよ」

「あ〜〜シンジ君、ひょっとして」

 な、なにがひょっとしてなんだ。

「えっちな事考えていたでしょう」

 ギクッ!

「か、考えてなんか無いよ」

「本当?」

「ほ、本当だよ」

 アスカが僕の眼をジッ見つめている、そんなに見つめられたら・・・眼をそらしちゃうよ。

「あ〜眼そらした〜〜えっちぃはいけないと思いま〜〜す」

「そ、そらしたけど考えてないよ〜」

「本当にえっちぃ事考えていなかったの?」

「うん、考えていないよ」

 考えていない、考えていないぞお〜〜!と思っておこう。

「えっち!」

「え〜どうして?」

「だってシンジ君、嘘ついているもん」

「つ、ついてなんかないよ」

 本当はついているけど、ついていないぞ〜!と思っておこう。

「ついているわよ、嘘ついている時の行動しているんだもん」

「うそ?」

 行動?そんな癖があるのか。

「本当よ、シンジ君の癖わかるもん」

 いつのまに僕の癖を見つけたんだ、僕自身もわからないのに。

「ご、ごめん・・・」

「もう嘘ついたら駄目よ」

「うん」

 アスカの前では嘘をつけないよ。





「ねえシンジ君」

「なに?」

「こんなに桜が綺麗なのに、人がアタシ達しかいないわねえ」

「みんな、仕事が忙しいんだよ」

 と、いうのは嘘で、本当はリツコさんに頼んだんだよね。二人っきりで花見をさせてくれるように、子猫の写真十枚で即OKしてくれたよ。おっと嘘をついてしまった、またアスカに怒られちゃう。

「舞っている花びらも綺麗だわ」

 ふう〜〜アスカは花びらを見ていて嘘には気づいていないぞ。ばれてもこんな嘘なら許してくれるかな。





「ちょっと早いけど、お昼にしましょう」

「待ってました!」

 まだお昼前だけど、早くアスカのお弁当を食べたいから問題ないぞ。

「じゃ〜〜ん、たくさん作ったからいっぱい食べてね」

「うわ〜〜美味しそうだ」

 三段の重箱に手の込んだ料理が並んでいるぞ。

「いただきま〜す」

 まずはから揚げを食べようかな。

 モグモグ

「どう美味しい?」

「うん、凄く美味しいよ」

「ソーセージやハンバーグも食べてね」

「うん」

「それと野菜も食べなきゃ駄目よ」

「うん」

 食べきれないほどあるけど、頑張って食べちゃうぞ。

「シンジ君、飲み物あるけど」

「うん、貰うよ」

「はい、これ」

「ありがとう・・・ん、これは」

 缶ジュースを受け取ったけど、これはジュースじゃないぞ。

「アスカこれってカクテルじゃないか」

「カクテルジュースよ」

 でもアルコールが入っている。

「未成年なんだからまずいよ」

「もう固いわねえ〜お花見だから無礼講、無礼講」

「でも」

「だれも見てないから飲んでもばれないわよ、アタシは飲むわよ」

 お花見気分が開放的にさせるのかなあ。あ、アスカが飲み始めた。

「ゴクゴク、ゴクゴク」

「アスカ、一気に飲みすぎだよ」

 アルコールが少ないからって一気しすぎだよ。

「ぷは〜〜〜おいしい〜〜〜ゴクゴク、ゴクゴク」

「ちょ、ちょっとアスカ」

 美味しくて飲みやすいと思うけどペースが早過ぎだよ。

「ぷは〜〜〜〜〜〜ん〜〜〜〜〜〜〜ん、ねえ〜シンジく〜〜ん」

「は、はい」

 アスカの頬が真っ赤になって吐息が色っぽい、酔っている。

「シンジ君は〜〜飲まないの〜?」

「ま、まだ未成年だから」

「未成年〜?アタシのお酒が飲めないって言うの〜?」

 か、絡んできた。

「そ、そんな事ないです、お酒は二十歳からって言うじゃないか」

「プンプン、そんな事言うとはこの口かあ〜〜?」

「い、いたいたた」

 ホッペをつねられたあ、怒り上戸かあ。

「さあ飲むのよ、飲みなさい」

「あ、ひゃあやめてよ〜」

 むりやり飲まされようとアスカに缶を口につけられた、ううっアルコールの匂いが鼻に。でもこれはアスカの飲んでいたカクテルだから・・・間接キッスに・・・

「う、うぐ・・・ひっく、アタシのお酒が飲めないのね。アタシ悲しい・・・しくしく」

「あああ、泣かないでよ。飲むよ、飲むから」

 今度は泣き上戸か、アスカってお酒弱いのかなあ。

 ゴクゴク、ゴクゴク

「ぷは〜〜」

 流石に一気飲みはきついなあ。

「どう美味しい?」

「う、うん美味しいよ」

「美味しいの、美味しいんだ〜〜きゃはは〜シンジ君が美味しいんだって〜〜きゃはははは」

 次は笑い上戸か、コロコロかわるなあ。


「ねえ、シンジ君」

「な、なに?」

「アタシのこと好き?」

 な・・・当然何を言い出すんだ。

「シンジ君は〜〜アタシの事好きなのかなあ?」

 いつもならこんな事言わないから酔っていることがわかる、お酒の力は凄いなあ。

「う、うん好きだよ」

「だ〜〜〜め、心がこもってな〜〜〜い」

「す、好きです!」

「ん〜〜〜よろしい。アタシもシンジ君がだ〜〜い好き」

 酔っていないときに言われたいなあ、でも酔いがさめたら忘れているんだろうなあ。

「ん〜〜ふっふっふ〜〜アタシとシンジ君は相思相愛、シンジ君ん〜〜〜〜」

「な、なに」

 アスカが眼をつぶって唇を僕の前に出しているぞ。こ、これはもしかして・・・せ、せせせせ接吻!

「シンジ君早く〜〜ん〜〜〜」

 お酒のせいかと思うけど頬が桜色に染まって色っぽいぞ。

「う、うん・・・ん〜〜〜〜」

 き、緊張してきた。桜の下で接吻、お花見は良い、実に良いぞ!

 もう少し、もう少しでアスカの唇に触れるぞ・・・ん?何か視線を感じる・・・

「あ!ミサトさん」

「おっお〜〜ばれちゃったわね〜」

 ミサトさんが先の桜の木の陰から覗いていた。誰も入ってこれないのに、どうやって入ってきたんだろう。

「覗きなんて酷いですよ」

「ごみん、ごみん、私にかまわずブチュ〜とやっちゃってちょうだい、さあブチュゥ〜〜と」

「で、できませんよ」

 人が見ているのに接吻なんてできるわけないよ。

「そんな事いわずに、私を石と思ってさあさあ、ブチュ〜〜〜って、そしてハアハアもOKよん」

「できません!」

 まったく〜〜ミサトさんもお酒臭い、あっ麦酒缶が大量に転がっている。

「アスカ、帰ろう。アスカ」

 さっきから眼をつぶったまま反応が無いぞ、ん?

「zzz、zzz・・・」

 寝ちゃっている。

「あらら、アスカ寝ちゃっているわね。シンちゃんチャンスよ」

「何がですか?」

「もう〜〜私の口から言わせる気〜?もう言っちゃおうかしら」

「い、いいです。アスカ帰るよ」

「う、うう気持ち悪い・・・」

「き、気持ち悪い〜?だ、大丈夫」

「シンちゃん、こんな時はマウチュ〜マウチュ〜よ」

 もうミサトさんは無視しておこう。

「うう、頭が痛い〜」

「暫く横になっていると良いよ」

「うん・・・ねえシンジ君、アタシ何か言っていたかしら?」

「い、言ってないよ」

 言ったらアスカ真っ赤になって恥ずかしがっちゃうよ。あ、また嘘ついてしまった。

「そうなんだ・・・zzz」

 ふう〜ばれなかったぞ。

「シンちゃ〜ん、嘘はいけないわよん。チュ〜〜よ、ブチュ〜〜」

「ミサトさん、黙っていてください」

「フガフガ」

 もう〜〜ミサトさんが邪魔したお陰で折角のチャンスが不意になってしまった。またリツコさんに頼んでミサトさんは隔離しておかないといけないぞ。


 このSS(リレー小説&投稿SS&CGに付けたSSを除く)で950本目です(^▽^)

 二人だけのお花見、リツコさんに頼んで誰も入ってこれないようにしてます。

 アスカちゃん特製のお弁当、そして大人チックにカクテルジュース。シンジ君は真面目なので飲むのに躊躇いましたが、アスカちゃんはお花見気分で一気に飲んでしまいました。その結果・・・(^^;)

 酔ったアスカちゃんは大胆、シンジ君はドキドキしてしまいましたがミサトさんの邪魔により接吻できませんでした。リツコさんのセキュリティーを突破したミサトさん、凄腕です。


 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION EVA CHANGING AFTER STORY さくら