リツコおかあさんシリーズ

読書


「おっつかれ〜〜」

 アタシはネルフに来たら、いつも三時前にリツコの研究室へ行くわ。

「アスカお姉ちゃん、いらっしゃい」

「レイはいつも元気ねえ〜、リツコは?」

「おかあさんはオヤツの用意をしているよ」

「わお〜〜」

 三時前に来る目的は、ズバリオヤツ!今日のオヤツは何かしら?

「来たわね」

「ええ、来たわよ。今日のオヤツは何?」

「頂き物の羊かんよ」

「オ〜和菓子ね」

「アスカお姉ちゃん、変な言葉遣い〜」

「ついつい羊かんに興奮しちゃったのよ」

 お茶も用意されていて美味しそうだわ。

「シンジ君は?」

「多分後から来るんじゃない、来なかったらシンジの分も食べてあげるわよ」

「ダメよ、シンジ君の分は残しておくわよ」

「残念〜」

 バカシンジはまだ来ないのかしら?早く来ないとオヤツの時間が始まるじゃない。

「アスカお姉ちゃんは食べることばっかりだね」

「いいじゃない、そういうレイは何読んでいるのよ」

 今気付いたけど、レイは手に本を持っているわ。

「読書の秋だよ、読書の秋」

「ふ〜〜ん」

 アタシはレイから本を見せてもらったわ。

「な〜んだ絵本じゃない」

「絵本でも読書なの!」

 ふふレイったら、頬を膨らましたわ。

「アスカ、絵本でも侮れないわよ。これは漢字や英語も記されているのよ」

「へ〜最近の絵本は進んでいるのね」

 アタシは興味無いけどね。

「こんにちは〜」

「遅い!」

 シンジがようやくやって来たわ、遅すぎよ。

「ゴメンゴメン、ちょっとミサトさんに捕まっていたんだよ」

「それでもオヤツに一分は遅れているわよ」

「一分って・・・厳しいなあ」

 オヤツ時間に関しては厳しいのよ。

「シンジ君も来た事だし、いただきましょうか」

 さあオヤツ時間の始まりよ。




「美味しい〜〜」

 甘い羊かんに渋めのお茶が良く合うわ〜〜

「おやレイちゃんは何を読んでいるの?」

「読書の秋だから絵本を読んでいるの」

「へえ〜凄いねえ」

 そうかしら?凄くはないと思うんだけど。

「シンジお兄ちゃん、これは何て読むの?」

「どれどれ?へえ〜漢字が使われているんだ、これはね・・・」

 なっ・・・!読めない漢字を教えてもらうことによって密着できる・・・




シンジ〜この漢字よめな〜い


はっはっは、こんな簡単な漢字も読めないんだね


もう〜〜漢字が苦手だってしっているでしょう


はっはっは、ゴメンゴメン、つい意地悪しちゃったよ


もう〜〜シンジの意地悪


はっはっは、もっと意地悪しちゃおうかな


きゃっシンジったらえっち〜




 な〜〜んて事になっちゃたりして〜〜

「あっつう〜〜!」

「アスカ、お茶は入れたてだから注意しなさいって言ったでしょう」

「き、聞いてないわよ。熱ぅ〜」

 うっかりして舌を火傷してしまったわ。それに羊かんをよ〜かんで食べてる場合じゃないわ!

「ちょっと出かけてくるわ!」

「どこへ行くの?」

「すぐに戻ってくるわ、アタシの羊かんは取っておいて」

 アタシは光速で部屋を出て行ったわ。





「ただいま!」

「早かったわね。どこへ行ってたの?」

「秘密」

 リツコになんか教えられないわ。

「ねえシンジ〜」

「何アスカ?」

「この本、漢字が難しくて読めないの。教えて」

「いいよ」

 シンジに擦り寄って行くアタシ、リツコは呆れて見ているけど無視よ無視!

「この部分が読めないの、教えて」

 ミサトの部屋から適当に取ってきた本だけど、本当になんて読むかわからないわ。

「ええとね、これは・・・」

「シンジ〜どうしたの?早く教えてよ〜」

 アタシはシンジの耳元で囁いたわ。

 ブッシュウ〜〜!

「ああ〜シンジお兄ちゃんが鼻血を出しちゃった」

 ど、どうして鼻血なんか噴出するのよ。

「こ、これは過激すぎるよ・・・」

「シンジ!シンジ〜〜」

 ど、どうして鼻血を?もしかしてアタシの囁きが色っぽかったからかしら。

「アスカ、その本はミサトの部屋から持ってきたでしょう?」

「え、ええそうだけど、どうして知っているの?」

 どうしてリツコが知っているのかしら。

「その本のカバーはミサトがよく使っているからよ」

「そ、そうなんだ」

「カバーを取ってみなさい」

「カバーを?」

「レイはお母さんの所へ来なさい」

「は〜い」

 カバーを取ればいいのね。

「レイはまだ早いから見ちゃダメよ」

「ほえ?」

 リツコはレイの目を両手で塞いだわ。

「こ、これは!?」

 カバーを取った表紙には女性の裸が・・・何故に?

「官能小説よ」

「か、官能?」

 官能小説って、あのその、あんな事やこんな事が・・・

「ミサトは最近凝っているって言ってたのよね」

「いや〜〜〜!!」

 だからシンジは鼻血を出して死んだのね。そんなのとは知らずに、アタシったら恥ずかしいわ〜〜〜!


 読書の秋、アスカちゃんにとっては食欲の秋ですけど(^^;)

 ちょっと文学少女っぽくなってシンジ君とラヴラヴになろうとしましたけど、なれない事をするものではなかったです。
 
 「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


リツコおかあさんシリーズ 読書