リツコおかあさんシリーズ
張り合うアスカちゃん、その10
惣流・アスカ・ラングレー(十四歳)自称天才美少女アスカちゃん、常にNo.1になることを義務付けられた彼女は誰であろうと容赦はしない・・・
「シンジ〜レイ〜、ハンバーガーを食べに行くわよ」
葛城家のリビングでオママゴトをしていたレイちゃん(五歳)とシンジ君(十四歳にして主夫)にアスカちゃん(十四歳)は言いました。
「ハンバーガーかい、良いね〜」
「食べる食べる〜」
二人は大喜びです。
「フフフ、近くにハンバーガーショップができたのよ。そこのスペシャルバーガーの大きさが直径20センチあるのよ、これは食べておかないといけないでしょう」
「20センチ?それは食べておかないといけないね」
「私も食べる〜〜」
「レイちゃんに食べきれるかな〜〜?」
「食べきれるもん」
シンジ君(十四歳にして主夫)のからかいにレイちゃん(五歳)は頬を膨らましました。
「よ〜〜し〜それじゃあ食べに行きましょう」
「「「お〜〜」」」
三人は拳を突上げると気合を入れました。
レイちゃん(五歳)を真ん中にして左にはシンジ君(十四歳にして主夫)右にはアスカちゃん(十四歳)が仲良く手を繋いでハンバーガーショップに向かいます。
「「ふんふんふ〜〜ん」」
レイちゃん(五歳)とアスカちゃん(十四歳)は今から食べるハンバーガーを思い浮かべて鼻歌を歌いました。
「20センチもあるのかあ〜食べきれるかな」
「シンジお兄ちゃんは食べきれるよ、男の子だもん。私が食べきれなかったらあげるね」
「そうかい、ありがとう」
微笑みあうレイちゃん(五歳)とシンジ君(十四歳にして主夫)を見たアスカちゃん(十四歳)は・・・
(な、なんですって〜〜レイが食べきれなかったのをシンジが貰う〜〜?それって、かかかかかかかか間接キキキキキキキキッスになるじゃないのよ。くう〜〜〜羨ましい・・・じゃなくて、ええと、ええと)
言葉が思いつきません。
(そうだ、アタシも食べきれないって言えば・・・)
「シンジ〜〜」
「どうしたんだいアスカ?」
「ハンバーガーが食べきれないの」
「ボリュームがあるからね、アスカには無理だったかな」
「うん、頑張って食べようとしたんだけど、お腹いっぱいになっちゃった」
「はっはっは、無理しなくていいよ。僕が食べてあげるよ」
「でも〜〜」
「大丈夫だよ」
「シンジ・・・」
「アスカ・・・」
(この手でいきましょう!)
心の中でガッツポーズをするアスカちゃん(十四歳)は少し顔がにやけています。
「アスカ〜〜どうしたの?よだれたれているよ」
「えっ?あ、あれれ」
妄想の世界へ行っていたアスカちゃん(十四歳)は少しへっぽこでした。
「しょうがないなあ〜」
フキフキ
「あ、ありがとう」
シンジ君(十四歳にして主夫)は呆れながらもポケットからハンカチを取り出し、アスカちゃん(十四歳)の口元を拭いてあげました。
「アスカお姉ちゃんって子供〜〜」
「む〜〜アンタに言われたくないわよ」
どちらも子供です。
そして三人はハンバーガーショップに到着し、席に座りました。
「注文はこれで良いわね、飲み物は?アタシはコーラ-よ」
「僕はコーラ-」
「私はオレンジジュース」
「それじゃあスペシャルバーガー三つに、コーラ-二つにオレンジジュース一つね」
アスカちゃん(十四歳)は注文しました。
そして暫くして直径20センチのスペシャルバーガーが三人のテーブルに置かれました。
「うわ〜〜大きいね」
「食べきれるかな〜〜」
「食べきれるに決まっているでしょ、さあ食べるわよ」
アスカちゃんには食べきれるボリュームでしたが、先ほど思いついた最高の作戦があります。
(ふっふっふっふ、アスカ史上最大の作戦いくわよ!)
「「「いっただきま〜〜〜す」」」
三人はハンバーガーにかぶりつきました。
「「「美味しい〜〜」」」
三人とも同じ台詞が出ました。
「肉汁がジュワーって出てトマトの甘味とレタスの歯応えが良いね、それにドレッシングの自家製マヨネーズが合っているね」
シンジ君(十四歳にして主夫)はハンバーガーの分析をしました、流石主夫です。
「本当〜〜シンジお兄ちゃん美味しいね」
レイちゃん(五歳)は小さな口を大きく開けて一生懸命食べています。
「本当に美味しいわね、三個くらいは入っちゃうわね」
大食いのアスカちゃん(十四歳)も満足してかぶりついています。
モグモグ、モグモグ
「ありゃりゃ、マヨネーズが手についちゃった」
たっぷりかかっていたマヨネーズがパンから飛び出て、レイちゃん(五歳)の手にベットリと付きました」
「口の周りも付いているよ、拭こうね」
「うん」
シンジ君(十四歳にして主夫)は食べるのをやめると、レイちゃん(五歳)の手と口の周りを拭いてあげました。それを見ていたアスカちゃん(十四歳)は・・・
(う、ううううううううう羨ましいじゃないの!口と手を拭いてもらっているわ。くう〜〜〜レイのやつ考えたわね、わざと汚してシンジに拭いてもらうとは五歳児のくせになんて事を考えるのかしら)
考えていません、レイちゃん(五歳)は一生懸命食べていたら自然とついたのです。
「これで綺麗になったね」
「ありがとう〜〜」
(作戦変更よ、アタシも手や口にマヨネーズをつけてシンジに拭いてもらう、砂の嵐作戦へ変更!)
アスカちゃん(十四歳)の作戦は完璧なようです。
モグモグ、モグモグ、モグモグ
(ふっふっふ、手と口の周りにいっぱいついたわ、我ながら素晴らしい演技だわ)
「アスカお姉ちゃんもマヨネーズがついているよ」
「えっ?本当だわ」
気づいていない付利をしています。
「だらしないなあ〜ちゃんと食べなきゃダメだよ」
モグモグ、モグモグ
シンジは呆れると自分のハンバーガーを食べ続けました。
(はうっ!それだけ?それだけなの?ほらマヨネーズがついているでしょう、拭いて拭いてよ)
「はい、アスカお姉ちゃん、フキフキ、フキフキ」
レイちゃん(五歳)がアスカちゃん(十四歳)の口と手を拭いてあげました、その間シンジ君(十四歳にして主夫)はコーラ-を飲んでいました。
「綺麗なりました」
「レイちゃん偉いね」
「へへへ〜〜」
シンジ君(十四歳にして主夫)に頭を撫でられレイちゃん(五歳)は満足です。しかしアスカちゃん(十四歳)は・・・
(どうして・・・どうしてレイが拭くのよ〜〜〜〜〜!!)
叫びたかったのですが叫べずガックリ肩を落とすアスカちゃん(十四歳)でした。
アスカちゃんのへっぽこお話し第十弾です(笑)
ハンバーガーを食べに行った三人、そこでアスカちゃんは食べきれないからシンジ君に食べてもらう「史上最大の作戦」から手や口についたマヨネーズをシンジ君に拭き取ってもらう「砂の嵐作戦」に変更しましたが(^^;)
レイちゃんに拭かれて作戦は失敗に終りました。
「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
リツコおかあさんシリーズ 張り合うアスカちゃん、その10