リツコおかあさんシリーズ

張り合うアスカちゃん、その12

 惣流・アスカ・ラングレー(十四歳)自称天才美少女アスカちゃん、常にNo.1になることを義務付けられた彼女は誰であろうと容赦はしない・・・






 雨上がりの午後、シンジ君(十四歳にして主夫)とアスカちゃん(十四歳)とレイちゃん(五歳)はお散歩にでかけました。

「ぴょんぴょんぴょん」

 横断歩道を渡る時、レイちゃん(五歳)はリズム良く白線を踏んでいきました。

「おっレイちゃん上手だね」

「えっへっへ、横断歩道を渡るときはね〜白い線だけを踏んで渡れば良い事があるんだよ」

「そうなんだ、じゃあ僕も白線を踏んじゃおうかな」

 シンジ君(十四歳にして主夫)もレイちゃん(五歳)と同じように白線だけを踏んで渡りました。その様子を見ていたアスカちゃん(十四歳)は・・・

(ぬあにが白線だけを踏めば良い事があるですって〜?レイ〜かかとが少しはみ出ているわよ)

 レイちゃん(五歳)のかかとが微妙に白線から出ているのを見逃さないアスカちゃん(十四歳)負けず嫌いです。

(アタシはちゃあんと白線だけを踏んで渡れるんですからね。ぴょ〜〜んぴょん)

 アスカちゃん(十四歳)は自慢の脚力を生かして優雅にジャンプ、そして白線に降り立とうとしていました。

(うふふ〜〜どうかしら?この優雅なジャンプ力、空中に静止している時間が長いわ、まさにエアアスカね)

「あ、アスカ危ない!バナナの皮が」

「え、ええ?きゃあ!!」

 ドッス〜〜ン!

 アスカちゃん(十四歳)が着地した白線にはなぜかバナナの皮が捨ててありました。そして尻餅をついて大きな音を立てました。

「イッタ〜〜〜どうしてこんなところにバナナの皮が捨ててあるのよ!」

 お尻をさすりながらバナナの皮を恨めしそうに見つめて遠くに投げ捨てました。

「アスカお姉ちゃん、ちゃんと見なきゃ危ないよ」

「わかっているわよ〜いたたた」

 声を上げるたびにお尻に痛みが走りました。

(トホホ、お尻が痛いわ。あざになっていませんように)











「じゃあ〜〜んぷ!」

 雨上がりなので道には水溜りが所々にありました。レイちゃん(五歳)は小さな水溜りを大きな掛け声と共に飛び越しました。

「おっレイちゃん上手だね」

「えっへっへ、このくらいの水溜りなら飛べちゃうよ」

「凄いなあ、僕も飛んじゃうぞ〜」

 シンジ君(十四歳にして主夫)もレイちゃん(五歳)と同じように水溜りを飛び越しました。その様子を見ていたアスカちゃん(十四歳)は・・・

(ぬあにがこのくらいの水溜りよ!そんなのアタシなら一跨ぎで行けるわよ)

 レイちゃん(五歳)の身長を考えていません。アスカちゃん(十四歳)は自分の跳躍力を見せ付けるために大きな水溜りを探しました。

(ええとええと〜〜あっあそこに大きな水溜りがあるわ)

 アスカちゃん(十四歳)の瞳が輝きました。

「レイ〜見てなさい。あの大きな水溜りを飛んでみせるわよ」

「本当?アスカお姉ちゃん凄い」

「アスカ〜やめなよ、危ないよ」

 シンジ君(十四歳にして主夫)はアスカちゃん(十四歳)が指さした水溜りを見て飛び越えるには少し無理だと感じました。

「だ〜〜いじょうぶよ。アタシは天才美少女アスカ様よ!あんな水溜りなんか白鳥の湖で飛び越せるわ」

 アスカちゃん(十四歳)は気合を入れると走り出しました。

(着地地点にはバナナの皮はない!さあアタシの美麗な跳躍をみてなさい、そして驚きなさい、アタシにひれ伏しなさい!オ〜〜〜ホッホッホ

 ジャンプ一番、アスカちゃん(十四歳)はスカートをなびかせ水溜りを飛び越し・・・

 ビチャ!

「うえっ!」

 飛び越すにはあと一歩足りませんでした。見事水溜りに着地して靴が濡れてしまいました。

「うええ〜ぐちゅぐちゅする〜〜」

「だから言ったのに」

 シンジ君(十四歳にして主夫)は呆れてしまいました。

「アスカお姉ちゃん、靴下までびちょびちょだよ」

「気持ち悪〜〜い」

 歩くたびに靴から水が少量ずつ滲み出てきます。足が冷たくて泣きそうになります。

「公園で一休みしようか」

「うん」

 歩く気力を無くしたアスカちゃん(十四歳)はシンジ君(十四歳にして主夫)とレイちゃん(五歳)に手を引かれ近くの公園へ向かいました。










「早く乾いて〜」

 アスカちゃん(十四歳)ベンチに腰を下ろし、靴を脱いで靴下を絞りました。

「アスカ〜無茶な事したらもうダメだよ」

「うん」

 ジュースを買ってきたシンジ君(十四歳にして主夫)はアスカちゃん(十四歳)に渡しました。

「あ〜アイス食べてる」

 一緒にジュースを買いに行っていたレイちゃん(五歳)はソフトクリームを買ってもらっていました。

「冷たくて美味しいの〜」

「アタシもアイスが良かったな〜」

「手が汚れているだろう、アイスはまた今度ね」

「トホホ」

 汚れた手を見つめ肩を落すアスカちゃん(十四歳)でした。


 アスカちゃんのへっぽこお話し第十二弾です(笑)

 雨が上がった午後にお散歩をする三人、仲良しです。

 いつものようにレイちゃんに対抗意識を燃やすアスカちゃん、バナナの皮で滑ったり水溜りに着地したりとへっぽこ健在です(^^;)

 大好物のアイスが食べれなくて残念でした。

「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


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