リツコおかあさんシリーズ
こたつ
「ごくらくごくらく〜」
レイはリツコの研究室の奥の部屋でコタツに入り丸まっていた。
「暖かいから眠たくなっちゃう」
「レイ、寝るならお布団で寝るのよ」
リツコはミカンを剥きながらレイを注意した。
「え〜どうして」
「コタツで寝たら風邪引いちゃうわよ」
「面倒〜」
「風邪引いたらもっと面倒になるわよ、それに大好きな注射を打たなくちゃいけないのよ」
「お布団で寝る〜〜」
脅しが効いたのかレイは飛び上がった。
「うふふ、ミカンも食べなさいビタミンを取らないと風邪引くわよ」
「うん」
レイはカゴに入っているミカンを一個取ると剥き始めた。
「おい〜〜す」
「あ、ミサトお姉ちゃん」
そこへミサトがやって来た、用もないのに。
「またサボりなの」
「サボりじゃないわよ、休憩よ。休憩」
ミサトは靴を脱ぐと素早くコタツに潜り込んだ。
「う〜〜極楽極楽〜〜やっぱコタツはいいわね〜日本の心だわ」
「ミサトお姉ちゃん、その格好見ているとサボりに見えるよ」
「言ってくれるわね〜この格好が私にとって休憩なのよ」
「ふ〜〜ん」
レイはミサトの隣に寝転がった。
「レイ信じちゃダメよ」
「は〜〜い」
「あ〜〜ひっど〜〜い、ミカン食べちゃうわよ」
ミサトはレイが食べているミカンを一つ奪い取った。
「もう食べちゃっているじゃない、もう〜」
レイは頬を膨らまして怒った。
「ごめんごめん〜チョコあげるわよ」
ミサトはポケットからチョコを取り出すとレイに渡した。
「わ〜ありがとう」
「ふふ、ど〜〜んと食べなさい」
レイはチョコを口に放り込んだ。
「レイ、後から歯を磨くのよ」
リツコはお茶を飲むと一つため息をついた。
「リツコ〜私にもお茶ちょうだい」
「飲んだら仕事に行くのよ」
「え〜〜まだ休憩時間よ」
「貴女の場合は仕事時間より休憩時間の方が長いでしょう」
「違うわよ〜」
「違わないわよ」
リツコの方が正しい、ミサトがここに滞在している時間が一日平均五時間にはなる。
「そうなの〜最近働きすぎたから休憩が必要なのよ」
「もっと働きなさい、自分が思っているほど働いていないわよ」
「うっそ〜?ちゃあんと働いているわよ」
「シンジ君も嘆いていたわよ、働かないから給料が少ないって」
リツコはシンジの言葉を思い出すとため息をついた。
「めっちゃくちゃ働いているわよ、ここの給料が安いだけよ」
「・・・」
リツコはミサトが働いている姿をめったに見たことがない。
「はああ〜暑い〜」
「レイ顔が真っ赤じゃない」
コタツから出たレイの顔は真っ赤になっており今にも湯気が出そうである。
「ん〜〜何か熱いの〜喉のあたりがね・・・ヒック」
「ヒック?もしかして」
リツコは先ほどレイが食べたチョコを包んであったアルミを拾って見た。
「ミサト!レイにウイスキーボンボンあげたでしょう」
「ありゃ、まずかったかしら?」
「まずいわよ、レイしっかりしなさい」
「あ〜〜おかあさんの顔がゆがんで見える〜〜」
「わお〜酔っているじゃない」
「ミサト〜〜!」
「わお〜〜ごめんなさ〜〜い」
リツコの怒号にミサトは謝りながら退散するのであった。
コタツに入って極楽なレイちゃんとリツコさん。
そこへサボリにやって来たミサトさん(仕事しなさい)レイちゃんのミカンを取ったかわりにチョコをあげたミサトさん。でもそのチョコは・・・リツコさん怒りますね。
「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
リツコおかあさんシリーズ こたつ