リツコおかあさんシリーズ
プロフェッショナル
「おっはよ〜〜〜」
「おはようミサトお姉ちゃん、今日も元気だね」
「まあね、元気なのは美しいからよん」
出勤してきたミサトがリツコの研究室にやって来た、レイに必要でないことも言うと空いている椅子に腰をかけた。
「朝から何のようなの?早く行かないと遅刻するわよ」
「ん〜〜〜、きつい事言わないでよ。まだ時間には早いでしょ、ゆっくりさせてもらうわよ」
リツコのジト目を横にミサトは隣の休憩室に向かう。研究室内の休憩室はリツコ専用で他の休憩室と比べると豪華で普通の家の一室と変わらない。
「まったく、何しに来ているのかしら?」
御気楽なミサトに呆れるリツコであった。
「げ〜〜〜何よこれ〜〜〜?」
休憩室のドアを開けたミサトは驚いた、足の踏み場がないくらいに散らかっていたのである。
「リツコ〜〜これはあんまりひどいんじゃない、ちゃんと片付けないと母親として失格よ」
「ミサト・・・あのね〜〜この散らかしはあなたがしたんでしょう、来るたび来るたびに散らかしてそのまま。片付けもしないで帰っていくでしょう」
「そ、そうだっけ?てっきりレイが散らかしたと思っちゃったわ・・・は、ははは」
こめかみに怒りマークを浮かべ睨み付ける。ミサトは気まずそうに視線を中にそらし頭をかくと空笑いをして誤魔化した。
「ひどい!私散らかしてないもん。お母さん、ぜ〜〜〜んぶミサトお姉ちゃんが散らかしたんだよ」
「ミサト・・・あなた最低ね」
「うっ・・・そ、そんな目で私を見ないで」
氷の視線でミサトを見るリツコ。ミサトは背筋に冷たい汗が流れた。
「仕事までまだ時間があるでしょ、片付けていってちょうだい」
「え〜〜〜やっだ〜〜〜、どうせまた散らかるし〜〜〜めんどくさいし〜〜、わたし〜〜〜お嬢様だから〜〜お掃除なんんてできない〜〜〜」
「「・・・」」
ミサトのふざけた発言に言葉が出ない二人。
「・・・そう掃除できないのね、じゃあ私がその右腕を掃除機に改造してあげるわよ」
ぞぞぞぞぞぞぞぞ〜〜〜
リツコの怒りがこもった低音の言葉、ミサトは殺気を感じた。
「う、うそ、うそよ。あ、時間だから行くわね」
ここに居ては命が危ないと感じ、まだ仕事始まりの時間ではないが逃げ去るように部屋を出ようとしたが・・・
「ミサト、行かなくて良いわ今日は掃除がお仕事です。綺麗にするまで帰らせないわよ」
「ええっ?掃除が仕事って、私が行かないとみんなが困るわよ」
「いいえ、あなたが居ても居なくても関係ありません。日向君には私から連絡しておくから掃除を始めなさい」
「え〜〜〜?今日重要な会議があるのよ」
無論ウソである。
「会議より掃除が大事!早く始めないと・・・」
「わ、わかりました、レイ始めるわよ」
「え〜〜〜どうして私が〜?」
レイは驚いた、自分は散らかしてないのにどうして掃除をしなけらばならないのだろうか。
「じゃ、ここは私達に任せてリツコはお仕事頑張ってね」
ミサトは休憩室からリツコを追い出すと急いで鍵をかけた。
「ふう〜〜リツコ怒っていたわね」
額の汗を拭きながら大きくため息をついて生きている事を実感したが生きた心地がしない。
「ね〜〜〜どうして私がお掃除しなくちゃならないの?」
ミサトのスカートの裾を引っ張りながら頬を膨らませて怒るレイ。怒るのは当然であろう全てはミサトのぐうたらな性格の為である。
「良いじゃない、どうせ暇なんでしょ。今から労働の喜びを知っておくのも良いものよん」
「・・・ミサトお姉ちゃん、都合良すぎ」
「ん〜〜〜〜それにしても派手に散らかしたわね、私って散らかす才能があるのかしら?」
レイの愚痴を無視し部屋中を見回して自分の散らかしっぷりに驚く。
「散らかしのプロだね」
「う〜〜〜ん、散らかしのプロね・・・じゃあここは掃除のプロに任せましょうか」
「え、掃除のプロ?」
「そうよ、これ以上ない適任者が一人いるわ」
ミサトは携帯電話を取り出すと通話を押しどこかに連絡し始めた。
「んじゃ〜〜〜お願いね〜〜〜」
「・・・そういう理由で僕を呼んだんですか?」
数十分後休憩室にはミサトとレイ、それとシンジが居た。
「掃除のプロってシンジお兄ちゃんだったんだ」
「ええそうよ、シンちゃんの掃除はね天下一なんだから。掃除を見ていると肩こりも治っちゃうわよん」
「・・・」
ミサトに呆れ何も言えないシンジであった。
「さあ、お願いするわねん」
「お願いって僕は学校だったんですよ。緊急の用だから急いで来たんですよ、それを掃除とは・・・」
「ミサトお姉ちゃん、シンジお兄ちゃんの邪魔をしたんだね」
シンジへ電話がかかってきた時授業中であった。急いで学校を出ると諜報部員が待機しており車で来たのである。
「緊急の用よ、ここをすぐに掃除しないと使徒が来ちゃうのよ。それを防ぐのがチルドレン、碇シンジの役目!さあ掃除機よ!いざスクランブル〜〜」
「「・・・」」
拳を震わせ力説するミサトに二人はもう何も言えなかった。
「ミサト〜〜あなた何やっているのよ?」
「あ、リツコさん」
「シンジ君、どうしたの?何故ここ居るの?学校はどうしたの?」
そこへ用事で研究室を空けていたリツコが戻ってきた。この時間は学校に居るシンジが居て驚いた。
「実は・・・」
「ミサト〜〜あなたって人は」
「だってね、だってね。使徒が〜〜〜〜」
シンジから全てを聞いたリツコはミサトを正座させて説教をし始めた。
「使徒がどうしたって言うの?わざわざシンジ君を呼び出してに掃除をさせようなんて、それに諜報部員も暇じゃないのよ!」
「うええ〜〜、怒らないで〜〜〜パターン青なの〜〜〜」
「なにわけわからない事言っているの!いつまでも座ってないで掃除をしなさい!」
「リツコが座らせたんじゃないの〜〜〜」
「言い訳しない!さっさと始めなさい!」
「は、はい!」
リツコの怒りが頂点に達している、ミサトは飛び上がると急いで掃除はし始めた。
「リ、リツコさん怒ると怖いね」
「うん、お母さんを怒らせたら怖いよ。サードインパクトが起きるかも」
研究室に居た二人までリツコの大声が聞こえていた。二人はリツコの怖さをあらためて実感した。
「じゃあ僕は学校に戻るね」
「え〜〜もう行っちゃうの?遊んで〜〜」
「ごめんね、まだ授業中なんだよ。終わったら遊びに来るよ」
「本当?待ってるね」
シンジはレイの頭を撫でると研究室を後にした。
「うええ〜〜〜うえええ〜〜〜」
「ほら、そこも汚れているわよ」
「もう許して〜〜〜活動時間限界なの〜〜〜」
「暴走しなさい!」
「うええええ〜〜〜」
リツコの怒りはミサトが掃除を終えるまで収まらないだろう。
ミサトさんのだらしなさ、散らかし方はプロですね(^^;)それに対抗する?シンジ君は掃除のプロ。
掃除の為にシンジ君を呼ぶミサトさん、本当に保護者なんでしょうか。リツコさんはその事にご立腹、ミサトさん改造されるしかないでしょうね(笑)
「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
リツコおかあさんシリーズ プロフェッショナル