リツコおかあさんシリーズ

りんご

「りんごむいてあげるね」

 リツコの研究室に遊びに来ていたシンジとアスカにレイはリンゴをもってきた。

「りんご〜?アンタむけるの」

 手にはリンゴの他に果物ナイフも持っていた。

「うん、おかあさんに教えてもらったの」

「へえ〜そうなんだ」

 アスカは感心した、自分が五歳の頃はリンゴをむく事はできなかったからである。

「レイ、手を切らないようにゆっくりむくのよ」

「うんっ」

「レイちゃん、頑張ってね」

 リツコの言葉に大きく頷く姿に応援をするシンジであった。


「よいしょ、よいしょ」

 大きなリンゴはレイの小さな手からこぼれ落ちそうであるが、落ちないように必死に持ちゆっくりとむいていく。

「んしょ、んしょ」

「レイちゃんがんばれ〜」

「んしょ、んしょ」

 シンジは応援するがむくのに集中しており聞こえていない。

「できた〜〜」

 丸ごとむき終えたリンゴを皿に起き満足そうなレイであるが・・・

「レイ〜もうちょっと皮にみをつけないようにしましょうね」

「へへ、まだまだだね」

 リツコが持ち上げた皮に、みが沢山ついており、まだまだ練習が必要である。

「しょうがないわね〜アタシが見本を見せてあげるわよ。リンゴを持ってきなさい」

「ええっ?アスカが??」

「なによ〜その驚きは?リンゴぐらいむけるわよ」

 驚いたシンジに少しムッとする。

「ごめんごめん、素直に驚いちゃったよ」

「そうね、できないと思っていたわ」

「なっリツコまで、アタシだって女の子よ。できるに決まっているでしょうが」

「はいアスカお姉ちゃんリンゴ」

「ん、ありがと」

 レイからリンゴを受け取ると、ゆっくり深呼吸をして果物ナイフを持った。

 シャッシャッシャッシャ

 リンゴをむく歯切れ良い音が研究室に響く。

「あっ凄い・・・」

 手際の良さにシンジは素直に驚いた。

「は〜〜い、おわり。じゃじゃ〜〜ん」

 綺麗にむかれたリンゴに一枚で繋がった皮にみはほどんどついていない。

「アスカお姉ちゃん、すご〜〜い」

「ふっふっふ、どんどん褒めて良いわよ」

 腰に手を当て胸を張って自身満々である。

「これならすぐにお嫁さんに行けるね」

「なっ・・・」

 レイの言葉に姿勢を崩した。

「そうね〜誰がお婿さんかしらね?ねえアスカ」

「な、なななななななな、何言ってんのよ」

 リツコの問に真っ赤になって答えるアスカはチラっとある人物を見た。

「アスカお姉ちゃんのお婿さんって誰だろうね?シンジお兄ちゃん」

「こらレイっ」

 更に真っ赤になる。

「そうだね、誰なんだろうね」

 レイのむいたリンゴを食べながら本気で誰だろうと考えるシンジであった。


 アスカちゃんリンゴが上手にむけたんですね(笑)

 それだけでお嫁さんに行けるでしょうか?真っ赤になっているのに気づかないシンジ君、流石に鈍感ですね。

「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


リツコおかあさんシリーズ りんご