リツコおかあさんシリーズ

張り合うアスカちゃん、その13

 惣流・アスカ・ラングレー(十四歳)自称天才美少女アスカちゃん、常にNo.1になることを義務付けられた彼女は誰であろうと容赦はしない・・・






「シンジお兄ちゃ〜ん、アスカお姉ちゃ〜ん」

 ネルフの通路を歩いていたシンジ君(十四歳にして主夫)とアスカちゃん(十四歳)は後ろから聞える声に振り向きました。

「やあレイちゃん」

「見て見て〜凄いでしょう」

 振り向いた先にはレイちゃん(五歳)が一輪車に乗りながらやって来ました。

「一輪車じゃない、どうしたの?」

「おかあさんに買ってもらったの」

 二人の近くまで乗ってきたレイちゃん(五歳)は一輪車から降りると、買ってもらった事を自慢しました。

「へえ〜買ってもらったんだ、いいなあ」

「えっへっへ〜いいでしょう〜シンジお兄ちゃんにも貸してあげるね」

「残念だけど僕は一輪車に乗れないんだよ」

 シンジ君(十四歳にして主夫)頬を人差し指でかきながら苦笑しました。

「え〜乗れないの?ちょっと練習すれば乗れるようになるよ」

「小学生の頃に練習したんだけど残念ながら乗れなかったんだよ」

「そうなの?じゃあ乗れる私は凄い?」

「うん、レイちゃんは凄いよ。撫で撫でしてあげるね」

 シンジ君(十四歳にして主夫)はレイちゃん(五歳)の頭を優しく微笑んで撫でました。その光景をコブシを強く握り締めながら見ている青い瞳がありました。

(くう〜レイのやつ〜シンジに撫で撫でしてもらって羨ましいじゃなくて、一輪車に乗れるくらいで撫で撫でなんて百年早いわ。それならアタシだって・・・)

「レイ、アタシに一輪車貸して」

「アスカお姉ちゃん乗れるの?」

「モチロン!ドイツでは一輪車乗りの華麗なる美少女、サラサラヘアーが素敵なアスカって呼ばれていたのよ」

「アスカ・・・ネーミングが長すぎるよ」

 胸を張って自慢するアスカちゃん(十四歳)にシンジ君(十四歳にして主夫)は呆れながら呟きました。

「へえ〜アスカお姉ちゃん凄いんだ〜」

「ええ、当然よ!」

 アスカちゃん(十四歳)一輪車をかりるとジッとサドルを見つめました。

(の、乗った事ないけど大丈夫よね、レイだって乗れるんですもの)

 内心ドキドキで手に汗を握っているアスカちゃん(十四歳)は深呼吸をすると一輪車に乗りました。

「きゃあ!」

 ドッテ〜〜〜ン!

「アスカ大丈夫?」

「アスカお姉ちゃん」

 アスカちゃん(十四歳)はサドルに座れましたが、こぐ事ができずにそのまま前方に顔から倒れこみました。

「いたいたた、鼻がいたい〜」

 顔を上げたアスカちゃん(十四歳)の鼻の頭は真っ赤になって涙目になっていました。

「アスカ〜乗れないなら無理しなくていいよ」

 シンジ君(十四歳にして主夫)はアスカちゃん(十四歳)を立ち上がらせるとレイちゃん(五歳)聞えないように呟きました。

「む、無理なんかしてないわよ!」

 否定をしますが、シンジ君(十四歳にして主夫)にはお見通しです。

「アスカお姉ちゃん乗れないの〜?」

 レイちゃん(五歳)は乗れなかった事を疑問に思っています。

「そ、それは・・・」

「レイちゃん、アスカはねドイツの一輪車じゃなかったから乗れなかったんだよ。この一輪車は日本製でしょう、だから乗れなかったんだよ」

 口篭るアスカちゃん(十四歳)をフォローするシンジ君(十四歳にして主夫)は微笑みました。

「そうなんだ〜残念」

「今度ドイツから一輪車を持ってくるからその時見せてあげるね」

「えっシンジ?」

 シンジ君(十四歳にして主夫)の発言にアスカちゃん(十四歳)は驚きました。

「今度一緒に練習しようね」

「う、うん」

 耳元でささやくシンジ君(十四歳にして主夫)にアスカちゃん(十四歳)は笑顔で大きく頷きました。


 アスカちゃんのへっぽこお話し第十三弾です(笑)

 一輪車に乗れるレイちゃんを褒めるシンジ君、微笑ましい光景ですがアスカちゃんは不服です。

 自分も乗れると豪語しましたが、残念ながら乗れませんでした。でもシンジ君との練習が約束されました(^^)

「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


リツコおかあさんシリーズ 張り合うアスカちゃん、その13