リツコおかあさんシリーズ
恐怖
「レイッ待ちなさい」
「いや〜〜」
ネルフの通路、リツコはレイを追いかけていた。
「あっ二人ともレイをつかまえて」
二人が走っていく先にはシンジとアスカが歩いていた。
「よっし任せなさいっと、つっかまえた〜〜」
「うわ〜〜離して〜〜」
レイは猛ダッシュで二人を避けようとしたが、俊敏なアスカにつかまえられてしまった。
「レイちゃん、どうして逃げているの?悪戯でもしたのかな?」
「悪戯してないもん、私良い子だもん、だから離して〜〜」
「こ、こら暴れないの」
アスカの腕の中で手足をばたつかせるレイだが振り解けるはずが無い。
「はあはあはあはあ・・・アスカ助かったわ」
「一体どうしたのよ?レイが逃げるなんて」
「それはね・・・」
額に汗を浮かべて切らせた息を整えるリツコ。
「注射よ、予防接種をするって言ったら逃げ出したのよ」
「いや〜〜注射しなくても平気だもん〜」
「レイちゃんは注射が苦手なんだ」
同情するシンジ、小さい頃同じような経験があるのを思い出した。
「注射が嫌で逃げるなんて情けないわね〜〜注射の一本や二本がなによ」
「アスカお姉ちゃんは注射苦手じゃないの?」
「アタシ〜?べっつに〜〜何本でも来なさいって感じよ」
「それじゃあアスカも受ける?」
「えっ?」
リツコの言葉に一瞬固まった。
「注射大好きみたいだからまとめて十本打っておきましょうか」
微笑むリツコ、シンジはからかっているのがわかった。
「そ、そうねえ〜じゅ、十本くらい良いわよね」
冷静を装うが声が震えていた。
「アスカお姉ちゃん大丈夫なの?」
「だ、大丈夫よ・・・あっ洗濯物取り込むの忘れたわ、すぐ帰らなくっちゃ。残念だけど注射は無しね」
「大丈夫だよ、洗濯物はペンペンに頼んであるから」
「ペ、ペンペンに洗濯物取り込めるわけ無いでしょう」
「取り込めるよ、用事があるときいつも頼んでいるんだよ。アスカより役に立つよ」
「そ、そう」
シンジの言葉にビンタが飛んでくるところだが、焦っていてその余裕は無かった。
「それじゃあ医務室に行きましょうか」
「そ、そうね・・・」
ビュッ!
「あっ、アスカ」
医務室に向かう為にシンジとリツコが背中を向けた途端、アスカはレイを抱きかかえたままその場から逃げ出した。
「アスカお姉ちゃん、逃げていいの?」
「良いわよ、良いにきまっているでしょ」
レイを抱きかかえているが速度は普通に走っているのと変わらない。
「それじゃあ注射は打たなくて良いの?」
「良いにきまっているでしょ、打たなくても死なないわよ」
「本当?良かった〜」
アスカの腕の中でホッするレイであった。アスカの姿が小さくなっているのを呆然と見つめる二人は・・・
「リツコさん、脅かしすぎですね」
「そうね、ちょっと失敗しちゃったわね」
注射を打つ機会が無くなり残念なリツコであった。
注射が嫌いなレイちゃん、逃げるのは当たり前ですね(^^;)
アスカちゃんはまた自信満々に注射は平気と言うからリツコさんに脅かされてしまいましたね。
結果はアスカちゃん逃げ出しました、へっぽこです。
「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
リツコおかあさんシリーズ 恐怖