リツコおかあさんシリーズ
お泊り
雪が降っているけど、ネルフに居る僕とアスカ。早く帰らないと交通機関がマヒして帰れなくなっちゃう・・・と思っていたら本当に帰れなくなってしまった。
ミサトさんの部屋が汚れているせいだ。僕が時々掃除をしてもすぐに汚してしまう、今日も夢中になって掃除をしていたら帰れなくなってしまったよ。
アスカも手伝ってくれたら早く終わっていたのに、自分はマッサージルームでのんびりしているんだからなあ。
帰れないからネルフに泊まっていくとミサトさんに言ったら『アスカと間違いがあってもお姉さんは見逃してあげるわよん、雪の魔力は恐いわね〜〜』って、保護者の言う台詞じゃないよなあ。
ふう〜〜もう掃除は止めにしてジュースでも飲みに行こう。
ふんふんふんふんふんふ〜〜〜ん
はあ〜〜〜マッサージチェアは気持ち良いわね〜〜アタシの身体をほぐしてくれるわ、もう最高!
シンジがミサトの部屋の掃除を手伝ってくれって言っていたけど、そんのはパス。どうしてアタシがミサトの部屋を掃除しなくちゃいけないのよ。
ふあああ〜〜時計を見たら時間が経っていたわ、そろそろシンジは掃除終わったかしら?ジュース飲むついでに行ってみようっと。
マッサージの後はビタミンをとりたいからオレンジを飲もうっと、あら自販機の前に居るのはシンジだわ、掃除は終わったのかしら?
「シンジ〜」
「やあアスカ」
「掃除は終わったの?」
「きりが無いから止めてきたよ」
ぷっ主夫のシンジでもお手上げの汚さだったようね。
「掃除しなくてもいいんじゃないの?すぐに汚れるんだから」
「そうだけど、ミサトさんの部屋に行ったら掃除したくなるんだよね」
主夫が身体に染み付いているわ。
「ふ〜〜ん、そんなもんなの。お腹も空いてきたから帰りましょう」
あと少しするとお腹の虫が鳴っちゃうわ、今日は何を作るのかしら?楽しみだわ。
「帰れないよ」
「え、何て?」
ちょっと今聞き取れなかったわ。
「雪で交通機関がマヒしているんだよ、だから今日は泊まりになるよ」
「な、なんですって〜〜!?」
帰れないとなるとシンジの手料理が食べれないのね・・・折角楽しみにしていたのに。
「食堂に行こうか」
「うん」
残念だけど仕方ないわね、でもこれはミサトのせいだわ。ミサトが部屋を汚しすぎるのがいけないのよ、会ったら蹴りを入れてやるわよ。
「お腹、お腹、お腹が空いた〜〜〜」
「レイ走ると危ないわよ」
「大丈夫〜〜」
雪がいっぱい降っているからお泊まり、嬉しい嬉しい嬉しいなあ〜〜
「ご飯は何を食べようかな〜〜カレーにしようかな、それともオムライス、スパゲッティー、迷っちゃうなあ」
「おかあさん、早く早く〜〜」
「急がなくてもご飯は逃げないわよ」
「私のお腹が逃げちゃうの〜〜」
「はいはい」
おかあさんの手を引っ張って食堂に急ごう〜〜〜
「シンジは何にするか決めた?」
「僕は和食御前にするよ、アスカは?」
「私はハンバーグ丼にするわ」
あ、あそこに見えるのはシンジお兄ちゃんとアスカお姉ちゃんだ。
「お〜〜〜〜〜〜〜い!」
「あらレイじゃない」
「それにリツコさんも」
「シンジお兄ちゃんとアスカお姉ちゃんもご飯なの」
「そうよ、アンタもなのね」
「うん」
みんなでご飯だ嬉しいなあ〜〜
「二人とも大変ね、帰れないんでしょう」
「はい、リツコさんもですか?」
「ええ、天気予報が当たったわね」
「そうですね」
シンジお兄ちゃんとアスカお姉ちゃんもお泊まりなんだ、嬉しい〜〜
リツコさんとレイちゃんも泊まるんだ。そういえばミサトさんはどこに行ったんだろう?家に居るペンペンも気がかりだ後で電話しておこう。
注文した品が届いて僕たち四人は席に着いた、和食御前が美味しそうだぞう。
アスカはハンバーグ丼、大きなハンバーグが盛られた丼はアスカのお気に入りだ。
レイちゃんはお子様ランチか、チキンライスに旗が立っていて美味しそうだ。お子様ランチは名のとおりお子様専用だけど、結構ネルフ職員に人気があるんだよね。父さんもたまに頼むんだけど似合わないんだよなあ。
リツコさんは海鮮雑炊だ、海老がプリプリっとして美味しいそうだなあ。
「「「「いただきま〜す」」」」
和食御前はちょっと高いけど、味でも眼でも楽しませてくれる。和を知っている僕としては嬉しい限りだ。
「ねえシンジ、その玉子焼きちょうだい」
「ええっ!?」
この出し巻き玉子は美味しいんだよなあ、全部あげるのはちょっと・・・
「半分だよ」
「サンキュー」
断ると多分、真っ白な雪が真っ赤になって僕がうつ伏せに倒れると思ったから泣く泣く半分あげたよ。
「お返しに人参をあげるわ」
「い、要らないよ」
「好き嫌いしちゃダメよ、ちゃんと食べないと大きくなれないわよ」
それはアスカだろう。断ったが人参はすでに僕の処へ、アスカの人参嫌いにも困ったなあ。
「アスカお姉ちゃん、好き嫌いはいけません。このグリーンピースを食べなさい」
ぷぷ、今度はレイちゃんがアスカの丼にグリーンピースを入れたよ。
「ぶ〜〜残念でした、アタシはグリーンピースは好きよ」
「え〜〜?そうなの」
「そうよ、アンタはパセリでも食べなさい」
次はレイちゃんの皿にアスカのパセリが行ったよ。
「うへえ〜苦いのきら〜〜い、おかあさ〜ん」
「苦いのは身体に良いのよ、食べなさい」
「うへぇ〜〜」
リツコさんは厳しいね、僕もパセリは苦手だけどできるだけ食べるようにしているんだ、頑張れレイちゃん。
「ふい〜〜〜お腹いっぱ〜〜い」
ハンバーグ丼はボリュームがあるから大好きなのよね、もう食べれないわ。
食後のお茶を飲んだら次はお風呂ね。ここの大浴場は泳げるくらい広いから良いのよね、今日も泳いじゃおうっと。
「アスカ、悪いけどレイをお風呂に入れてくれないかしら」
「え?リツコは入らないの」
「早く済ませなきゃいけない仕事があるのよ、それが終わったら入るわ」
リツコも大変ね。
「わかったわ、了解よ」
「ありがとう。レイ、ちゃんとアスカの言うことを聞くんですよ」
「うん」
リツコはレイの頭を撫でると急いで食堂を出て行ったわ、管理職は大変ねえ〜
「レイ、入りに行きましょうか」
「うん!シンジお兄ちゃんも一緒に入ろう」
「「ええ!?」」
な、何を言い出すのよこの子ったら、でもシンジも一緒に入るなんて入るなんて入るなんて・・・
「三人で入ったほうが楽しいよ」
「レ、レイちゃん。それは残念だけど出来ないんだよ」
「なんで?」
レイの純粋な問いかけにアタシは答えることができないわ。
「そ、それはね。お風呂が男性用と女性用にわかれているでしょう。だから無理なんだよ」
説明しているシンジの顔が真っ赤だわ、アタシも自分が真っ赤なのはわかる。
「そうなんだ〜」
「だからアスカと入っておいで」
「うん」
あ、シンジが出て行ったわ。恥ずかしくて居られないんだわ、アタシも早くお風呂に行こうっと。
ここのお風呂はひろ〜〜いから大好き〜〜
「アスカお姉ちゃん、早く入ろう」
「ちょっと待ちなさい」
「脱ぐのが遅〜〜い」
私はパッパ〜〜って脱いじゃった。
「こら、服はちゃんと籠に入れなさい」
「は〜〜い。あ、アスカお姉ちゃんぶらじゃぁ〜してる〜」
色はピンク、可愛い〜〜
「当然でしょ、ブラジャーくらいするわよ」
ぷにぷに、触っちゃえ。
「あ、あん。こら触らないの」
「いいじゃない、ぷにぷに〜」
「あ、あ〜〜〜ん。こらレイ!」
「いたた」
頬をつねられちゃった。
「もうしたらダメよ」
「は〜〜い」
残念だけどお風呂お風呂〜〜
「レイ、最初は身体を洗うのよ」
「うん」
アスカお姉ちゃんと並んで身体を洗うよ〜ぼでぃーしゃんぷをたっぷり付けてゴシゴシゴシゴシ。
「レイ、背中も洗いなさい」
「手が届かないから洗って〜〜」
「世話が焼けるわね。ほら背中向きなさい」
「ありがと〜〜」
背中をゴシゴシ洗ってもらった〜〜アスカお姉ちゃんありがとう。
「お礼に胸を洗ってあげるね。プニプニ〜〜」
「きゃ、こら、あ、ああん〜〜〜!」
僕は碇シンジ、現在お風呂に入っている。身体が熱いのはお風呂のせいではなく、隣から聞こえてくるアスカの声・・・
な、何が起こっているんだ?き、気になる気になるぞ、気になってお風呂からあがれやしない。
「ひゃ〜〜〜ん!」
また聞こえた、このままではのぼせてしまう、早くあがらないとでも気になる。
「こら〜〜バカレ〜〜イ」
「ごめんなさ〜〜〜い!」
推測するとレイちゃんと凄いプレイをしていたようだぞ、凄いプレイ・・・はあはあ・・・のぼせちゃうよ・・・
「まったく〜〜もう〜胸ばかり触るんじゃないの」
やっとお風呂からあがったわ、お風呂に入っている間はレイに胸を触られまくられたわ、感じちゃうじゃないのよ。
「だってやわらかいんだもん」
「だからと言って触らない!アタシの胸は高いのよ、タダで触ろうなんて考えないことね」
「じゃあシンジお兄ちゃんはお金払っているんだ」
「ぶっ何ってんのよ」
飲んでいた牛乳を思わず噴出したわ。
「違うんだ、シンジお兄ちゃんはタダなんだね」
「さ、触らせてなんかないわよ」
「そういうことにしておくね」
いつのまにこんなにませたのかしら?まったくもうアタシが教育してやろうかしら。
着替えが済んだらリツコの部屋に行くわよ。リツコのところの仮眠室が広いからお気に入りなのよね。
「行くわよレイ」
「うん、シンジお兄ちゃんはあがったのかな?」
「先に行っているんじゃないかしら」
シンジはあがるの早いからきっと先に行っているわ。
「たっだいま〜〜」
「よく温まったかしら?」
おかあさんはまだ仕事をしているんだ、早く終わって休んでね。
「うん、温まったよ。それにぷにぷにだった〜」
「ぷにぷに?」
「そうぷにぷに〜〜」
「こ、こらレイ」
「ふがが・・・」
アスカお姉ちゃんに口を塞がれちゃった。
「アスカ、ぷにぷにって何なの?」
「な、何でもないわ、じゃあね〜〜」
「あ〜〜れ〜〜」
口を塞がれたまま強引に仮眠室に連れて行かれちゃった。
「もうっリツコに変なこと言わないの」
「どうして?」
「どうしてもよ」
「は〜〜い」
私とアスカお姉ちゃんはパジャマに着替えてこれからお喋りの時間、でもシンジお兄ちゃんの姿がどこにも見えない。
「シンジお兄ちゃん居ないね」
「どこほっつき歩いているのかしら?リツコ〜〜シンジ知らな〜〜い?」
「知らないわよ、まだお風呂じゃないのかしら」
「う〜〜ん、シンジがアタシ達より遅いとは思えないし、散歩でもしているのかしら」
「アスカお姉ちゃん、お布団敷こう」
「ええ」
アスカお姉ちゃんと一緒に寝るからお布団は一つで十分。
「あっ一つじゃ足りない」
すっかり忘れちゃっていたわ。
「どうしてよ」
「シンジお兄ちゃんも一緒のお布団で寝るんでしょ」
「な、何バカなこと言ってんのよ、アイツは他の仮眠室で寝るのよ」
「え〜〜三人で寝た方が楽しいのに〜」
シンジお兄ちゃんが左、私が真ん中、アスカお姉ちゃんが右で寝るの、絶対に良い夢が見れるのに。
「そ、それは楽しいと思うけど・・・ダメなの!」
「どうして?」
「どうしてもよ!」
なんでかわからないけどアスカお姉ちゃんの顔が真っ赤、どうしてかな?
「子供は早く寝る!」
「アスカお姉ちゃんも子供じゃない」
「うるさ〜〜い!」
ふふ、アスカお姉ちゃんをからかうのは面白いなあ〜
「た、大変よ」
「どうしたのよ?」
「おかあさんどうしたの?」
「シンジ君がお風呂でのぼせて医務室に運ばれたわ」
「「え〜〜!?」」
・・・知らない天井だ、僕はどこに居るんだろう?ここはどこだろう。
・・・ん?何か声が聞こえる、誰だろう?聞き覚えのある声だ、アスカかな。
「シンジ〜、しっかりしなさいよ〜シンジ〜〜」
・・・こ、この声はアスカだ。僕は大丈夫だよと返事をしないと。う、腕が動くから腕を上げて・・・
「ア、アスカ・・・」
声を出して腕を上げて・・・
ぷにぷに
な、何だ手のひらに伝わる柔らかな感触は?
「ああ〜〜〜ん!」
あ、またアスカのあの声だ、お風呂場での声が耳に残って離れないよ。
「こんのバカシンジ〜〜〜逝ね!」
・・・それから僕の記憶は途絶えてしまった、そして数日間ここの見知らぬ天井を見ながら泊まることになったよ。
大雪で家に帰れないアスカちゃんとシンジ君、レイちゃんと楽しくネルフにお泊まりですね。
一緒にご飯を食べて、一緒にお風呂には入れませんでした(シンジ君は残念だったかな)
大浴場でレイちゃんの攻撃にタジタジなアスカちゃん、力が抜けてしまいますね(^^;)シンジ君も間接的にやられてしまいましたね。
お風呂でのぼせて医務室に運ばれたシンジ君、手に残る柔らかな感触と身体に受けた痛みで数日のお泊まりを余儀なくされました(笑)
「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
リツコおかあさんシリーズ お泊り