リツコおかあさんシリーズ

張り合うアスカちゃん、その8

 惣流・アスカ・ラングレー(十四歳)自称天才美少女アスカちゃん、常にNo.1になることを義務付けられた彼女は誰であろうと容赦はしない・・・






「シンジお兄ちゃん、ほら見て〜〜」

「ん、どうしたの?」

 ネルフ、休憩所で休んでいたシンジ君(十四歳にして主夫)を見つけたレイちゃん(五歳)は自分の足元を指差しました。

「ほら、お靴買ってもらったの」

 レイちゃん(五歳)の足にはまだ汚れていない新品のスニーカーが履かれていました。

「へえ〜〜スニーカーなんだ」

 椅子に腰掛けると靴紐を解きました、そして・・・

「んしょ、んしょ、んしょっと。ほら蝶結びもできるの」

「ホントだ、凄いなあ〜」

 シンジ君(十四歳にして主夫)は驚きました、自分が五歳の頃は蝶結びが出来なかったからです。

「凄い?」

「うん凄いよ、撫で撫でしないとね」

 なでなで、なでなで

「やったあ〜〜」

 シンジ君(十四歳にして主夫)頭を撫でられて喜ぶレイちゃん(五歳)を通路の影から見つめる妖しい瞳が・・・

(フンッな〜〜にが蝶結びよ、そのくらいアタシにだって出来るわよ。ようしっ)

 瞳はアスカちゃん(十四歳)でした、そして気合を入れると二人に近づいていきます。


「あ、アスカお姉ちゃん」

「やあアスカ」

「あら、二人ともこんな所に居たんだ、何してたの?」

 先ほどまでずっと見ていたので二人が何をしていたのか知っていますが質問しました。

「レイちゃんがね、靴紐をちゃんと蝶結びできるんだよ、凄いよね」

「うん、私凄いの」

「ふ〜〜ん、でもちょっとバランスが割るいわね。こうやるのよ」

 レイちゃん(五歳)の蝶結びは左右の輪の大きさが違っていました。アスカちゃん(十四歳)はそれを解くと結び始めました。

(ふっふ〜〜ん、レイより綺麗に結んでシンジに沢山撫で撫でしてもらおうっと)

 野望で瞳が光るアスカちゃん(十四歳)でしたが・・・

「あ、あれ?」

 超結びのはずが固結びになってしまいました。

「アスカお姉ちゃん、違〜〜〜う」

「ちょ、ちょっと目に汗が入ったのよ」

 空調設備は整っているので汗はかきませんがアスカちゃん(十四歳)は額に薄っすらと汗をかいていました。

(ええい、どうしてこうなるのよ。こうしてこうしてこう・・・)

「ほら出来たわ」

 所要時間三分、アスカちゃん(十四歳)は満足したのか爽やかな笑顔でした。

「うん、でも時間がかかりすぎだよ。結ぶのにどうして三分もかかるの?すぐできるのに、ほら」

 シンジ君(十四歳にして主夫)はアスカちゃん(十四歳)が苦心して結んだ紐を解き、わずか一秒で結びました。

「わあ〜シンジお兄ちゃん早〜い」

 早業にレイちゃん(五歳)は拍手です。

「う・・・あっ、用事思い出したわ。じゃあね〜〜」

 アスカちゃん(十四歳)は腕時計を見ると、速攻でその場から立ち去りました。



(くう〜〜〜頭撫で撫でが〜〜〜)

 アスカちゃん(十四歳)の野望は脆くも崩れ去りました。


 アスカちゃんのへっぽこお話し第八弾です(笑)

 靴を買ってもらったレイちゃん、嬉しくてシンジ君に見せましたね。そして驚くべき事に靴紐を結べる、これにはシンジ君も関心しましたね。

 そしてアスカちゃんは・・・(^^;)シンジ君に撫で撫でしてもらう日は来るのでしょうか。

「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


リツコおかあさんシリーズ 張り合うアスカちゃん、その8