リツコおかあさんシリーズ

かけっこ

「シンジお兄〜ちゃん」

 ネルフの通路を歩いていたシンジの後ろからレイが飛びついた。

「おっとレイちゃんかい、今日も元気がいいね」

 レイを背中から下ろすと微笑んで頭を撫でた。

「うん、今日も凄く元気なの、たくさ〜〜んたくさ〜〜ん元気なの」

「レイちゃんは偉いね」

 本日も気温が高く、夏バテ気味のシンジはうらやましく思った。

「どうして偉いの?」

「それはね、僕は夏バテ気味で元気が無いんだよ。元気があるレイちゃんは偉いんだよ」

「本当?私偉いの?」

「うん偉いよ」

 レイの喜ぶ姿に元気が回復しそうなシンジであった。







「今日はね、シンジお兄ちゃんに挑戦しにきたの」

「挑戦?なんの挑戦だい」

「かけっこ!」

「かけっこかい、僕は速いよ」

 本気で走ればシンジが速いに決まっている。

「シンジお兄ちゃんは夏バテ気味だから勝つもん」

「あららら、それを言われたら負けそうだなあ」

「向こうの角までかけっこするの」

 レイはシンジが向かっていた方向を指差した。

「角までだね、ようし負けないぞ」

 二人はスタート位置で構えた。

「「ようい・・・」」

「「ド〜〜ン!」」

 同時の合図によりレイが素早く走り出した。シンジは後ろに付いて行くように走り始めた。

「お〜〜速いなあ」

「シンジお兄ちゃん、遅い遅い」

 レイの走りに感心するシンジは少しスピードをあげた。

「抜いちゃうぞ〜〜」

「負けないもん」

 横に並んだ時、レイはラストスパートをかけた。

「いっけ〜〜」

 両手を激しく振りぬきゴールに一番に着いたのは・・・





 ド〜〜〜ン!

「「いった〜〜〜い」」

 先にゴールしたのはレイであったが、角から出てきた人物に勢いあまってぶつかった。

「う、うわっ!

 ド〜〜ン!

 シンジも止まり切れずにぶつかってしまった。そして・・・

 ぷにふに

「ん、なんだ?この柔らかい感触は」

 ぶつかって転倒したシンジの手には嬉しい感触があった。

「このマシュマロのような、甘酸っぱくてストロベリーのような、プリンの感じは?」

 もみもみ

 シンジはもう一度感触を確かめた。

「いつまで触ってんのよ、バカシンジ!

 ばっち〜〜〜ん!!

はうっ!

 シンジの頬に強烈なビンタが炸裂した。

「いやらしいわね、感じちゃったじゃないのよ」

 アスカは頬を少し赤くしながら気絶して倒れているシンジに蹴りを入れた。

「アスカお姉ちゃんごめんなさい」

 レイはぶつかった事を素直に謝った。

「レイ、通路は走っちゃだめよ危ないでしょう」

「うん」

「よろしい、さあ行きましょう」

 アスカはレイの手を握った。

「あ、シンジお兄ちゃんはどうするの」

 まだ気絶していた。

「そのうち目を覚ますわよ、目を覚ましても永遠の眠りにつかせるけどね」

 米神には怒りマークが浮かび上がっていた。

「・・・」

 アスカの迫力に言葉が出ないレイはシンジを置いて付いて行くしかなかったのであった。


 元気なレイちゃん、ネルフの通路でシンジ君と競争。結果はレイちゃんの優勝。

 そして二位のシンジ君には嬉しい副賞が(笑)天国と地獄ですね(^^;)

 アスカちゃんはぶつかられ損ですね。

「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


リツコおかあさんシリーズ かけっこ