リツコおかあさんシリーズ

負けない

「シンジお兄ちゃん〜あれ取って〜〜」

「ん、どれだい?」

「あれ〜〜」

 シンジ達は本屋に来ていた、レイはお目当ての本を見つけたが背が届かない。

「あれかい?はい」

「きゃっ」

 シンジはレイの両脇を持つと抱きかかえた。

「これなら届くでしょ」

「うん」

 レイは本と取ると静かに体を降ろしてもらった。微笑みあう二人、和やかな雰囲気、傍から見れば兄妹である。その二人を見ていた瞳があった。

(むむむ、シンジに抱きかかえてもらっているなんて・・・くう〜〜〜)

 アスカであった、他のところで立ち読みしていてふと目をやったらシンジが抱きかかえている場面を目撃したのである。

(アタシも抱きかかえて欲しいな〜〜)




「ねえシンジ〜〜あれ取って〜〜」


「あれかい?」


「うん、あれ〜〜」


「わかったよ、はい」


「きゃっ」


「これなら届くでしょ」


「うんありがと、きゃっ!こら〜〜どこ触ってんのよ」


「はは、ごめんごめん」


「もうシンジのエッチ」




(両脇を持つから必然的に手が胸に・・・きゃ〜〜アタシったら何考えているのかしら!!いや〜〜ん)

 妄想爆進中、耳が真っ赤である。

(いいわね、このシチュエーション。よしっ)

 アスカは二人の所に向かった。

「ねえシンジ〜〜あれ取って〜〜」

「あれ?」

「そうあれ〜〜」

(ふふふ、完璧ね、これでシンジは・・・)

「アスカの方が届くんじゃない?」

「えっ?」

 シナリオがずれた。

(し、しまったわ。シンジよりアタシの方が背が高いじゃないの)

 二人が並ぶとわずかだがアスカの方が身長が高い。

「そこに踏み台があるよ」

(はうっ!何て用意が良い本屋なのかしら)

 踏み台は大抵どこの本屋にもある。

「シンジお兄ちゃん、これ買う〜〜」

「決まったかい、じゃあ買いに行こう。アスカは買うのかい?」

「ア、アタシはいいわ・・・」

 作戦が失敗し肩を落とすアスカであった。


 アスカちゃん失敗してしまいました(^^;)アスカちゃんの方がわずかに背が高いんですよね。

 高校生の時期なら背は逆転しているのでシナリオ通りに進むと思いますが無理でしょうね。

「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


リツコおかあさんシリーズ 負けない