リツコおかあさんシリーズ

向日葵

「おかあさん、ほら向日葵がいっぱい咲いているよ」

「いっぱいで綺麗ね〜〜」

 リツコは休憩時間レイと一緒に加持のスイカ畑に来ていた。その傍らには沢山の向日葵が咲いていた。

「すごいすごいすご〜〜い、全部が私より大きいよ」

「大きいわね、レイの倍以上あるわね」

 レイは首が痛くなるくらい顔を上に向け向日葵を見つめた、全ての向日葵がレイより高い。




「あら二人も来てたの」

 そこへアスカとシンジがやって来た、二人も休憩中である。

「ええ、一休みよ」

「わあ〜シンジお兄ちゃん、アスカお姉ちゃん」

「お〜レイちゃんはいつも元気だね」

 レイはシンジの胸に飛びついた。

「ほら、向日葵が凄く高いの、肩車して〜」

「いいよ」

 シンジはレイを肩車すると向日葵に近づいた。

「わあ〜おっきい〜〜」

 花の大きさと手の大きさを比べたら花のほうがはるかに大きかった。

「シンジお兄ちゃん、次はこの向日葵が見たい〜」

「そっちだね」

 レイが指を差した方に移動した。

「レイ、シンジ君が疲れるでしょう、降りなさい」

「大丈夫ですよ」

「ごめんなさいね」

 リツコの苦笑いにシンジは微笑んで答えた。

「これもおおきい〜〜花びら一枚〜」

 花びらを一枚取ると香りをかいだ。

「香りはするかい?」

「う〜〜ん、しないよ」

 何度も嗅いでみるが香りはしなかった。

「よ〜〜し、満足満足〜〜〜降ろしていいよ」

「もういいのかい?」

「うん、ありがとうシンジお兄ちゃん」

 シンジはゆっくりしゃがんでレイを地面に降ろした。

「おかあさん、花びらがまっき黄色〜〜」

「鮮やかで綺麗ね」

 レイは嬉しくなって花びらを見せるのであった。



「シンジ、アタシも肩車して」

「どうして?」

「アタシも直に見たいのよ」

 本音は花よりも肩車をしてもらいたいのである。

「とどかないの?」

「見りゃわかるでしょ」

「じゃあジャンプで」

「できるかあ〜〜!」

 本当はジャンプできるのだか、それでは肩車をしてもらえない。

「だから肩車〜〜」

「だってアスカ重・・・うぐっ」

 ボクッ!

 シンジの腹部に激痛が走った。アスカの見えないこぶしが決まったのである。

「その先言ったら殺すわよ」

「もう死んでるよ〜〜」

「シンジお兄ちゃんかわいそう」

「不憫ねえ〜」




「さあ肩車しなさい」

「わかったよ」

 シンジは渋々しゃがんで肩車をした。

「さあ立ちなさい」

「う、うん」

 よろめきながら気合を入れて立ち上がった。

「うお〜〜!」

「やればできるじゃない、う〜〜ん見晴らしがいいわね」

 向日葵を見ずに周りを見回した。

「アスカお姉ちゃん向日葵は見ないの?」

「今から見るわよ。シンジ移動しなさい」

「う、うん」

 足がふらつきながら移動するが・・・

「うわ、とっとっと」

「こらシンジッ!ちゃんと歩きなさいよ」

「あ、うん。でも・・・あ〜〜〜」

「きゃあ〜〜」

 シンジの足がもつれてバランスを崩した。

 ドッス〜〜ン!

「シンジお兄ちゃん、アスカお姉ちゃん」

「シンジ君、アスカ!大丈夫?」

 大きな音がして土煙が舞った。

「いった〜〜〜もうバカシンジ!ちゃんとバランス取りなさいよね」

 尻餅をついたアスカは痛そうにお尻をさすった。

「アスカ〜〜苦しいよ〜〜」

 一方のシンジは・・・

「きゃっシンジのエッチ、何してんのよ」

「くるしい〜〜」

 アスカのお尻の下にシンジの顔があり窒息寸前であった。

「もうスケベシンジ!」

「はあ〜苦しかった」

 お尻を顔からどけてもらい新鮮な空気を肺に入れた。

「アスカ、シンジ君に感謝しなさいよ。シンジ君が受け止めていなかったら大怪我していたわよ」

「うん、わかっているわ」

 シンジがクッション代わりになったのでアスカは大怪我をしなくてすんだ。

「シンジごめんね、ありがとう」

 アスカは照れくさそうに人差し指をモジモジしながら小声で言った。

「いいよ、アスカが怪我しなくてよかったよ」

 顔が真っ赤にで痛々しかったが気にしていなかった。

「シンジ・・・」

 シンジの微笑みにアスカの頬はほんのり桜色になった。

「ちなみにシンジお兄ちゃん、アスカお姉ちゃんのお尻は柔らかかったの?」

「うん、柔らかかったよ」

 レイの質問に素直に答え・・・

このバカシンジ〜〜〜逝ね!

 ドコ〜〜〜ン!

あ〜〜〜れ〜〜〜!

 アスカの強烈な蹴りでシンジはスイカ畑の遥か地平線へ消えていくのであった。


 仕事の休憩は外が良いですね。リツコさんとレイちゃんは向日葵畑をお散歩、シンジ君とアスカちゃんもお散歩でした。

 肩車してもらったレイちゃんに感化されてアスカちゃんもしてもらいましたが、重(^^;)

 痛かったですけどシンジ君には嬉しかったですね。

「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


リツコおかあさんシリーズ 向日葵