リツコおかあさんシリーズ

張り合うアスカちゃん、その9

 惣流・アスカ・ラングレー(十四歳)自称天才美少女アスカちゃん、常にNo.1になることを義務付けられた彼女は誰であろうと容赦はしない・・・






「シンジお兄ちゃん、抱っこして〜」

 葛城家に遊びにきていたレイちゃん(五歳)はリビングで家計簿を付けていたシンジ君(十四歳にして主夫)の背中に抱きつきました。

「おやおやどうしたんだい?いきなり抱っこだなんて」

「何だかね〜抱っこしてもらいたくなったの。ねえ〜抱っこして〜」

「ふふふレイちゃんは甘えん坊さんだなあ」

 擦り寄ってくるレイちゃん(五歳)にシンジ君(十四歳にして主夫)は思わず微笑みました。

「ダメなの?」

「ん〜〜どうしようかな〜?」

「抱っこして〜〜してくれないとチュ〜〜するよ」

 レイちゃん(五歳)は小さな唇を尖らすとシンジ君(十四歳にして主夫)の頬に近づきました。

「チュ〜するの?」

「うん、チュ〜しちゃうの」

「ははは、レイちゃんはおませさんだなあ」

 シンジ君(十四歳にして主夫)はレイちゃん(五歳)を膝の上に乗せると頭を撫でました。

「うん私おませさんなの、抱っこして〜〜」

「しょうがないなあ〜よいしょっと」

 レイちゃん(五歳)の背中と膝を持ち上げるとお姫様抱っこをしました。

「これで良いかい?」

「うん、それでね歩いて〜」

「歩くの?」

「うんっ!」

 シンジ君(十四歳にして主夫)はテーブルの周りを歩きました、レイちゃん(五歳)は大喜びです。その微笑ましい光景を見つめる妖しい瞳がありました。

(くう〜〜レイの奴、シンジに抱っこしてもらえるなんて羨ましい・・・じゃなくてアタシの下僕を使うなんて)

 瞳の正体はアスカちゃん(十四歳)でした。二人に見つからないように気配を消してずっと見ていました。

(あ〜〜レイの奴楽しそうにしてる、いいなあ〜〜アタシも・・・)

 微笑ましい光景を見ていると羨ましくなってきました。




「ねえシンジ」


「なんだいアスカ」


「抱っこしてくれる?」


「抱っこかい?」


「うん、ダメ?」


「ダメじゃないよ、大歓迎さ」


「本当?でもアタシ重いわよ」


「重くなんかないよ、アスカは軽いよ」


「お世辞でも嬉しいわ」


「お世辞なんかじゃないよ、本当の事だよ」


「シンジ・・・」


「さあアスカ、抱っこしてあげるよ。こっちにおいで」


「うん」


「僕の可愛いお姫様、大好きだよ」


「アタシもよ、シンジ」








最高だわ!

 妄想していたアスカちゃん(十四歳)、最高のシナリオが完成したようです。

(ようし行くわよアスカ!)

 いざリビングに出陣です。

「あ、あれ?シンジ〜レイ〜」

「クエ?」

 しかしリビングに二人の姿はありませんでした。かわりにペンペンがTVを見ていました。

「ねえペンペン、シンジとレイは知らない?」

「クエクエクワクワ」

「な、なんですって〜〜!買い物に行ったって〜〜?」

「クエッ」

 凄い事にペンペンと会話ができるアスカちゃん(十四歳)は二人が買い物に出かけた事を知りました。

「ア、アタシの計画が〜〜」

 へなへなと力なくその場に座り込むアスカちゃん(十四歳)はがっくり頭を垂れました。


 アスカちゃんのへっぽこお話し第九弾です(笑)

 抱っこしてもらったレイちゃん、嬉しいですね(^^)シンジ君も小さなお姫様の頼みごとは断りきれませんね。

 その光景を見ていたアスカちゃんはやっぱり羨ましくなりますね。シンジ君に抱っこをしてもらおうと計画を立てますが・・・二人は買い物に行ってしまいました(^^;)

「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


リツコおかあさんシリーズ 張り合うアスカちゃん、その9