リツコおかあさんシリーズ
おねむ
「おかあさん、眠たくなっちゃった」
ネルフの研究室、リツコが仕事をしていると、レイが眠たそうに目を擦りながら戻ってきた。
「あら、お昼寝の時間ね」
リツコは腕時計を見ると、レイの手をとり奥の部屋へ向かった。
「お布団を敷いて・・・レイ、パジャマに着替えなさい」
「うん」
レイはクローゼットから水色のパジャマを取り出すと服を脱ぎ始めた。
「お布団はこれで良いわね。あっレイ、上着を履いたらダメよ」
「うん」
レイはすでに寝ぼけているのか、上着を履こうとしていた。
「足をあげて」
「うん」
リツコはレイを立たせるとパジャマを着せていった。
「おかあさん、お休みなさい」
「おやすみ」
リツコはレイの頬にキスをすると研究室に戻った。
「ふう〜〜」
研究室の戻ると、マグカップに少し残っていたコーヒーを飲み干し、再びコーヒーを注いだ。
「ふあああ〜〜」
リツコがコーヒーを飲んでいると、大きな欠伸声と同時に研究室の扉が開いた。
「アスカ、女の子がはしたないわよ」
「いいじゃん、眠たいんだもん」
「せめて、口に手を当てなさい。ミサトみたいよ」
「わかった〜今度からするわ」
聞き流したアスカは、また大きな欠伸をした。
「まったく・・・」
頭を抱えるリツコであった。
「何か用があるのかしら?オヤツの時間はまだよ」
「眠たくなっちゃったから寝に来たのよ」
アスカは眠たい目を擦ると奥の部屋に向かった。
「レイが寝ているから静かにするのよ」
「わかったわ〜〜」
「zzz〜〜」
「ふふ、寝顔が可愛いわね」
すでに熟睡しているレイを見てアスカは微笑んだ。
「ええと、布団を敷いて・・・面倒だからレイと一緒に寝よう」
パジャマに着替える為にクローゼットを開けた。
「あれ?アタシのパジャマは・・・」
探しても見当たらない、アスカは研究室に戻った。
「リツコ〜アタシのパジャマは〜?」
「クローゼットに入っているんじゃないの?」
「無かったわよ」
「あ、一昨日シンジ君が洗濯するからって来たわ」
「シンジが?も〜〜アタシが必要としている時に洗濯するなんて、お仕置きが必要だわ」
アスカは握りこぶしを作った。
「アスカ、そんな事言わないの。ここに置いているアスカやミサトの洗濯物は全部シンジ君が洗っているのよ」
「うっ・・・」
「たまにはアスカが洗いなさい、シンジ君が喜んで惚れちゃうわよ」
「わ、わかっているわよ。今度洗うわよ」
真っ赤になった顔を見られたくないので、素早く部屋に戻った。
「あ〜パジャマが無いなら・・・下着でいいか」
服を脱ぎ散らすと、下着姿でレイが寝ている布団に入った。
「zzz〜・・・アスカお姉ちゃん?」
「起こしちゃったかしら、アタシも寝るわね」
「うん・・・zzz〜」
「お休み、レイ・・・zzz〜」
2人は深い眠りに入るのであった。
「そろそろ起こす時間ね」
リツコが仕事をしているとセットしていたタイマーが鳴った、レイを起こす時間である。
「2人を起こしたらオヤツを用意して休憩ね」
眼鏡を外して席を立とうとした時、扉が開いた。
「こんにちは」
「あら、いらっしゃい」
シンジである。両手に大きな袋を持っていた。
「いっぱい荷物を持っているわね」
「一昨日の洗濯物ですよ、洗ったので置きに来ました」
ほとんどがアスカとミサトの物である。
「ところでアスカ、見かけませんでした?」
「アスカなら奥でレイと寝ているわよ」
「あ、パジャマ無いのに。アスカ怒っていたでしょう」
袋に入っているアスカのパジャマを見た。
「怒っていたけど、今度は自分で洗いなさいって言ったから大丈夫よ」
「そうですか、ありがとうございます」
シンジは安堵の溜め息を付いた。
「シンジ君は2人を起こしてちょうだい、私はオヤツの用意をしておくわ」
「はい、わかりました」
シンジは袋を持つと部屋へ向かった。
「「zzz〜」」
「2人して仲良く寝ているなあ」
アスカとレイが一つの布団で寄り添って静かな吐息を立てている。シンジは袋を置くと布団に近づいた。
「アスカ、レイちゃん起きる時間だよ」
「う、う〜〜ん。もうちょっと〜〜」
アスカはまだ眠たいのか、毛布を頭からかぶった。だがシンジには起こす技がある。
「アスカ、リツコさんがオヤツの時間だってっさ」
「オヤツ?今日のオヤツは何?」
アスカか勢いよく上半身を起こした。
「シンジッ、オヤツはなに?」
「ア、アスカ・・・そ、その」
「だからオヤツは何よ?」
アスカを見たシンジは顔が真っ赤になった。
「だから何よ?」
「そ、その・・・アスカが・・・」
「だから〜あ・・・」
指を差すシンジに、アスカは自分の身体を見てみた。
「きゃあああああああああああああああああああ!!!」
部屋にアスカの悲鳴が響き渡る。
「ど、どうしてブラをしてないのよ〜!?」
下着はパンティーしか履いていない、素早く毛布で胸を隠して辺りを見回した。
「アタシのブラはどこよ?」
「し、知らないよ」
アスカは真っ赤になって胸を隠し、シンジは真っ赤になって目を手で覆った。
「う〜〜ん、アスカお姉ちゃん。五月蝿いよ〜〜」
アスカの大声で目を覚ましたレイは目を擦った、その手にはピンク色の物体を握っていた。
「あ、アタシのブラ」
お気に入りのブラ、一瞬でわかった。
「アスカお姉ちゃん、返すね」
「どうしてレイが持っているのよ?」
「アスカお姉ちゃん、胸が窮屈だから持っていてって渡したんだよ」
「そ、そうだったかしら?」
まったく覚えがない。
「む、胸が窮屈だって?」
シンジが目を覆った指の間からアスカを見ようとした瞬間。
「見るな〜〜スケベシンジ〜〜」
ドゴッ!
アスカの蹴りがシンジの顔面に入った。
「ピンク・・・パンツもピンク・・・胸が窮屈・・・」
蹴りが入る前にシンジの目にはピンクの映像が映り、至福のまま気絶するのであった。
仲良くお昼寝のアスカちゃんとレイちゃん。布団を敷きたくないアスカちゃんは困ったものです(^^;)
いつも主夫業を頑張っているシンジ君にはラッキーとアンラッキーが同時に起こりました。
「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
リツコおかあさんシリーズ おねむ