リツコおかあさんシリーズ

アルバイト

 ふあああ〜〜眠いわ。

 折角の休みなのに、朝っぱらからシンジと一緒にリツコに呼び出されたわ。

「あ〜〜あ、朝からだるいわね〜用がするんだら早く帰りましょう」

「はは、そうだね」

 ネルフの通路を歩くアタシ達、シンジはアタシの話を聞き流したわ。ちゃんと聞きなさいよ!

「リツコさん、入りますよ」

「どうぞ〜〜」

 研究室ではリツコが、すでに仕事をしていたわ。ミサトとは大違いね。

「おはようございます、リツコさん。今日は何のようですか?」

「早くしてよね。アタシは眠いんだから」

「朝からごめんなさいね。2人にはちょっとアルバイトをしてほしいのよ」

「「アルバイト?」」

 アタシとシンジはシンクロして返事をしたわ。

「明後日はクリスマスでしょう。仕事が忙しくてレイにプレゼントを買っていないのよ。悪いんだけどプレゼントを買ってきてほしいのよ」

 クリスマスか、そうだったわね。連日泊まりで仕事のリツコにはプレゼントを買う暇がないか、隣の部屋ではレイがまだ寝ているわ。サンタが来なかったら悲しむわよね。

「わかったわ!アタシ達に任せなさい!で、何を買ってくればいいのかしら?」

 レイは何が欲しいって言っていたかしら?

「2人に任せるわ。これはお金よ、お釣りは2人のアルバイト代ね」

「えっこんなに」

 お金が入った封筒を渡されたわ。中身を見たら・・・凄い。高いプレゼントを買っても、十分すぎるアルバイト代だわ。

「リツコさん、こんなにお金は要りませんよ」

 お金を見たシンジが隣で言ったわ、確かに多いわよね。

「いいのよ。休日のデートを邪魔したし、お釣りで2人のプレゼントでも買ってちょうだい」

「な、なに言ってんのよ。デ、デートなんてするわけないでしょうが!」

 アタシ自分でもわかるわ、耳が真っ赤で熱くなっている。

「ふふ、恥ずかしがらなくてもいいわよ」

「だ、誰が恥ずかしいモンですか」

 あっ、シンジを見たらちょっと悲しい顔をしているわ。そんな顔するんじゃないの。

「しょ、しょうがないわね。シンジッ暇だから、デ、デ、デートしてあげるわよ」

「ありがとうアスカ」

「か、勘違いしないでよね。アルバイトのついでなんだからね。本当は朝っぱらから眠たくてしょうがないのよ。レイの為よ、さあ行くわよ」

「うん、わかっているよ」

 微笑むんじゃないの、こっちまで照れちゃうわ。













 レイへのプレゼントは・・・やっぱりオモチャかしら。

「と、言うわけでオモチ屋へ来たわよ」

「僕の意見が全然取り入れられなかったね」

 シンジは、オモチャ以外のプレゼントがいいって言っていたけど却下したわ。子供にプレゼントは当然オモチャよ。アタシは今でもオモチャを貰っても嬉しいもん。

「ここのオモチャ屋は凄いのよ。なんでも揃っているんだからね」

「知っているよ、来たことあるから」

 まあ第三新東京に住んでいれば、誰でも来た事があるわよね。ここのオモチャ屋は広くて値段も安くてアタシオススメだわ。

「シンジ、三階に行くわよ」

「うん」

 三階は女の子用のオモチャ、レイには当然女の子用のオモチャよね。

「あ、ガンダムだ」

 エスカレータで二階にあがると、シンジが何かに気付いたわ。ガンダムのプラモみたいね。名残惜しくみているけど、三階へ向かうわよ。見るならプレゼントを買ったあとでいいでしょう。

「いっぱいあるわね〜」

「どんなのがいいのかな?」

 シンジには、どれがいいのかわからないようね。フフフ、ここはアスカ様の独壇場だわ。今テレビで人気があるアニメがオススメよ、アタシやレイが見てるもん。

「シンジ、こっちよ」

「あ、待ってよ」

 アニメキャラクターコーナーへ向かったわ。

「いっぱいあるね〜」

「流石人気があるわね」

 アタシが欲しくなるような、オモチャもあるわね。リツコからのアルバイト代で買っちゃおうかしら。

「レイちゃんには何がいいのかな?」

「レイには・・・これよ!」

「これ?」

 アタシが選んだ商品は一番値段が高くて、一番遊べて、一番喜べる品よ。これはアタシが貰っても嬉しい品、レイと一緒に遊んじゃおう。

「アタシの商品を選ぶ眼力に間違いはないわ。さあレジに行くわよ」

 レジでお金を払ってラッピングをしてもらって、リツコの任務は完了したわよ。

「ねえアスカ、二階に寄ってもいいかな?」

「さっきのガンダムね、いいわよ」

 これで素通りしたらアタシが鬼だと思われちゃうからね。






「あ、凄い」

 シンジがガンダムのプラモを見て瞳を輝かせているわ。アタシには全然わかんないけど。

「これ安いや」

 小さな箱に入っているプラモデル、その値段で安いの?高いんじゃない?

「ねえアスカ、これ買ってもいいかな?」

 シンジがプラモの箱を持ってきたわ。さっきの見てたのとは違うわね。

「いくらなの?」

「ええとね・・・」

 高っ!さっき見てたのと比べたら全然高いじゃないの。

「ダメかな?」

「・・・いいわよ、アルバイト代もあるし、自分へのクリスマスプレゼントにしたらいいんじゃないかしら」

「ありがとう、買ってくるよ」

 嬉しがっちゃって、シンジもまだまだ子供ね。それよりアタシへのプレゼントは用意しているのかしら?用意していなかったらひどいわよ。











 ネルフへ戻ったアタシとシンジ、レイはすでに起きていると思うから、リツコを別の部屋へ呼んだわ。

「2人ともご苦労様」

「買ってきたわよ」

 アタシはプレゼントをリツコに渡したわ。ここまで持ってきたのはシンジなんだけどね。アタシはか弱い女の子だから荷物なんて持てないわよ。

「ありがとう。25日は空いているかしら?良かったら家でクリスマスパーティーをするから来てほしいのよ」

「良いんですか?行きますよ」

「アタシもいいわよ」

 大勢の方が楽しいし、レイも喜ぶでしょうから。

「シンジ君も買ったみたいね」

「ええ、早速アルバイト代を使わせてもらいました」

 ニコニコしちゃってよほど嬉しいのね。

「じゃあ、アスカへのプレゼントも買ったのかしら?」

「あ・・・忘れてた」

「な、なんですって〜〜〜!!」

 自分のは買って、アタシへのプレゼントは忘れてたですって〜〜〜!!

「没収!没収よ。このプラモは!」

「ああっ僕のガンダムが〜〜」

「アタシへのプレゼントを買ってくるまでこれは没収よ〜〜!」

「そ、そんな〜〜〜」

「さっさと買ってこ〜〜〜い」

 アタシはシンジを部屋から蹴り飛ばしたわ。プレゼントを買ってくるまで家へ入れてあげないわよ。

「シンジ君無様ね」


 忙しいリツコさん、レイちゃんへのプレゼントを買いに行く暇がありません。

 任されたアスカちゃんとシンジ君にはいいアルバイトになりますね。

 自分のプレゼントを買ったシンジ君でしたが、アスカちゃんへのプレゼントを買い忘れ(^^;)怒られて当然ですね。

「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


リツコおかあさんシリーズ アルバイト