HP開設八周年記念小説
リツコおかあさんシリーズ
9 years after
アルバイト
「「「バイバ〜〜イ」」」
学校も無事に終わってマナとマユミと別れて、これからネルフに行きま〜す。
あっその前に本屋さんによって、今日発売の本を買いに行こうっと。
優秀なレイちゃんは本を読んで賢くなるのだ。って漫画本なんだけどね、今ハマッている漫画は「ろうぜんめいでん」って言ってお人形さんが主役の話なの、特に『乳酸菌とってるぅ?」がお気に入りなのよね。
さあ本屋さんに着いたわよ。ええと新刊のところに行って、うんうんいっぱい積んであるわね。
ええと、財布を取り出して、お金を出して・・・ん?
お金を出して・・・出して・・・
・・・お金がない!
財布の中にコミックを買うだけのお金が入ってないわ、どうして?これは誰かの陰謀?それとも宇宙人のしわざかしら?
〜〜〜って、昨日マナとマユミと一緒にケーキを食べに行って使いすぎちゃったんだっけ、あ〜〜〜コミック買うだけのお金を残しておけばよかったわ。
来月のお小遣いまで、まだまだあるから買えないわ。とほほ・・・おかあさんに頼んでアルバイトをしよう。
「たっだいま〜〜」
「お帰りなさい」
第二の家ネルフ、おかあさんの研究室に来たわ。おかあさんは忙しそうに仕事をしてる。
「おかあさ〜ん、アルバイトしたいんだけど」
「またお小遣い使ったの?」
「うん、気がついたら無くなっていたの、きっと違う私が使ったと思うの」
「ちゃんと計画的に使いなさい、無駄遣いしすぎよ」
「ごめんなさ〜い」
考えて使っているんだけどなあ〜何故か無くなっているのよね。
「何か手伝う事ないの?」
「はあ〜しょうがないわね」
呆れられちゃった、しょうがないか〜
「何をすればいいの?」
「それじゃあこの書類全部にハンコを押してちょうだい」
「えっ!これ全部に?」
「そうよ、これ全部よ」
かなり厚みがあるんですけど、これは100枚や200枚じゃないわ。
「それでアルバイト代は、おいくら貰えるんでしょうか?」
「1000円よ」
「1000円!?」
「何か不満でもあるのかしら?」
「い、いえ不満なんてありません」
「今日中にやってちょうだいね」
「はい〜〜」
1000円って、まあコミックが買えるから良いとしますか。
これは光速で押していかないと今日中には終わらないわ、頑張るぞ〜〜
「ひいひい・・・ふうふう・・・」
はあ〜〜疲れた〜〜まだ半分以上あるわ。
「あらレイ、手が止まっているわよ」
「ちょっと休憩なの!」
「早くしないと今日が終わるわよ」
「終わらせるもん」
おかあさんはさっきから休憩中でコーヒーを飲んでる、私は飲む暇なんてないわ。
「リっちゃん元気ぃ〜?」
「母さん」
「おばあちゃま」
「あら〜〜レイちゃんも来てたのね」
「うん」
おばあちゃまはいつも突然やって来て嵐のように去っていくのよね。
「レイちゃんお手伝いしてたの?偉いわね〜」
「うん、アルバイトしているの」
「アルバイト?」
「本買いたいけど、お小遣いが無いから手伝っているの」
漫画本って言わないわよ。
「さっすがレイちゃん、労働してお金を得る、素晴らしいわね。それでお給金はいくらなの?」
「1000円だよ」
「え?ちょっとおばあちゃん、よく聞こえなかったけど」
「1000円だよ」
「1000円!?」
「うん、1000円」
「え〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!リっちゃん1000円って安すぎない?」
おばあちゃま驚きすぎ。
「妥当な値段よ」
私としてはもうちょっと欲しいんだけどな。
「1000円って本どころか、ジュースも買えないじゃない」
おばあちゃま金銭感覚ずれ過ぎ。
「リッちゃんがレイちゃんにそんな酷い仕打ちをしていたなんて・・・ううっ私の育て方が間違っていたのかしら?」
「母さん、1000円で十分な仕事量よ、それにジュースは120円よ」
「120円?ジュースって120万でしょ」
「違うわよ、120円よ。どこの世界に120万のジュースがあるのよ」
「私はいつも買っているわよ」
それってどこのあるの?120万のジュースってどんなんだろう?
「・・・母さん、今日は何しに来たの?」
「まさか、リッちゃんが悪女になってレイちゃん虐待していたなんて・・・不憫なレイちゃん・・・おばあちゃんがレイちゃんにお給金をあげるわ、この小切手に好きな金額を書いてちょうだい」
「えっいいの?」
「レイ、ダメに決まっているでしょ。母さん用が無いなら帰って、忙しいのよ」
え〜〜〜ダメなの、残念。
「あ〜〜〜そして私を追い出すのね、いいわよいいわよ、すねちゃうんだから〜〜〜」
あ〜あ〜〜出て行っちゃった、本当に何しに来たのかな?
「さあレイ、早く終わらしてしまいなさい」
「あっうん」
おばあちゃまが来てドット疲れちゃったけど、頑張るぞ〜〜
「ぜえぜえ、ぜえぜえ・・・これで終わり!」
ポンッ!
最後の一枚に押して・・・
「終わった〜〜〜〜」
「お疲れさま、はいアルバイト代よ」
「やった〜〜ありがとう〜〜〜」
私の知と汗と涙の結晶だわ。
「無駄遣いしたらダメよ」
「うん」
封筒の中には・・・あれ?千円札が三枚ある。
「おかあさんこれは?」
「頑張ったからアップよ」
「わ〜〜い、ありがとう」
予想外なアップで懐が温まったわ。よしっ自分への御褒美にジュースを飲んでこようっと。
「おかあさん、ジュース飲んでくるね」
「ジュースならあるわよ」
「自分のお金で飲みたいの」
「ちゃんと計画的に使うのよ」
「うん」
仕事で喉が渇いたから自販機コーナーまでダッシュよ。
ふんふんふ〜〜ん
ええと、何を飲もうかな〜〜〜だ〜い好きな果汁100%のオレンジジュースにしようっと、120円を入れて、ボタンをぽちッと。
・・・
・・・
・・・
「あれ?出てこない」
ボタンを押したのに出てこない、売り切れなのかな〜他のボタンを押しても出てこないし、故障なのかな。
「レイちゃんどうしたの?」
「おばあちゃま、ボタンを押してもジュースが出てこないの」
おばあちゃま、帰っていなかったんだ。
「ちゃんとお金は入れたの?」
「うん、入れたよ」
「どれどれ?」
おばあちゃまは返却レバーをひねってお金を戻したわ。
「あらレイちゃん、お金が足りないわよ」
「えっ?120円でしょ」
確かに120円入れたんだけど。
「ん〜〜〜ちょっと違うかな」
違うって、メニュー画面にもちゃんと120って書いてあるし・・・ん、120の横に何か書いてある・・・万?
「120万?」
「ピンポーン、レイちゃん正解。120円じゃちょっと足りなかったわね」
うそっ?他の自販機を見ても120万や150万になっている!?
「リっちゃんのお給金じゃ足りないでしょ、おばあちゃんが出してあげるわよ」
「あっ」
おばあちゃま、財布から1万円の束をだしたら自販機に入れたわ。
「さあレイちゃんどうぞ」
自信満々な笑み、おばあちゃまが自販機を入れ替えたのね。
「じゃあオレンジジュース」
120万のオレンジジュースってどんな味がするんだろう、やっぱりオレンジだよね。
「流石レイちゃん、このオレンジジュースはね、年に数個しか取れないオレンジから作っているのよ」
年に数個って、メニュー画面にずらって並んでいるんだけど、数個って何個なんだろう?
「これが120万のオレンジジュース・・・」
「さあレイちゃん召し上がれ」
何か緊張しちゃうなあ。
ダッダッダッダッダッダ!
「母さん!」
「あらリッちゃん、どうしたの通路を走ったら危ないでしょう」
おかあさんが走ってきたわ、どうしたのかな?
「自販機よ、職員から苦情が来たわよ。ネルフ全内の自販機を替えたでしょう」
「何の事かしら?」
あっ目をそらした。
「高くて買えないって言うから値段を聞いたら120万って・・・すぐに戻しなさい!」
「え〜〜〜せっかく替えたのに〜〜〜」
「みんな迷惑しているのよ、今日中に替えておいて!」
「今日中に〜?」
「そう今日中に、終わるまで帰しません」
「リっちゃんのいじわる〜〜」
「母さん、怒るわよ」
「レイちゃ〜〜ん、リっちゃんがいじめるのよ」
「あ、うん。でもおばあちゃま、おかあさんが怒ると怖いから替えた方が良いとおもうよ」
そろそろ角が生え出しそうだし。
「うん、そうした方がよさそうね、レイちゃん応援しててね〜〜」
「あ、うん」
「レイ戻るわよ」
「う、うん」
おかあさんコワ〜〜〜あっ今ちょっと角が見えた。
おばあちゃまは可哀想だけど、おかあさんの方が怖いもんね。でもこの120万のジュースは味わって飲んじゃおう〜
HP開設八周年です(^^)エヴァオンリーで八年とは(笑)
無駄遣いをしたレイちゃん、漫画本が買えませんでしたね。そんな時はリツコさんのところでアルバイト、時給?は安いですけど、お金を稼ぐ苦労を体験させているんでしょうね。
そして嵐のようにやって来たナオコさん、相変わらず金銭感覚がずれています(^^;)
「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION リツコおかあさんシリーズ 9 years afrer アルバイト