新世紀記念その4
CHILDREN LIFE お正月
初詣に行こう
おせちを食べてお腹いっぱい〜♪さあてお正月第2のイベント、初詣に行こうかな。
「シンジ、ファ〜スト、初詣に行くわよ」
「そうだね」
「私は碇クンと二人で行きたい、アスカはミサトさんと行って」
アンタはっ、お正月から息の根を止めてあげるわよ。
「ファ〜スト、我侭ばかり言うとベランダから吊るすわよ」
「・・・アスカ、目が恐いわ・・・本気ね」
当たり前よっ!やるといったらやるわよ。
「綾波、みんなで行こうね」
「・・・碇クンがそういうなら・・・」
渋々頷くファ〜スト、このガキャァ〜〜いつの日か吊るし上げてやるわ。
「私は行かないわ、お留守番しとくわね」
そうね、ミサトが来たって邪魔なだけだし、どうせ振る舞い酒で酔っ払うと面倒だからね。
んじゃ、着物に着替えて行きますか。
「ファ〜スト、着物があるでしょ。それに着替えてらっしゃい」
去年リツコからプレゼントされた着物、アタシ好みの色で気に入っているのよね。
「着物・・・お母さんから貰った洋服」
「洋服じゃないよ、着物は和服なんだよ」
「和服・・・日本の文化なのね」
「ほら、考えてないで着替えてきなさい。時間が無くなっちゃうわよ」
「わかったわ」
「じゃあ、僕は後片付けをしておくよ」
シンジは着物を着ないから、おせちの後片付けね。ミサトも手伝えばいいのね、ってそれは行かず後家には無理ね。さあってアタシも着替えてこようっと
CHILDREN LIFE お正月 |
・・・お母さんから貰った洋服・・・和服ね。着物、日本古来の服。私に似合うように白い柄に水色のデザインが入っている・・・私もお気に入り、着ましょう。
昔は着物を着るのは大変だったと聞いたけど、これは簡単。袖を通して帯のマジックテ〜プを留めるだけで着れる優れもの。だから下はTシャツと短パンで良いの。
わずか十秒で着替え終了、さあ出かけましょう。
・・・
・・・
・・・
・・・そういえば本で読んだことがあるわ、着物を着る時は下着を着けないって・・・脱ぐのかしら?
・・・
・・・
・・・
・・・ぽっ!
・・・
・・・
・・・
・・・碇クン
・・・
・・・
・・・
・・・下着、脱ぎましょう。
CHILDREN LIFE お正月 |
ふんふんふんふ〜〜んっと、着物着物〜〜っとアタシのトレ〜ドマ〜クの真紅をベ〜スに黄色で流れるデザイン、リツコも良いセンスしているわね。
着るのは簡単、下は何でも良いみたい、Tシャツと短パンで良いわね。着替えて着替えて。
袖を通して、帯で留めて完成〜〜〜。
鏡の前で1回転、ふふ綺麗アタシって何を着ても似合うわね。そうだお化粧もちょっとしようかな。
ふんふんふんふ〜ん
お化粧といっても、ミサトやリツコみたいに厚く塗らなくても元が良いから口紅を薄く塗るだけで良いわ。
さっさっと、ふふ、ほんのわずかよく見ないとわからないわね。バカ気づいてくれるかな?
髪型は・・・今日はポニ〜でいこうかな。
・・・うん、バッチリッ!さあて行くわよアスカ!
ファ〜ストは準備できたかしら?・・・ん?なんだかイヤな予感が・・・!ありえるありえるわ。
100%的中してると思うわ。ファ〜ストの部屋へ行ってみましょう。
「ファ〜スト!・・・やっぱり」
CHILDREN LIFE お正月 |
「どうしたのアスカ?」
下着を脱いでいたら急に襖が開いてアスカがいたわ、碇クンなら良かったのに。
「どうもこうもないわよ、下着は着てて良いのよ」
「どうして?着物を着る時は下着は着けないの、日本の常識よ」
「それは昔、今は着て良いのよ。さっさと着なさい」
そうなの?いつ憲法が改正されたのかしら、ちょっと勉強不足。
「わかったわ」
「それとTシャツかなんか着なさいよ」
「アスカは何着たの?」
「アタシはTシャツよ」
じゃあ私もTシャツを着ましょう、胸に根性とプリントされたTシャツ、碇クンがくれた大切なもの。
「着替えたわ、行きましょう」
「そうね、アンタもちょっとはお化粧した方が良いわ、ちょっと待ってなさい」
お化粧?着物でお化粧は・・・歌舞伎・・・凄いお化粧ね。
「ちょっと顔を上げなさい」
歌舞伎のお化粧・・・どきどき、緊張するわ。まずは唇から塗るのね・・・どきどき。
「はいおしまいっ鏡を見てごらんなさい」
「?もうお終いなの?」
「そうよ、アタシ達は若いんだからちょっとで良いのよ」
そう、簡単なお化粧ね、鏡で見てみましょう。
「・・・これが私なの?」
「そうよ。ちょっと塗っただけで雰囲気がかわるでしょ」
お姫様・・・なんだか自分じゃないみたい。
「さあ行くわよ」
「うん」
CHILDREN LIFE お正月 |
アスカ、さっきからドタバタ走ってなんだったんだろう?まあいいや急いで後片付け、ってもう終わっちゃったよ。主夫歴が長いとスキルが上がるね。二人の準備ができるまでTVでも見てようかな。
・・・ボンヤリと見るTV、正月は特番ばかりでつまらないから遊びに行った方がましだね。
グオオオッッ・・・グオオオッッ
・・・ミサトさん、お腹を出してイビキをかいて大の字で寝ている・・・まったく仮にも女性なんだからもうちょっと上品に寝てほしいよなあ〜加持さんが見たら百年の恋も冷めるよね。
「シンジッ、お待たせ」
背中からアスカの声、用意ができたんだね。
「じゃあ行こう・・・」
僕は一瞬言葉を失った。着物姿のアスカと綾波、制服や普段着、プラグス〜ツとは雰囲気が違う。普段よりも十倍増しで可愛い。
「どうしたのよ?ボ〜っとして」
「あ、いや何でもないよ。行こう」
危ない危ない、見とれていたなんて言えないよ。
「シンちゃんはね〜〜二人のきゃわいさに見とれていたのよん」
ミ、ミサトさん、急に起きて何を言うんですか。
「うんうん、二人とも似合っているわよ。流石葛城三姉妹の次女と三女ね」
「誰が葛城三姉妹よ、歳がおもいっきり離れているじゃないの」
確かに三姉妹と言うには無理がある。
「全然離れていないわよ、私が18、アスカとレイが14、美少女葛城三姉妹じゃない」
・・・呆れるよ。
「シンジ、ファ〜スト、酒徒はほっといて行くわよ」
「そうね、碇クン行きましょ」
「うん、ミサトさんしっかり留守番していてくださいね」
「あ〜〜〜除け者にされたあ〜〜お姉さん悲しい〜〜〜」
ミサトさん得意のウソ泣き、構うと時間が掛かるから無視しようっと。
マンションを出て近くの神社まで歩く僕達、空を見上げると所々に凧が上がっている、お正月だなあ。
「碇クン」
「ん?何」
左を歩いていた綾波が声をかけてきた。
「ミサトさんが言っていたけど私のきゃわいさに見とれていたの?」
な、なななななななな何を言い出すんだビックリしちゃうよ。
「私の着物姿きゃわいい?」
きゃわいいってミサトさんみたいに言わなくてもいいのに。
「う、うん可愛いよ」
「ありがとう・・・ぽっ」
ほ、頬を染めて・・・ますます可愛いや、こういのを確か萌え〜〜って言うんだよね。
「シンジ、アタシはどう?」
前を歩いていたアスカが振り向いて微笑んだ、アスカの場合は可愛いって言うより綺麗かな。
「うん、綺麗だよ」
「き、綺麗だ何て・・・本当の事を言われたら照れるじゃないのよっ!」
アスカ、顔が着物の赤のように真っ赤になっているよ。ふふ、からかいがいがあるなあ。
CHILDREN LIFE お正月 |
「うわ〜〜沢山いるわね」
神社に着いたアタシ達、人がいっぱいいるわ。まったく暇人どもね。
「アスカ、それは私達も同じ」
「違うわよ、アタシ達は忙しい時間を割いて来ているのよ」
「じゅうぶん暇だと思うけど」
「暇じゃないわよ、さあ参るわよ」
まったく暇人と一緒にしないでほしいわ。それにしても本当に人が多いわ、露店まで出ている、後で何か買お〜〜っと。
まずは参らなくちゃね、そのあとはおみくじを引いて大吉を出すっ!そして今年の運はばっちり、うん完璧ね。
「さあ二人とも行くわよ」
「わあ、待ってよ」
「アスカ、速いわ」
CHILDREN LIFE お正月 |
・・・人ごみが凄い、まるでジャガイモを洗うように凄い。
待って、碇クン、アスカ・・・どんどん離れて行っちゃう。人ごみに押されちゃう。
進めない・・・逆に戻っているわ、どうして?進んでいるのに戻っている、これは使徒の仕業なの?
えい、えい、えい。頑張って進みましょう・・・けど戻っている、なぜ?
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・碇クン、アスカ・・・見失ったわ。
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・碇クン、アスカ・・・二人とも迷子になったのね。中学生なのに迷子になるなんてちょっとへっぽこ。
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・私・・・迷子になっちゃった・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・二人がいない、私一人・・・しくしく、しくしく、迷子になっちゃった。
・・・しくしく、しくしく、迷子になると涙が出るのね、しくしく、しくしく。
しくしく、しくしく
しくしく、しくしく
しくしく、しくしく
「あら?レイじゃない、どうしたの?」
この声は・・・
CHILDREN LIFE お正月 |
うわっ、凄い人波だ、少しでも気を抜いたら押し流されちゃう。
うおおおおおおおおおおっっっ!
五感を集中させて人波の間を感じるんだ、そしてすり抜けるんだ。
うおおおおおおおおおおっっっ!
って無理か、少しづつ進もう、綾波は大丈夫かな?って振り向けないや。
はあ、はあ、はあはあ、 ようやく抜けられたぞ。
「シンジ〜〜何へばってんのよだらしないわね」
「アスカが速すぎるんだよ」
「これくらい朝飯前よ、ファ〜ストは?」
「綾波はそろそろ来るんじゃないかな」
人波でも綾波の髪色は目立つからわかるんだけど・・・あれ?あれ?あれ?
「どこにもいないじゃないのよ」
「どこ行ったんだろう?僕の後ろにいたはずなんだけど」
確かに僕の後ろにいた・・・確かに・・・はぐれちゃった。
CHILDREN LIFE お正月 |
・・・振り向くとそこにはお母さんとマヤさんがいたわ。
「レイ、どうしたのよ?泣いたりしちゃって」
「お母さ〜〜ん」
たまらずお母さんの胸に抱きついた・・・お母さんの匂い、安心する。
「あらあらレイ甘えん坊さんね、でも私はお姉さんよ」
あうぅ・・・微笑んで殺気がこもっている・・・お母さん恐い。
「レイちゃん、泣いたら可愛い顔が台無しよ、ほら涙を拭いて」
マヤさんがハンカチで涙を拭いてくれた、ありがとう。
「レイ、それでどうして泣いていたのよ?」
「碇クンとアスカが迷子になって、それで・・・しくしくしくしく」
また涙が出てきたわ、しくしくしくしく。
「レイちゃんが迷子になったのね」
・・・世間ではそう言うのね。私が迷子になったのかしら?
「携帯持っているんだからそれで連絡を取ればいいでしょ」
・・・携帯、そうだったわ。流石お母さん頭良い。携帯を・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・しくしくしくしく
「携帯忘れた・・・」
「はあ〜〜レイ、私の妹でしょ。もうちょっとしっかりしなさい」
お母さんはお母さん、けしてお姉さんではないわ・・・口に出して言えないけど。
「しょうがないわね、マヤ、アスカに連絡を入れてちょうだい」
「はい、わかりました」
CHILDREN LIFE お正月 |
♪♪♪〜〜〜
あら?携帯の着信音、ファ〜ストかしら?受信画面を見るとマヤからだわ、使徒が出たのかしら?
「はい、マヤ〜使徒が出たの?」
「あ、アスカ、使徒じゃないわ。今レイちゃんと一緒にいるの」
「ファ〜ストと?」
何でまた一緒に?
「レイちゃん迷子になっちゃって連絡取ろうにも携帯忘れているのよ」
はあ〜〜〜まったく世話が焼けるわね。
「アスカ達はどこに居るの?そっちに行くから」
「アタシ達は賽銭前にいるわよ」
「わかったわ、今から行くから待っていてね」
「ええ」
ふう〜〜お正月から天然ね、ファ〜ストは。
「マヤさんからだったの?」
「ええ、ファ〜ストが迷子になって一緒にいるみたい、今から来るわよ」
「綾波、迷子に・・・気をつければよかったのに」
しょうがないわよ、人が多いんだから。マヤに感謝ね。
CHILDREN LIFE お正月 |
「レイ、はぐれないようにしっかり握っているのよ」
「うん」
お母さんが手を握ってくれている・・・暖かい。
「それにしても人が多いわね」
「お正月ですからね、それにこんな御時世だし」
「科学が進歩してても神頼みなわけね」
「受験も一生懸命勉強しても最後は神様に祈りますからね」
「ふふ、そうね」
お母さんとマヤさんのお話・・・難しそう。
「神様っているの?」
「そうねえ、科学じゃ証明できないけどいるかもしれないわね」
だからみんなはお参りをするのね。
「あっアスカ達が見えたわ」
お母さんが指差した先に碇クンとアスカが見える、良かったまた会えた。
CHILDREN LIFE お正月 |
おや?あれは綾波、それにリツコさんもいる。
「アスカ、見えたよ」
「本当、リツコもいるじゃない」
手を振ると綾波とマヤさんが振ってれた、流石にリツコさんは振らないね、振ったら恥ずかしいんだろう。
「リツコさんも一緒だったんですか」
「ええ、マヤと来たらレイに会ったのよ」
「碇クン良かった、また会えて・・・しくしく、しくしく」
「ほらレイ、泣いたらシンジ君に笑われるわよ」
涙を拭いてあげるリツコさん、お母さんだなあ〜。
「うん、泣かないわ」
「偉いわよ、それでこそ私の妹!」
・・・何も妹を強調しなくて良いのに。
「じゃあ揃ったところで参りましょう、シンジお金」
「え〜〜〜?自分で出せよ〜〜」
どうして僕が出さなくちゃいけないんだよ。
「アンタ、レディ〜に出させるつもり?しばくわよ」
お、おおうっ拳を鳴らしている、ここはおとなしく出しておこう。
「五円で良いね」
「サンキュ〜」
とほほ、五円くらい出せば良いのに。みんな並んでお賽銭を・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
みんな何を拝んでいるんだろう?
僕は今年は・・・
初詣は着物にかぎります!二人のイメージ合わせた赤と白、定番ですね。
シンジ君に誉められて赤くなる二人、可愛いですね。
レイちゃん、残念ながら迷子になってしまいました。でもリツコお母さんに会えたので良かったですね(リツコさんは相変わらず姉と言い張りますが)
参った五人、何を願ったのでしょうね。
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION CHILDREN LIFE お正月 初詣に行こう