リツコおかあさんシリーズ

プレゼント

「ふっふっふっふ」

 自室でアスカはカレンダーを見て笑っていた。

「今日はシンジの誕生日
プレゼントはバッチリよ」

 今日六月六日はシンジの誕生日、机には綺麗にラッピングされリボンが付いた箱が置いてあった。

「レイが来るけど、どうせプレゼントはチャチな物でしょうね」

 強敵?レイが来るのはわかっている。相手は五歳児、プレゼントにお金がかけられないので余裕であった。

「この勝負アタシの勝ちだわ、レイの前でシンジに渡して・・・」







「シンジ誕生日おめでとう、はいプレゼントよ」


「うわ〜ありがとうアスカ、開けて良いかい?」


「ふふ、良いにきまっているでしょ」


「それじゃあ開けるね・・・あっ僕が欲しかったやつだ」


「感謝しなさいよ〜〜」


「うん、ありがとう大事にするね。そしてアスカも・・・」


「えっアタシが何?」


「アスカも大事にするよ」


「シンジ・・・」








「最高のシチュエーションだわ」

 妄想で鼻息を荒くするアスカ、ふとリビングの声に気が付いた。

「むっいつの間にレイが来ているわね、行くわよアスカ」

 声はレイであった、プレゼントを背中に隠すと気合を入れてドアを開けた。

「レイいらっしゃい、今日も一人で来たの?」

「うん、おかあさん忙しいの。それにもう一人で来れるもん」

「レイちゃん偉いね〜」

 感心し頭を撫でるシンジ、アスカは・・・

(フン、一人で来るなんて当たり前よ、シンジもそんなんで頭撫でないのっ!)

「今日来たのはね〜これをシンジお兄ちゃんにプレゼント」

 レイはリボンが付いた丸まった画用紙をシンジに渡した。

「僕に?」

「うん、今日はシンジお兄ちゃんの誕生日でしょう。私のプレゼント」

「そうか〜僕の誕生日か〜すっかり忘れていたよ、ありがとうレイちゃん」

 毎日家事で忙しい主夫シンジ、自分の誕生日をすっかり忘れていた。

(な〜〜にが忘れていたよ、もうボケたのかしら)

 心で突っ込むアスカ、忘れさせる原因は二人の同居人にある。

「わあ〜〜僕とレイちゃんだね」

 画用紙を広げるとクレヨンで描かれたシンジとレイが手を繋いでいる。そして服装はタキシードとウエディングドレス。

「うん、私とシンジお兄ちゃんの結婚式なの」

「レイちゃんがお嫁さんなのかい?照れちゃうなあ〜」

(な〜〜〜にが照れちゃうよ、そんな事絶対にないわよ!)

 アスカの頭の中でシンジの隣は勿論・・・であった。

「シンジ、アタシからもあげるわよ」

「アスカもかい?」

「そうよ、寂しい誕生日にならないように、わざわざアタシがプレゼントをあげるのよ。感謝しなさい」

「アスカありがとう」

「う、うん・・・」

 シンジの微笑みに頬を赤らめ何故か頷くアスカであった。

「あっガンダムだ〜〜」

 プレゼントはガンダムのプラモデルであった。

「アンタ欲しがっていたでしょう、買い物ついでに買ってきてあげたわよ」

 本当は探しまわってやっと見つけたものであった。

「ありがとう大事にするよ」

「当然よ、アタシのプレゼントですからね」

 お礼を言われ嬉しくなるアスカであった。

「あっシンジお兄ちゃん、もう一つプレゼントがあったの」

「もう一つ?」

「うん、おかあさんが持っていきなさいって、でもこれ何?」

 ポケットから小さく折りたたまれた紙を渡した。

「ん?これは・・・って!」

「あっ!それって」

 驚くシンジとアスカ、それは婚姻届の紙であった。丁寧にシンジの名前とレイの名前が書いてあった。

「ねえそれって何?それ貰うと喜ぶの?」

 婚姻届の漢字が読めないレイは何かわからない。

(リツコの奴〜〜わざわざ名前まで書いてくるなんて〜〜)

「レ、レイちゃんこれはね〜まだ早いよ」

「何が早いの?」

「そ、それはね、大人になったらわかるよ」

「?全然わかんないや」

(リツコ絶対にシバクわ)

 一生懸命説明するシンジ、赤鬼になるアスカ、そしてリツコは・・・





「ふふ、からかいすぎたかしら?多分アスカが来るから罠を仕掛けておかないとね」

 研究室でコーヒーを飲みながら罠を考えるリツコの姿があった。


 シンジ君の誕生日。アスカちゃんはガンダムのプレゼントでシンジ君のハートをゲット?レイちゃんは自作の絵でシンジ君のハートをゲット?

 アスカちゃんはレイちゃんにプレゼントで勝ったと思いましたがレイちゃんにはまだ切り札が(^^)

 リツコさんのプレゼント?はシンジ君のハートをゲットできたでしょうか(笑)

「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


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