リツコおかあさんシリーズ
メリーさん
「シンジお兄ちゃん、シンジお兄ちゃん!」
「どうしたんだいレイちゃん?」
ネルフ、自販機のベンチで休憩していたシンジにレイが走ってやってきた。
「メリーさんなの、もうすぐメリーさんが来るの」
「メリーさん?知り合いかい?」
シンジには初めて聞く名前である。
「うん、もうすぐ来てね、プレゼントをくれるんだよ」
「へ〜メリーさんは優しいんだね。それでメリーさんはいつくるの?」
名前からして日本人でない事はわかる。レイの知り合いなら会ってみたいとシンジは思った。
「ええと、もうすぐなの。サンタさんの日にくるの」
「サンタさんの日?クリスマスかい」
サンタと言って思い浮かぶのはクリスマスしかない。
「うん、メリーさんがクリスマスに来るの」
「あ〜メリークリスマスだね」
メリーさんの意味がわかった。
「メリーさん今年は何をくれるのかな?」
レイはクリスマスが待ち遠しい。
「レイちゃんは何が欲しいのかな?」
レイの欲しい物を聞いておいて後でリツコに報告するのを忘れない。
「ええと〜〜秘密!」
「え〜秘密なの?」
聞き出さないとリツコに報告できない。
「うん秘密なの」
「こっそり僕に教えてくれないかな?」
「どうしようかな〜」
「レイちゃんお願い〜」
両手を合わせて頼み込む。
「しょうがないなあ〜特別にシンジお兄ちゃんだけに教えてあげるね、みんなには内緒にしてね」
「うん、内緒にするよ」
「ええとね・・・」
レイはシンジの耳に口を近づけると小声で欲しい物を言った。
「そうなんだ〜」
「内緒ね」
「わかったよ、二人だけの内緒だね」
二人は微笑みあった。
「ふ〜〜ん、レイはそんなのが欲しいのね」
「うわっアスカ!」
「アスカお姉ちゃん」
二人の後ろから突然声がした、振り向いて見るとアスカが立っていた。
「安心しなさい誰にも言わないわよ」
「言わないって盗み聞きしてたのかい?」
「アスカお姉ちゃんひど〜〜い」
「人聞きの悪い事言わないでよ。聞こえたから聞いただけよ」
「聞こえたって私もの凄く小さな声で喋ったんだよ」
「そうだね、僕しか聞こえないと思ったんだけど」
レイはシンジの耳元で呟くように言った、それが聞こえるとは信じがたい。
「ふふ〜〜ん、アタシの超天才耳は一キロ先でミサトがビールを飲んでゲップした音が聞こえるくらい凄いのよ」
「そのかわり朝目覚ましが聞こえないようなんだけど」
アスカは強力な目覚ましを使用しているが、目覚ましで起きた事はない。
「そ、そうなの?あのくらいの音じゃあ起きないわよ」
「そうなんだ、じゃあクリスマスのプレゼントは今まで以上の音が鳴る目覚まし時計にしようかな」
アスカは市販ではないリツコ特製の目覚まし時計が思い浮かんだ。
「イ、イヤよ。音がひどかったら鼓膜が破れるじゃない、天才美少女の耳が聞こえなくなったらどうするのよ」
「だいじょ〜〜ぶ、アスカお姉ちゃんの耳は鋼鉄でできているから破れないよ」
「む〜〜〜レイ〜変なこと言わないの」
「い、いひゃ〜〜い」
アスカは頬を膨らませるとレイの頬っぺたをつねった。
「まあクリスマスはいいとしてその前に・・・」
「「その前に?」」
「アタシの誕生日があるってこと忘れてないでしょうね」
「アスカの誕生日・・・あ〜〜すっかり忘れていたよ」
ボクッ!
「はう・・・」
シンジの腹部にアスカの拳が入った。
「アンタ死にたいわけね」
「し、死ぬかも・・・」
「シンジお兄ちゃん死なないで!」
「忘れていた罰としてアタシの誕生プレゼントはアタシが喜ぶものを用意すること!」
「よ、喜ぶものって何?」
まだ痛みが走る。
「それはアンタで考えなさい、じゃあね」
アスカはシンジにデコピンをすると立ち去った。
「プレゼント何がいいんだろう?レイちゃんは何がいいと思う」
「アスカお姉ちゃんが喜ぶもの・・・バナナかな?」
「バナナか、やっぱり最高級のバナナが食べたいんだろうね」
「うん、そうと思うよ」
「バナナか・・・」
シンジはどこでバナナを購入しようか悩むのであった。
もうすぐクリスマス、レイちゃんは楽しみです。欲しいものは・・・みんなには秘密だそうですね。
クリスマスの前にはアスカちゃんの誕生日、シンジ君はバナナをあげるのでしょうか?あげたら(^^;)
「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
リツコおかあさんシリーズ メリーさん