リツコおかあさんシリーズ

豆まき

「「こんにちは〜」」

 アスカとシンジがリツコの研究室にやって来た。

「わあ〜シンジお兄ちゃん、アスカお姉ちゃん、いらっしゃい」

 レイは二人に抱きついた。

「お〜〜レイちゃんはいつも元気良いね」

「少し大きくなったんじゃない」

 二人はレイの成長を確かめるように頭を撫で微笑んだ。

「二人ともよく来てくれたわね、用意はできているわよ」

 リツコが奥の部屋から顔を出し手招きをした。






「うわ〜〜美味しそう〜」

「本当だね、これをリツコさんが作ったんですか」

「ふふそうよ」

 テーブルには太巻き寿司とお茶が並べられていた。

「どうして節分には太巻きを食べるのかしら?シンジ知っている」

「ええと、美味しいからじゃないかな」

 頭をかきながら答えるシンジ、当たっているはずがない。

「そうなの?リツコ」

「ふふ美味しいのもあるけど、鬼の金棒に見立てて食べる事で鬼を退治するという意味がこめられているのよ。他にも丸ごと切らないで食べるので縁を切らない、巻き寿司なので福を巻くという意味もあるわね」

「へ〜〜そうなんだ」

 アスカは太巻きを持って感心した。

「じゃあ鬼を退治する意味で食べようっと」

「アスカの場合は縁を切らない意味じゃないのかしら?」

「な、なに言ってんのよ、そんなわけないでしょう」

 耳が真っ赤になり慌てふためく。

「シンジお兄ちゃん、アスカお姉ちゃんなに焦っているのかな?」

「さあ、どうしてだろうね?」

 鈍感なシンジであった。

「それでね太巻きを食べる時は恵方を向いて無言で食べると幸福が訪れるって言われているのよ」

「へ〜〜そうなんですか、恵方はどっちなんですか?」

「今年は西南西だからこっちを向いて食べればいいわよ」

「それじゃあみんなで食べましょう〜〜」

 アスカ達は西南西を向くと無言で太巻きを食べ始めた。







「あ〜〜美味しかった、これで幸福が訪れるわね」

「アスカ食べるの早いね、ちゃんと噛んでで食べたかい?」

「噛んだわよ、アンタが遅いのよ」

「アスカお姉ちゃんがもの凄く早いんだよ」

 アスカの食べるスピードは他に比べて二倍速かった。

「さあ豆も用意しているわよ、巻きなさい」

「は〜〜い」

 レイはリツコから豆を入れた升を受け取った。

「はいシンジ君とアスカも」

「はい」

「うん」

 三人は豆をまき始めた。

「「「鬼は〜〜外、福は〜〜内」」」

鬼は〜〜外!!

 バシバシ!

「いた、いたたたた。アスカぶつけないでよ」

「いいじゃん、シンジが鬼役なんだから。レイ投げるわよ」

「おもいっきり投げたらシンジお兄ちゃん可哀想〜」

「豆だから当たっても痛くないわよ」

「痛いって」

「問答無用! 鬼は〜〜外!!

 バシバシ!

「いた、いたたたた」

 シンジはたまらず外に逃げ出した。

「あ、こら待て〜〜」

「待ってよ〜〜」

 シンジを追いかけてアスカ、レイと外に続いた。

「冗談じゃないよ、アスカ本気で投げるから死んじゃうよ」

「こら〜〜待て〜〜」

 ネルフ通路を逃げるシンジ、逃げ足だけは速くアスカに追いつかれることはない。

「待て〜〜待たないと怒るわよ」

「待っても酷い目に合うじゃないか」

 シンジがT字路に差し掛かったとき・・・

 ズキュ〜〜ン!ズキュ〜〜ン!

 銃声が鳴り響いた。それに驚いてシンジはバランスを崩して転んだ。

こらあ〜〜待ちなさ〜〜〜い!

「な、なんで銃を持っているだよ」

「はあはあ、ようやく追いついたわよ、大人しく豆をぶつけられなさい」

「い、いやだよ」

「あっそ、なら鉛の豆をぶち込まれたいわけね」

 銃口がシンジの額に向けられた。

「ま、豆でいいです!」

「よろしい」

 アスカはスカートをたくし上げると太もものホルスターに銃をしまった。

「とほほ、太巻きを食べたのに全然良い事がないよ」

 こらからぶつけられる豆の痛さに我慢するしかないシンジであった。


 アスカちゃんいじめっ子ですね、シンジ君がかわいそうです(^^;)

 それにしてもアスカちゃんはどこで銃を手に入れたのでしょうか?出所はミサトさんとか(笑)

「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


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