リツコおかあさんシリーズ

目覚めはアタシの声で

 「シンジ〜朝よ起きて」



「う・・・う〜〜〜ん、あと五分」



「だ〜〜め、起きないとご飯が冷めちゃうでしょ」



「もう少し〜」



「もうっわがまま言って、じゃああと五分だからね」



「ありがとうアスカ」



「ふふふ、五分後にはちゃんと起こしに来るわよ、チュッ」


















(よっし!このシチュエーションで決まりね)

 アスカは自室のベッドの上で握りこぶしを作った。どうやらシンジの起こし方を妄想していたようである。

(シンジはまだ起きていないわね。どうせレイはお子ちゃまなんだから起きないとして、作戦名『アタシのスイートハートなヴォイスでシンジを起こしてあげる』は完璧だわ)

 時計は午前五時五十分、アスカにしては珍しく早起きである。ちなみに昨日からレイが泊まりに来ておりシンジと一緒に寝ているがアスカにしてみれば眼中には無い。

(このアタシに起こされるなんてシンジは幸せものね。もしかして暴走して一緒に寝ようなんて言われたら・・・きゃ〜〜〜〜!

 マクラを抱きしめ耳まで真っ赤にするが、レイが一緒にいるのでそういう事は絶対にありえない。

(さあて、起こしに行こうっと)

 アスカは意気揚揚と自室を出た。

あっ!

 自室を出て目に飛び込んできた光景に驚いた。

(な、なんで起きているのよ!?

 ベランダにシンジの姿が見えた、何か作業をしているようである。

(アタシの調査では六時の目覚ましで起きるのにどうして起きているのよ?まだ六時前でしょ)

 時間はまだ六時になっていない、アスカの念入りな調査は脆くも崩れ去った。

「シンジッ!アンタなにやってんのよ?」

「あ、アスカおはよう」

 振り向いて挨拶をするシンジ、アスカの興奮した態度を知らずに微笑んだ。

「こんな朝っぱらからなにやってんのよって聞いてんの」

「これだよ、これ」

「これ?布団じゃない」

「レイちゃんがオネショしちゃったんだ」

「はあ?オネショ」

 シンジの手には布団、そして中央には世界地図が描かれていた。

「ぐすっ・・・ぐすっ・・・シンジお兄ちゃん、ごめんなさい・・・」

 シンジの部屋から目を赤くはらしたレイが出てきた、マクラを抱きしめ申し訳なさそうに縮こまっている。

「良いんだよレイちゃん、まだ眠たいでしょうアスカの部屋で寝ておいで」

「でも、お布団が・・・ぐすっぐすっ」

「大丈夫、今日は天気が良いからすぐに乾くよ」

 レイの涙を拭いてやり頭を撫でなぐさめるシンジ、その光景を見ていたアスカは・・・

(くうう〜〜〜レイのおねしょで目が覚めたとは、レイがお子ちゃまだってことすっかり忘れていたわ。まさかおねしょで完璧な作戦が破られるとは・・・恐るべしレイ)

 その場に膝を付き肩を落とすアスカであった。


 アスカちゃんの完璧な作戦はレイちゃんのおねしょによって破られてしまいました(完璧な作戦ではないですね)

 この日の為に念入りに調査していたアスカちゃん、レイちゃんが泊まりにこない日に実行すればシンジ君は暴走するでしょう(笑)

「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


リツコおかあさんシリーズ 目覚めはアタシの声で