リツコおかあさんシリーズ
休憩
にゃお〜〜〜んっ!!
ネルフ、リツコの研究室に響くネコの声。リツコ特製の三時の時報である。
「レイ、一休みしましょう」
「は〜〜い」
リツコはモニターから目を外すと冷めたコーヒーを口に含み深く息を吐いた。
「「こんにちは〜」」
それから直ぐに扉が開きシンジとアスカがやってきた。
「いらっしゃい」
「シンジお兄ちゃん、今日は何?」
「今日はね」
レイは瞳をきらきら輝かせてシンジが持っている袋を見た、中にはレイが期待するようなものが入っているらしい。
「今日はドーナツを作ってきたよ」
「わ〜〜い、ドーナツだ〜〜」
袋を覗き込むレイ、中には砂糖がタップリついたドーナツがあった。シンジ特製ドーナツである。
「シンジ君、いつも悪いわね」
「いいえ、こちらこそ。お邪魔しちゃって」
「な〜に言ってんのよ、オヤツはみんなで食べた方が美味しいのよ。さっさと紅茶をいれなさい」
アスカは椅子に腰掛けると準備を早くするように急かす、自分から準備をしようと絶対しない。
「はいはい、レイちゃんちょっと待っててね」
「私、手伝う」
「偉いね〜〜誰かさんとは大違い」
誰かさんとは無論、アスカの事である。
「なによ〜〜アタシは疲れてんの、レイに仕事を与えてやったのよ。文句ある?」
「僕は別にアスカって言ってないんだけどなあ」
「アタシしかいないじゃないのよ」
しらをきるシンジにアスカはご立腹、拳をプルプル震わせて爆発寸前である。
「そうかい?レイちゃん、ドーナツをお皿に移し変えてくれないかな、僕は紅茶を入れるから」
「うん」
シンジはこれ以上アスカをからかうと危険と感じたのか、話しを切り上げ紅茶を入れ始める。
「ふん、美味しく入れなさいよ」
「わかってるよ」
和やかな雰囲気?でオヤツタイムが始まる。
「リツコさんどうぞ、食べてください」
「ありがとう、頂くわ」
早速リツコはシンジ特製ドーナツを手に取り一口食べた。
「美味しいわ、流石シンジ君ね」
「リツコさんには敵いませんよ、やわらかさはどうですか?」
「ええ、ふんわりとした歯応え、良いできよ」
「ありがとうございます、リツコさんに褒めて貰えると嬉しいですよ」
今は研究者のリツコではなく主婦のリツコ、主夫シンジの良きアドバイザーである。
「うんうん、こんがりとした焼き色、ふんわりとした触感、甘そうで控え目、なかなかやるじゃない」
「アスカお姉ちゃん、頷いているけど味わかるの?」
「わかるわよ、お菓子に関してはプロフェッショナルなんだからこれくらいお茶の子さいさいよ」
「へ〜〜〜、アスカお姉ちゃんのことだからシンジお兄ちゃんが作るのは何でも美味しいんじゃないの?」
「な、なに言うのよいきなり、ませた事言うんじゃないの」
ニヤニヤ笑うレイにかわかられて頬が少し桜色に染まるアスカ。
「ませてないよ、シンジお兄ちゃんアスカお姉ちゃんはね〜〜もごもご」
「ん?何」
リツコと料理の事に夢中になっていたシンジはアスカとレイの会話に気づいていなかった。
「な、なんでも無いわよ、この紅茶美味しいわね」
「ありがとう」
レイの口を塞ぎ慌てまくるアスカ、悟られまいと振舞うがリツコにバレバレ、シンジは鈍感なので気づいていない。
(ふふ、アスカったら慌てちゃって、これで気がつかないのがシンジ君なのよね)
「や〜〜〜労働者の諸君、午後のティ〜タイムはどうかな?私もまぜてもらうわよ」
元気よくやってきたのはミサト、ぐうたら上司である。
「良いですよ、紅茶入れますね」
「ん〜〜〜あんがと。ふ〜〜〜仕事は疲れるわね」
汗をかいてもいないのに豪快に額を拭う仕草をして仕事をしてきたかのように演技をするが。
「ミサト、疲れるって何もしていないでしょう、さっさと仕事に行きなさい」
そうミサトは自分の仕事を部下に任せて遊びほうけているのである。
「ちゃんと仕事してきたわよ〜〜、アスカほら汗かいているでしょ」
「嘘がばれないように冷や汗かいてんじゃないの?」
「ひど〜〜い。レイ私肩こっちゃった叩いてくれない」
「暇で疲れたんでしょ?」
ミサトの下手な演技にジト目で見る二人であった。
「ま、真面目な労働者に向かってそういう事言う?ひ、ひどいわ〜〜」
床に崩れ落ちハンカチを噛み締め涙を流すミサトにリツコは思った。
(・・・シンジ君とアスカ、引き取ろうかしら)
邪魔者一人を横目に本気で二人を引き取ろうか考えるリツコ、こうして和やかな?三時のオヤツは過ぎていく。
仕事の疲れを取る三時のオヤツはシンジ君のお手製、疲れが取れますね。
レイちゃんにからかわれたアスカちゃん、ちょっとへっぽこ(^^)
ミサトさんは仕事もせずに休憩、これでよく首になりませんね。
リツコさんにとっては有意義な休息ですね。
「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
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