リツコおかあさんシリーズ

小さなサンタ

「シンジ〜プレゼントちょうだい」

「プレゼント?」

 ネルフ、自販機のベンチで休憩していたシンジにアスカがやって来た。

「そうよ、今日はクリスマスじゃない、サンタは良い子にプレゼントをあげるのよ」

「アスカが良い子?」

 シンジはプッと笑った。

「む〜何よ〜アタシは誰が見ても良い子じゃないのよ、さあプレゼントをよこしなさいよ!」

「良い子が普通脅迫するかい?」

「これは脅迫じゃないわよ、強制よ」

 アスカはシンジが飲んでいたジュースを奪い取ると飲み干した。

「ああっ僕のジュースが」

「つべこべ言わずによこしなさい!」

「わかったよ〜プレゼントは用意してあるよ」

「本当?」

 アスカの瞳が輝いた。

「本当だよ、でもプレゼントは明日ね」

「どうしてよ〜ブ〜〜ブ〜〜」

 頬を膨らましてブーイング、早くプレゼントを貰いたい。

「今日はイブでしょ、だからプレゼントは明日ね」

「え〜〜イブでもクリスマスじゃないのよ〜今欲しい〜〜」

「我慢我慢」

 アスカは両腕をばたつかせてダダをこねたがシンジは聞き流した。

「い〜〜もん、ぐれてやる〜〜」

 アスカはアッカンベーをするとその場から立ち去ろうとした。

「メリ〜クリスマス〜」

「あっレイ」

「レイちゃん」

 二人が声がした方を見るとそこにはサンタの衣装を着たレイが居た。

「今日はクリスマス〜〜」

「うわ〜〜なにそれ〜かっわいい〜〜」

 レイの小さな身体に少し大きなサンタの衣装が似合っている。

「レイちゃん似合っているよ。それはリツコさんが作ったのかい?」

 リツコの裁縫の上手さを知っているシンジはそれをリツコが作ったものだと思った。

「違うよ、これは100円ショップで買ったの」

「へ〜〜最近はそんなのも売っているんだ」

「それが100円なんて安いわね」

 シンジとアスカはそれが100円の品である事を驚いた。

「ふふふ〜レイちゃんサンタさんがシンジお兄ちゃんとアスカお姉ちゃんにプレゼントをあげます」

「本当?サンキュ〜〜」

 レイは持っていた一枚の丸まった紙をアスカに渡した。

「ん〜どれどれ〜〜」

 アスカとシンジは紙を広げて見た。

「ふふ、上手ね」

「レイちゃん上手だよ」

 紙にはレイとアスカとシンジが仲良く手を繋いでる絵が描かれていた。

「本当はもっと豪華な物を贈りたかったけどお金が無かったの・・・」

「バカね〜〜子供がそんな事考えなくて良いのよ。これで十分よ」

「そうだよ、とっても嬉しいよ」

 アスカはレイを抱えると頬擦りをしてホッペにキスをした。

「うん、アスカお姉ちゃん大好き〜」

 レイもお返しにアスカのホッペにキスをした。

「シンジお兄ちゃんも」

「えっ僕も」

 レイはシンジを呼び寄せるとホッペにキスをした。

「はい、シンジお兄ちゃんどうぞ」

「あ、うん」

 レイは頬を出してシンジのキスを待ったがシンジは少し躊躇った。

「何躊躇してんのよ、こんの位で緊張してどうすんのよ」

「あ、わかったよ」

 アスカに言われてレイの頬にキスをした。

「んふふ〜ありがとうシンジお兄ちゃん。次はシンジお兄ちゃんとアスカお姉ちゃんのキスだね」

「「え〜〜〜〜!!」」

 二人仲良くユニゾンである。

「濃いやつをどうぞ」

「な、ななななな何言ってんのよ」

「そ、そそそそそうだよレイちゃん」

「心配いらないからレイちゃんサンタさんが暖かく見守っていてあげる」

「あ、急用思い出したわ。じゃ、じゃあね」

 アスカは抱いていたレイを下ろすを光速でその場を立ち去った。

「アスカお姉ちゃん速過ぎ。シンジお兄ちゃん残念だったね」

「ざ、残念じゃないよ」

「今日は無理だったけど明日頑張ってね」

「な、何を言うんだい」

 シンジは耳まで真っ赤になった、その姿を見たレイはクスクスと笑った。

「頑張れ頑張れシンジお兄ちゃん〜」

「そ、そうだ洗濯物が干しっぱなしだったよ。じゃあね」

「あっ」

 シンジは顔を赤らめたままアスカと同じように光速でその場を立ち去るのであった。


 レイちゃんサンタのプレゼントは一枚の絵、三人の絵ですね(^^)

 ありがとうのキス、流石にシンジ君とアスカちゃんがするのは照れますね。このあと家に帰った二人は気まずそう(^^;)

「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


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