リツコおかあさんシリーズ
お花見
ポカポカ陽気のいい天気、絶好のお花見日和ね。
いい天気だから、今日はネルフの広場でお花見。
「アスカ、綺麗だね」
「えっ?と、当然でしょ、アタシを誰だと思っているのよ。天下無敵のアスカ様よ」
シンジったら本当の事言っちゃって照れるじゃないのよ。
「ん?何のこと、桜が綺麗って言ったんだよ」
「わ、わかっているわよ。バカッ!」
あ〜〜もうっ何マジに答えてんのよ、そこは「うんそうだね、綺麗だよね」って言いなさいよ。
「何怒っているの?」
「知らないっ!」
まったく〜〜超鈍感なんだから、でもお花見の席ではびっくりしちゃうわよ。
桜の木の下ではすでにリツコとレイがシートを敷いて座っていたわ、ちょっと遅れちゃったわね。
「二人ともおっそ〜〜い」
「ごめんね、アスカがちょっと手間取っちゃって」
「悪かったわね、でもこれで帳消しよ。ジャッジャ〜〜ン」
アタシは持ってきた手さげ袋からお弁当箱を取り出したわ。
「わ〜〜美味しそう〜〜」
「あら上手に作ったわね」
ふふ、レイもリツコも驚いているわね。今日の為にアスカ様特製お花見弁当よ。
「それじゃあ始めましょうか」
リツコが持ってきたお弁当も広げてお花見開始よ。
「シンジ、玉子焼きを食べてみてよ」
「うん」
アタシはシンジに特製の玉子焼きを取ってあげたわ、美味しすぎてびっくりするわよ。
「もぐもぐ」
「どう?美味しいでしょう」
「うん、丁度いい甘さで美味しいね」
ふふ、当然よ。アタシの調理に弱点はないわ。
「タコさんウィンナーもあるわよ」
「アスカお姉ちゃん私にもちょうだい」
「ええ、たくさん食べてね」
「アスカ、ポテトサラダも美味しいわね」
まあね、リツコから教えてもらった成果が出たわ。
「もう少しポテトを柔らかくすれば、もっと美味しくなるわよ」
「そう?」
アタシはリツコが作ってきたポテトサラダを食べたわ・・・本当だ、もう少しポテトを柔らかくした方が良いわね。
「シンジお兄ちゃん、このおにぎり私が作ったの、食べて食べて〜」
「へえ〜レイちゃんが作ったのか、いただきます」
レイの作ったおにぎり、形はちょっと変形しているけど頑張ったわね。
「うん、塩加減が丁度良くて美味しいよ」
「本当?やった〜」
「ふふ、レイ良かったわね。シンジ、アタシのおにぎりも食べてよ」
「うん、どれが梅干かな?」
アタシのおにぎりは一つ一つ中身の具が違うのよ、ええとどれが梅干だったかしら?
「ええと確かこれが梅干だったかも」
「これだね」
自信ないけどね、アタシは鮭を食べようっと。ええとこれだったわよね。
「もぐもぐ・・・あれ、これ鮭だよ」
「あら、これが梅干だったわね」
困ったわね〜具は一つずつしかないし・・・こうなったら・・・
「はい、あげるからアンタのちょうだい」
「えっ食べかけだよ」
「ア、アンタは梅干を食べたいんでしょう、アタシは鮭が食べたいのよ」
「ありがとう」
な、なんて笑顔をするのよ。ちょっとは照れなさいよ、アタシが恥ずかしいじゃないのよ。
「アスカ良かったわね」
「べ、別に」
リツコったらミサトのようにニヤニヤしちゃって、恥ずかしいわ。
「照れなくていいわよ、このご時世だから後悔しない生き方をしなさい」
「後悔しない・・・うんっ」
そうよね、いつ死ぬかわからないから後悔だけはしたくないわ。
「ねえシンジっ美味しいでしょう?」
「うん、美味しいよ」
「でしょう〜アタシが作ったんだから不味いわけないわよ」
天気も良いし桜も綺麗だし、最高だわ。
「ねえ、アスカお姉ちゃん」
「なに?」
「桜がどうしてピンクか知っている?」
「いいえ知らないわ」
「うふふ、それはね〜桜の木の下には若い女の人が埋められていて、その人の血を吸い取って花びらを染めるんだよ」
さ、桜の木の下に死体〜〜!?
「な、なにそんな作り話をしてんのよ。ま、まったく子供だましね」
「あ〜アスカお姉ちゃん震えているけど怖いの?」
「こ、怖くなんかな、な、な、な、な、ないわよ」
「あれ?そのわりによくウーロン茶を飲むよね」
シンジまで何言うのよ。
「あ、あ、暑いから喉が渇くのよ」
折角の花見が台無しじゃないのよ。
「やっほ〜〜やっているわね」
ミサトがやってきたわ、大きなクーラーボックスを抱えている。中身は・・・聞かなくてもわかるわ。
「ミサト、貴女は勤務中でしょう」
「硬い事言わないの〜こんな日に仕事していたら罰が当たるわ、今日はもうお終いよん」
「・・・仕事をしないほうが罰が当たるわよ」
まったく、よく首にならないわね、感心しちゃうわ。
「ゴクゴクゴクゴクゴクゴク・・・ぷは〜〜〜んま〜〜〜い」
「ねえミサトお姉ちゃん」
「ん〜〜〜レイも飲みたいの?」
「ううん、要らないよ。桜の木の下には若い女の人が埋められていて、その人の血を吸い取っているから花びらがピンクなんだよね」
レ、レイったらまた言うんじゃないわよ。
「あら〜〜良く知っているわね〜物知りさんね」
「そ、そんな訳ないでしょ、レイもミサトも何言ってんのよ」
「アスカはドイツ育ちだから知らないでしょうけど、はるか昔にね・・・」
「た、大した作り話ね。そ、尊敬に値するわ」
「まあ信じなくてもいいけど、夜になると桜には若い女性が現れるらしいわよん」
「え、へえ〜〜〜そ、そうなの」
「若いんだ〜見てみたいね」
シンジッ!
「やっぱシンちゃんも気になるわよね」
「はい、若いんだってさアスカ」
「そ、そ、そうね。若いっていってもアタシほどじゃないわよね」
あ〜〜喉渇くわ。
「じゃあ今日の夜、また来ようよ」
レイッ!
「それは良いアイデアね」
ミサトッ!
「レイ、夜更かしはダメよ」
ナイス、リツコッ!
「え〜〜ダメなの?」
「レイ、子供は早く寝なさい!」
うふふ、子供は早く寝るものよ。
「ぶ〜〜〜〜」
「レイ大丈夫よ。私がシンちゃんとアスカと一緒に行ってビデオに撮ってくるわよ」
「ミサトオオオオオ〜〜〜何馬鹿なこと言ってんのよ!そんな暇な事してる時間があったら仕事しなさいよ。クビになるわよ」
「大丈夫〜〜夜は勤務時間外だ・か・ら」
そこでウインクするな〜〜〜
「馬鹿馬鹿しい〜〜〜うっ・・・」
「ん?アスカどうしたの」
「な、何でもないわよ」
ちょ、ちょっと飲みすぎたかも、おトイレに行きたく・・・って・・・
「そうそう、昼間でも若い娘が一人で桜の近くを歩いていると、地面から手が出てきて引きずり込むらしいわよ」
ニヤニヤしながら言っている、ムカつくわね。
「そ、そうなの。ならミサトは大丈夫よね。若くないもんね」
「そうよね〜若いアスカが羨ましいわ〜きっと手が数百本はでてくるわね、トイレ行く時は気をつけなさいよ」
き、気付いている。アタシがおトイレに行きたい事をミサトは気付いているわ。
「あらアスカどしたの?汗かいているんじゃないの?」
「な、なんでもないわよ」
くううう〜こうなったら・・・
「えっ?レイ、どうしたの?おトイレに行きたい?しょうがないわね。付いていってあげるわよ」
「はにゃ?おトイレ?」
ダッダッダッダッダッダッダッダッダ!!
アタシはレイを小脇に抱えておトイレへ猛ダッシュしたわ。ミサト達にしてはなかなかリアルな作り話だったわね、けっして怖くわないわよ、ええ怖くなんかないんだからね〜〜
「アスカお姉ちゃん、私おトイレ行かなくてもいいよ」
アタシが行きたいのよ!
アスカちゃん特製のお花見お弁当、シンジ君は満足ですね。
桜の秘密を聞いて怖がるアスカちゃん、これから数日間は一人で行動はできません(笑)
「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
リツコおかあさんシリーズ お花見