リツコおかあさんシリーズ

決戦まで・・・

「あれ?アスカお姉ちゃん何しているの?」

 リツコの研究室の台所に立つアスカの姿があった。

「レイ、邪魔しちゃだめよ」

「え?」

 後からリツコの声、レイを抱えて研究室に戻った。

「アスカお姉ちゃん何か作っているの?」

「そうよ、もうすぐバレンタインでしょう、チョコ作りよ」

「あ〜〜〜」

 レイは理解した、5日後のバレンタインデーに向けてアスカはチョコを作っていたのである。もちろん渡す相手は決まっている。

「だから邪魔しちゃだめよ」

「は〜〜い」

 レイは大きく頷くと台所には近づかなかった。




 その頃台所では・・・

「ふう〜〜コイツは手ごわいわね」

 頬にチョコをつけながら悪戦苦闘していた。髪が邪魔にならないように後で結び、エプロンはトレードマークの赤、テーブルには奇怪な形のチョコができあがってる。

「まあ形はこれでいいかな?いまどきハート型なんて古臭いわ、これでおっけーよ」

 自分を納得させる。

「ええと文字は何を入れようかしら?」

 余ったチョコを食べながら考える。

「義理・・・かな?でもいつもご飯作ってくれているし・・・感謝とか・・・う〜〜ん、迷うわね」

「それともLOVEとか・・・きゃ〜〜アタシったら何考えているのよ〜〜〜」

 イヤンイヤンしながら妄想の世界へ走っていく・・・




「シンジこれあげるわよ」


「えっ?なにかな。あけていい?」


「いいわよ」


「うわ〜〜チョコだ、ありがとう」


「そんなに喜ばなくていいわよ。義理だからね」


「ぎ、義理なの?・・・」


「そ、そんなに落ち込まなくていいでしょう」


「でも、義理なんだ・・・」


「ぎ、義理って言ってもその義理じゃないわよ」


「じゃあどういうの?」


「本当はこっちよ」


「もうひとつ?」


「ええ開けてみて」


「うわ〜〜これは」




「い、いいかも・・・」

 だらしなく口が半開きになってにやけている。

「よしっ!シンジッ!待っていなさいよ〜〜!」

 アスカの気合が更に増すのであった。


 もうすぐバレンタイン、アスカちゃんがチョコをあげる相手は勿論・・・

 手作りをもらえる彼は幸せ者ですね。

「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


リツコおかあさんシリーズ 決戦まで・・・