リツコおかあさんシリーズ
競争
「おかあさん、汗かいちゃった」
「あらあら、ドロだらけじゃない」
リツコの研究所に戻ってきたレイは全身ドロだらけであった。
「うん、中庭で遊んできたの」
「お風呂に入ってきなさい」
「おかあさんは?」
「ごめんなさいね、今はちょっと手が離せないの。アスカを呼ぶから一緒に入ってきてちょうだい」
「うん」
リツコは受話器に手を伸ばすとネルフ内に居るアスカに連絡をとった。
「レイ〜来たわよ」
「アスカお姉ちゃん早かったね」
「まあね、アタシも汗かいたからお風呂に行きたかったのよ」
「アスカ、レイをお願いするわね」
「ええ、わかったわ。レイ行くわよ」
「うん」
アスカはレイの手を引くと大浴場へ向かった。
「相変わらず空いているわね」
大浴場にはアスカとレイの二人しか居なかった。
「みんなはまだ仕事中だよ」
「そういやそうだったわね」
時刻は午後二時、ネルフ職員は仕事中である。
「シンジお兄ちゃんは?」
「シンジはバカ達とどっかに遊びに行ったわよ」
「それは残念だったね」
「どうしてよ」
「シンジお兄ちゃんとお風呂に入れないから」
「バ、バカ言ってんじゃないのよ、そんな事したら恥ずかしいじゃないのよ」
アスカは顔が真っ赤になった。
「私は恥ずかしくないよ」
「アタシが恥ずかしいのよ。それに入ってきたら蹴り殺すわよ」
「アスカお姉ちゃんに蹴り殺されたらシンジお兄ちゃんも本望かもね」
「なんで?」
「だってアスカお姉ちゃんの裸を見てから死ねるんだよ」
「み、見せないわよ。さっさと入りなさい」
アスカは真っ赤になりながらレイの服を脱がすのであった。
「さあ〜泳ぐぞ〜」
大浴場に来たら泳ぐのがレイの日課である。
「待ちなさい、身体を洗ってからよ」
「うん」
レイは大きく頷くと、シャワーを浴び始めた。
「あ、レイ待ちなさい」
「へっへっへ、競争だよ」
アスカは慌てた、自分もお風呂で泳ぎたいからである、それも一番に。
「あつあつあつ」
アスカはシャワーの蛇口をひねったが、温度設定を間違い普段浴びるより熱いお湯が噴出した。
「アスカお姉ちゃん、焦ったらダメだよ」
「五月蝿いわね、負けないわよ」
しかしレイはすでに身体を洗い終えて髪を洗い始めている。
「う〜〜早くしないと」
アスカは身体を洗っているが、その隣ではレイが髪についたシャンプーを流し始めていた。
「おっしま〜〜い」
「はやっ」
「お先に〜」
「アタシだって〜」
「アスカお姉ちゃん、髪ちゃんと洗ってないよ」
「いいのよ」
アスカは髪を洗っている途中で、まだシャンプーがついていた。
「きゃっ」
どっす〜〜ん!
アスカはちゃんとシャンプーを流していなかったので、走った拍子で滑り尻餅を付いた。
「いった〜〜い」
「アスカお姉ちゃん、大丈夫?」
「いたたた、何とかね」
アスカはお尻を擦りながらゆっくりと湯船に浸かり始めた。
「あ、アスカお姉ちゃん」
「なに?」
「お尻が真っ赤か、お猿さんみたい」
「うそ?あ〜〜〜!」
レイに言われてお尻を見ると、真っ赤になっていた。
「あ〜〜あ、とほほ」
「この事はシンジお兄ちゃんに報告しておくね」
「や、やめてよね」
「どうして?きっとシンジお兄ちゃん興奮するよ」
「それがダメなのよ、そんな事言ったらシンジが暴走するでしょうが」
「あ〜〜それなら秘密にしないといけないね」
「そうよ、絶対に!」
二人は指切りをすると仲良く泳ぐのであった。
二人で楽しく入浴です。レイちゃんの早さに対抗するアスカちゃん、ちょっと大人気ない?
でも焦りすぎて尻餅を付いてしまいました(^^;)
「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
リツコおかあさんシリーズ 競争