リツコおかあさんシリーズ

かきごおり

「おかあさん、かき氷食べてもいい?」

 ネルフ、リツコの研究室。レイは仕事をしているリツコの袖を引っ張って食べて良いか質問した。

「いいけど、お腹をこわしたらいけないからほどほどにしなさいよ」

「は〜い」

 レイは大きく頷くと、研究室の奥の部屋へ走っていった。

「ふんふ〜〜ん、今日は何味を食べようかな〜」

 かき氷器を用意し、冷凍庫から氷を取り出してセットする。

「今日はどれにしようかな〜」

 冷蔵庫の中にはシロップだらけ、アスカが新製品が出る度に買ってきて置いていくのであった。

「とろぴかるふるーちゅにしようっと!」

 レイはトロピカルフルーツ味のシロップを取り出して冷蔵庫を閉めた。

「ふんふんふ〜〜〜ん」

 ガラスの器を置いてかき氷器のボタンを押した。

「はやい、はやい〜〜」

 氷は削られて綺麗に器に盛られていくのであった。

「シロップかけて〜〜いっただきま〜〜す!」

 ぱくっシャリシャリ

「ん〜〜〜〜〜〜おいしい〜〜〜」

 甘さと冷たさが口いっぱいに広がると満面の笑みが出た。

「レイ〜先に食べてずるいわよ」

「あ、アスカお姉ちゃん」

 そこへかき氷の匂いを嗅ぎつけたアスカがやって来た。

「やあレイちゃん、美味しそうだね」

「シンジお兄ちゃん!」

 遅れてシンジがやって来た。

「まだ氷有るでしょ、アタシも食べるわよ」

「うん、器を用意するね」

 レイはスプーンを置くと、食器棚から器を二つ取り出した。

「スイッチオン!」

 氷を削り二つの器に盛っていった。

「シロップは何にしようかしら・・・今日はバナナ味にしようっと、シンジは何にする?」

「僕は抹茶にするよ」

「抹茶ね」

 アスカは冷蔵庫からバナナ味と抹茶のシロップを取り出してかき氷にかけていった。

「いっただきま〜〜す!」

 アスカは大きな口を開けてバナナ味のかき氷をほお張った。

「ん〜〜〜〜美味しい!!」

 美味しさのあまりコブシに力が入る。

「うん美味しいね」

 シンジも隣でかき氷をほお張った。

「う〜〜頭がキ〜〜〜ンってする〜〜」

 レイはスプーンをくわえたまま頭を両手で押さえた。

「レイちゃん、ゆっくり食べようね」

「うん、イタタなの」

「ふふ、レイはお子ちゃまね〜アタシは食べてもキ〜ンってならないわよ」

 アスカはかき氷を食べ続けているが頭が痛い様子はない。

「アスカお姉ちゃんすご〜〜い」

「ふふ、凄いでしょ〜どうかしらシンジ?」

「はは、アスカは頭に神経が通ってないからなあ〜」

 シンジの言葉にアスカの食べる動きが一瞬止まった。

「シンちゃんは〜〜〜その若さで命を粗末にしたいようね、ん〜〜〜?」

 ゾゾゾ〜〜〜!

 アスカの微笑みで背筋に寒気が走った。そしてシンジは悟った、ちゃん付けで呼ばれたら死を意味する事を。

「あっ用事を思い出した、じゃあ帰るよ」

 器を置いてその場を立ち去ろうとしたが・・・

こら〜〜待て〜〜!

 ボコッ!

ぐえっ!

 背中に蹴りが入り、その場に倒れた。

逝ね

 ボコッ!

ぐえっ

逝ね

 ボコッ!

ぐえっ

逝ね

 ボコッ!

ぐえっ

逝ね

 ボコッ!

ぐえっ

 シンジにまたがり容赦なく殴り続けるアスカの頭には角が生えていた。

「ア、アスカお姉ちゃん怖い〜」

 レイはその光景を止められずに震えながら見ているだけであった。

「あっ、アスカちょっと止めなさい」

「おかあさ〜ん、アスカお姉ちゃんが鬼になってる〜」

 騒がしいので様子を見に来たリツコがアスカを止めに入った。

「アスカッ!」

「はっアタシは何をしていたのかしら?」

 リツコの声に正気に戻るアスカは自分のコブシを見た。

「やっだ〜〜アタシったら手にイチゴシロップつけてる〜〜」

「「・・・」」

 言葉が出ないリツコとレイ。

「〜〜って、シンジ〜!今度変な事言ったら殺すわよ」

 シンジの胸倉を掴むと顔を近づけて大きな声で叫んだ。

「は、はひぃ〜〜〜」

「よろしい!」

 アスカは微笑むとコブシに付いた返り血をシンジの服で拭き取ると何事も無かったようにかき氷を食べ続けた。

「レイ、シンジ君はアスカに何を言ったの?」

 リツコは事の真相を聞く為にレイの耳元で呟いた。

「ええとね・・・」

 レイはリツコの耳に両手を当てると小声で説明を始めた。

「シンジ君、無様よ・・・」

 リツコは溜め息を付くと、怪我の治療をする為に救急箱を用意し始めるのであった。


 まだ暑い日が続くのでかき氷を食べたいレイちゃんはかき氷を作って食べてご満悦。

 食べるものがある時にやってくるアスカちゃんは当然かき氷を食べます(笑)そしてシンジ君は・・・発言に気をつけないといけないですね(^^;)

「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


リツコおかあさんシリーズ かきごおり