リツコおかあさんシリーズ
張り合うアスカちゃん、その11
惣流・アスカ・ラングレー(十四歳)自称天才美少女アスカちゃん、常にNo.1になることを義務付けられた彼女は誰であろうと容赦はしない・・・
「シンジお兄ちゃ〜〜ん」
「やあレイちゃん」
ネルフ、シンジ君(十四歳にして主夫)が自販機のベンチで休んでいるところにレイちゃん(五歳)が走って来ました。
「ねえお腹すいていない?」
「お腹かい?ちょっと空いたかなあ」
シンジ君(十四歳にして主夫)はトレーニングが終わったところなので少しお腹が空いていました。
「じゃあこれあげるね」
レイちゃん(五歳)は小さなピンク色のお弁当箱をシンジ君(十四歳にして主夫)に手渡しました。
「お弁当かい」
「うん、開けてみて」
シンジ君(十四歳にして主夫)はお弁当を開けてみました。
「うわ〜美味しそうだね」
「頑張って作ったの」
お弁当の中身はオニギリでした。一口サイズの丸いオニギリが並んでいました。
「レイちゃんが作ったの〜凄いね」
シンジ君(十四歳にして主夫)は素直に驚きました。
「食べて食べて〜」
「それじゃあいただこうかな、いただきます」
シンジ君(十四歳にして主夫)は手を合わせるとオニギリを一つ口に入れました。
「どう?」
「うん、美味しいよ。握り方が硬すぎずに柔らかすぎず、ちょうどいいよ」
「えっへっへ〜〜喜んでもらえてよかった」
レイちゃん(五歳)は満足のようです、満面の笑みでした。
「もう一個貰っていいかな?」
「うん、ぜ〜〜んぶ食べてね」
シンジ君(十四歳にして主夫)はもう一つオニギリを口に入れました。
「うん、おいしいおいしい」
頷いて満足です。
「あっホッペにご飯がついている」
レイちゃん(五歳)はシンジ君(十四歳にして主夫)のホッペにご飯粒がついているのを見つけると、取って自分の口に入れました。
「お弁当付けちゃってたのかあ、恥ずかしいなあ〜」
「急いで食べたら喉に詰まらすよ」
「レイちゃんのオニギリがおいしいからついつい急いでしまうよ」
「それじゃあ毎日作ってあげる」
「毎日かい、それじゃあお願いしようかな」
微笑ましい二人のやり取りを通路の角から見ている青い瞳がありました。
(くう〜〜〜レイのやつ、オニギリなんか作って〜〜それに何がご飯粒よ、くさい芝居してんじゃないのよ、ドラマじゃないのよ)
アスカちゃん(十四歳)でした。レイちゃん(五歳)より先にシンジ君(十四歳にして主夫)を見つけて近寄ろうとしましたが遅かったようです。
(それにバカシンジも毎日作ってもらうですって?それってプロポーズOKってことじゃないのよ)
激しく勘違いしています。
(こうなったらアタシだって)
アスカちゃん(十四歳)は何かを思いついたようで通路を走り去っていきました。
「オニギリがなによ!アタシだって作れるんだからね」
アスカちゃん(十四歳)は食堂の厨房に居ました。目の前には電子ジャーがありホカホカのご飯が炊けているようです。
「よしっ作るわよアスカ!」
アスカちゃん(十四歳)はエプロンを身につけ三角巾を被ると気合を入れました。
「ちょええええ〜〜!」
厨房にアスカちゃん(十四歳)の声が響き渡ります。
「きえええ〜〜!」
声が響き渡るたびにオニギリを握っていきました。
「きょえええ〜〜〜!」
「よ〜〜し、完成よ。ちょっと形は歪だけど愛情がこもっているから絶対に美味しいわ!」
アスカちゃん(十四歳)が作ったオニギリの形は角が五つある星でした。どうやってこんな形になったのでしょうか。
「さあ、シンジにやりに行くわよ!」
アスカちゃん(十四歳)はエプロンと三角巾を身につけたまま自販機に向かって走り出しました。
(うふふ、これを食べたら・・・)
「シンジ〜〜美味しい?」
「うん美味しいよ」
「よかった、自信がなかったの」
「そんな事ないよ、アスカの作ったものは美味しいよ」
「ありがとうシンジ、あっホッペにご飯粒がついているわ」
チュッ
「最高よ〜〜〜!」
妄想は頂点を向かえ自販機に着きました、そこにはまだシンジ君(十四歳にして主夫)がまだ休憩していました。
「シンジ〜」
「あれアスカ、どうしたの?エプロンなんかして珍しいね」
「アタシだってエプロンくらいするわよ、それよりこれ食べて」
アスカちゃん(十四歳)はシンジ君(十四歳にして主夫)にオニギリを詰めたお弁当箱を渡しました。
「お弁当かい、でもさっきレイちゃんからオニギリを貰ってお腹一杯なんだ」
「いいから食べなさい」
「は、はい!」
アスカちゃん(十四歳)の声には殺気がありました。シンジ君(十四歳にして主夫)は逆らったら殺されると直感しました。
「う、うわ〜〜個性的なオニギリだね」
「うふふ、そうかしら?一生懸命作ったのよ」
「そ、そうなんだ」
アスカちゃん(十四歳)は満面の笑み、シンジ君(十四歳にして主夫)は半笑いで冷や汗をかいていました。
「食べて食べて〜〜絶対に美味しいわよ」
「う、うん。いただきます」
シンジ君(十四歳にして主夫)は一度つばを飲み込むと意を決してオニギリを食べました。
ガチッ!
「いたっ!アスカこれ握り過ぎて石のように硬いよ」
「えっ?うそ」
「ほら」
コンコン
シンジ君(十四歳にして主夫)はオニギリ同士を叩き合わせると乾いた音が通路に響き渡りました。
「流石にこれは食べきれないよ」
「そ、そんな〜〜〜」
せっかく作ったオニギリが無駄になりガックリ肩を落とすアスカちゃん(十四歳)でした。
アスカちゃんのへっぽこお話し第十一弾です(笑)
レイちゃんの作ったオニギリ、シンジ君は満足ですね。これなら毎日食べても良いでしょうね。
その様子を盗み見ていたアスカちゃんは対抗意識を燃やします。そして自分も作ってシンジ君に食べてもらいましたら・・・(^^;)
「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
リツコおかあさんシリーズ 張り合うアスカちゃん、その11