リツコおかあさんシリーズ

張り合うアスカちゃん、その5

 惣流・アスカ・ラングレー(十四歳)自称天才美少女アスカちゃん、常にNo.1になることを義務付けられた彼女は誰であろうと容赦はしない・・・






「シンジお兄ちゃん、疲れちゃったおんぶして〜〜〜」

 散歩の途中でレイちゃん(五歳)はシンジ君(十四歳にして主夫)のズボンを引っ張りながら言いました。

「疲れちゃったの?」

「うん、疲れちゃったの・・・」

 コクリと頷き力なく答えるレイちゃん(五歳)体型、体力が違うので仕方がありません。

「休憩するところもないし、はいレイちゃん乗って」

「うん」

 休憩できる場所はもう少し先、レイちゃん(五歳)はもう歩ききれないようで座り込んでしまいました。シンジ君(十四歳にして主夫)はしゃがむとレイちゃん(五歳)をおんぶしました。

「もう少し先に休憩所があるから我慢してね」

「シンジお兄ちゃんの背中だから大丈夫だよ」

「ふふ、レイちゃん元気だね」

 微笑あう二人、仲が良い兄妹である。その微笑ましい光景を見つめる瞳が・・・

(む〜〜〜〜っ!!レイの奴、シンジにおんぶしてもらって羨ましい・・・じゃなくてなんてちゃっかりしてるわね)

 アスカちゃん(十四歳)はおんぶされているレイちゃん(五歳)を見て思いました。

(疲れてるですって〜〜?嘘おっしゃい!)

 レイちゃん(五歳)は疲れています。

(なんでシンジの背中が大丈夫なのよ!)

 レイちゃん(五歳)には大きな背中です。

(わかったわ、これはレイのシナリオね。疲れたふりをしておんぶをしてもらう。五歳児のくせしてなんて緻密的計画かしら、末恐ろしいわ)

 恐ろしくもなんともありません、レイちゃん(五歳)はただ疲れただです。考えるアスカちゃん(十四歳)の方が恐ろしいかも・・・

(これは教育上よくないわ、まったくリツコはどんな教育をしているのかしら?)

(それにしても・・・アタシもおんぶしてもらいたいわ)

 アスカちゃん(十四歳)もおんぶをしてもらいたいようです。レイちゃん(五歳)を羨ましく見つめました。

(何て言っておんぶしてもらおうかしら?『シンジッ!アタシをおんぶしなさい』かしら?・・・ちょっと違うわね。やっぱりレイと同じように・・・)

「シンジ〜疲れちゃった、おんぶ〜〜〜」

 レイちゃん(五歳)と同じようにアスカちゃん(十四歳)はその場に座り込んでしまいました。

「疲れた〜?」

「うん疲れた〜おんぶ〜」

 疲れていません、本当に疲れているのはレイちゃん(五歳)をおんぶしているシンジ君(十四歳にして主夫)です。

「やだよ〜アスカ重たいし」

 ボグッ!

「あ・・・あうう・・・」

 アスカちゃん(十四歳)の力のこもったパンチがシンジ君(十四歳にして主夫)のみぞおちにはいりました。シンジ君(十四歳にして主夫)はその場に崩れ落ちました。

「シンジ〜〜〜、アンタ乙女に言ってはいけない言葉を言ったわね」

「い、痛いじゃないかアスカ〜」

「シ、シンジお兄ちゃん大丈夫?」

 拳が燃えているアスカちゃん(十四歳)そして心配するレイちゃん(五歳)

「だ、大丈夫だよ」

「アスカお姉ちゃん、ひどい!シンジお兄ちゃん死んじゃうよ」

「そのくらいじゃ死なないわよ、ちゃんと急所は外しておいたわ」

「そうなんだ、良かった」

 ホッとするレイちゃん(五歳)、でもシンジ君(十四歳にして主夫)は死にそうです。

「さあシンジッ、死にたくなかったらおんぶしなさい」

「わ、わかったよ。レイちゃんごめんね、降りてくれるかな」

「うんわかった」

 命令形になっているアスカちゃん(十四歳)ここで断れば命がありません。

「よいしょっと、あ〜〜〜楽ちん楽ちん〜〜」

「うぐっ・・・」

 おんぶしてもらったアスカちゃん(十四歳)は嬉しそうですが、シンジ君(十四歳にして主夫)は死にそうです。

「アスカお姉ちゃん、なんだか赤ちゃんみたい」

「な〜〜に言ってんの、アンタの倍以上生きているのよ」

「でも赤ちゃんだ、アスカ赤ちゃん」

「へへ〜〜〜ん、楽ちん楽ちん〜〜〜シンジ〜〜走りなさ〜〜〜い」

「う、うぐう・・・」

 おんぶをしてもらったのでとてもご機嫌なアスカちゃん(十四歳)でした。


 アスカちゃんのへっぽこお話し第五弾です(笑)

 今回の勝負、アスカちゃんの勝ち?(違いますね)無理やりおんぶさせたので反則負けでしょう。

 いつになったらアスカちゃんはレイちゃんに勝てるんでしょうね。

「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


リツコおかあさんシリーズ 張り合うアスカちゃん、その5